新作映画『ルイの9番目の人生』を観るべき3つの理由――親子愛が胸を打つ、幻想的な心理サスペンス

(C) 2015 Drax (Canada) Productions Inc./ Drax Films UK Limited.

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『ルイの9番目の人生』ってどんな映画?

愛らしくて賢い少年ルイ・ドラックス。まだ短いその人生は、命を落としかねない危険な事故の連続だった。赤ん坊の頃、シャンデリアが落下し全身骨折。感電や食中毒、毒グモやハチに刺されたこともあった。そして9歳の誕生日、ルイは海辺の崖から転落し、ついに意識不明の重体に陥ってしまう。小児神経医のパスカルも、あまりに特異な症状に困惑するばかり。一方、ルイの父・ピーターは転落事故の当日から、行方不明になっていた。

観るべき理由:1――亡き父が熱望した企画を、息子が映画化

原作はイギリス人作家、リズ・ジェンセンの世界的ベストセラー小説。代表作『イングリッシュ・ペイシェント』がアカデミー賞の作品賞、監督賞など9部門に輝いた巨匠のアンソニー・ミンゲラが生前、映画化を熱望していた企画を、息子のマックス・ミンゲラがプロデュースと脚本を手がける形で実現させた。

そんな本作は、映画の入り口からは想像できない、家族愛の尊さを描いたクライマックスが待っており、胸を打たれる。亡き父の思いを受け継ぎ、息子が映画の完成に導いたという秘話を知れば、より感動は深いものになるはずだ。

観るべき理由:2――予測不能なサスペンス×幻想的なビジュアル

とはいえ、本作を一言で説明するのが難しい。昏睡状態にあるルイが、自身の数奇な半生を回想する<精神世界>を軸に、ルイを救おうと奮闘する医師のパスカル、ルイを溺愛する母親・ナタリー、そしてルイを崖から突き落とした容疑で、警察から追われる父のピーターらが織りなす<現実世界>でのサスペンスが複雑に絡み合う構成は予測不能。ピース(伏線)を集めながら、パズルを完成させる感覚こそが大きな魅力だ。

ルイの心象風景でもある“深海”をモチーフにしたビジュアルも幻想的で、映画に奥行きと広がりを与えている。これまで、ホラー監督の印象が強かったアレクサンドル・アジャ(『ヒルズ・ハブ・アイズ』 『ホーンズ 容疑者と告白の角』)が新境地を切り開いた。

観るべき理由:3――ブレイク必至、カナダ生まれの美少年エイダン・ロングワース

サプライズに満ちた本作だが、きっと一番驚かされるのは、9歳のルイを演じるエイダン・ロングワースの存在感だ。カナダ出身で、撮影時は10歳。透明感あふれる顔立ちに加えて、「9度死にかけた」という設定もうなずける儚さ、そして大人の俳優たちと対等に渡り合う演技力が、映画の投げかける“奇跡”を説得力あるものにしている。

日本の俳優に例えると、幼少期から芸能活動をしている点も含めて、神木隆之介本郷奏多に近い雰囲気かも? 兄と妹も子役で、海外ドラマ「X-ファイル 2016」には3人揃って出演し、モルダーとスカリーが見る幻想に現われた息子・ウィリアムを演じている。

(文:内田涼)


映画『ルイの9番目の人生』
1月20日土曜日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

原題:The 9th Life of Louis Drax
監督:アレクサンドル・アジャ
製作:ショーン・ウィリアムソン、アレクサンドル・アジャ、ティモシー・ブリックネル、マックス・ミンゲラ
原作:リズ・ジェンセン
脚本:マックス・ミンゲラ
出演:ジェイミー・ドーナン、サラ・ガドン、エイダン・ロングワース、オリバー・プラット、アーロン・ポール

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