【受賞者インタビュー】第3回『TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM』準グランプリ・ウエダアツシ 「夏の生活感が見えたり感じられるような映画に」

ウエダアツシ

ウエダアツシ

TSUTAYAが映像クリエイターと作品企画を発掘する『TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM』(以下:TCP)も3年目を迎え、今年も新たに268もの企画の中から4人の才能が見出されることとなった。

今回は準グランプリを受賞したウエダアツシ氏(タイトル『モータープール(仮)』)にインタビュー。最終審査会から1ヵ月ほど経って、改めてその心境などを聞いた。

TCPは映画業界においてのM-1やキングオブコントみたいなもの

最終プレゼンでは、作品の舞台となる大阪でのイメージVTRを『探偵ナイトスクープ』仕立てにして笑いを取っていたが、やはり緊張したという。

「まぁ…いっぱいいっぱいでしたね(笑)。プレゼンの10分間のうち5分が映像なので…。審査員の方は脚本を読んでくれていますが、読んでいない来場者が大多数の場で、その人たちを置いてけぼりにすることは、エンターテイメントを職にする端くれの人間としてはやってはいけないことだと思って。残りの5分で企画の全貌をいかに効果的に伝えられるか必死でした」

プレゼン当日の様子

プレゼン当日の様子

『リュウグウノツカイ』『桜ノ雨』など商業映画で活躍、2018年も2月に『富美子の足』の公開が控えるウエダ氏にとって、TCPとはどういう場所なのか?

「映画業界においてのM-1とかキングオブコントみたいなものだと思っていますし、今後そうなっていくんだろうなという気がしています。M-1にコンビ結成から何年以内というくくりがあるように、僕のように何本か撮ったことがあるくらいの若手が多く応募している点もなんとなく似ているなと。完成した映画のコンテスト(映画祭)はたくさんありますが、その場合は当然ながら映画を観ての審査がすべてです。でも、TCPは企画段階のコンペであり、一次審査で企画書、二次審査で脚本、最終審査でプレゼン、とそれぞれこちら側も都度それに対する戦略・演出を考えないと勝ちきれないと思いました。M-1でいう一本のネタだけでは優勝できない、みたいなところかも。監督しててもプレゼンする機会はなかなかないので、普段とは違ったスキルも必要となりますが、それでもオリジナルを5,000万以上の制作費で映画化してもらえるわけですからね。映画業界の中で群を抜いて夢のあるコンテストだと思います」

思い出を呼び起こすきっかけになるような作品に

準グランプリを獲得した『モータープール(仮)』は横浜に住む少年が祖母の居る大阪で過ごすひと夏の成長物語だ。ウエダ氏にとって、ある意味着地点にしたいとも考えている作品が自身にはあるという。

作品のあらすじを見る  

小学2年生の新太郎は夏休みを大阪の祖母のもとで過ごすこととなる。祖母が管理する「モータープール(月極駐車場)」で出会う人々は、高級外車から軽自動車まで車も違えば仕事も環境も様々。大阪の個性的な人々に翻弄され戸惑う日々の中、新太郎は両親が離婚する事実を知る。笑いと人情の街で少年が経験するひと夏の物語。

ウエダアツシ

ウエダアツシ

「この作品の一番最初の発想は、ホウ・シャオシェン監督の『冬冬の夏休み』という映画から来ています。夏になるとなんか観たくなるこの映画が大好きで。国も文化も違えば、場所や時代も違うのに、自分が子供の頃に感じたおばあちゃんの家に遊びにいく夏休みのワクワクとか、居心地の悪さとか(笑)、リアルに思い出させてくれる映画なんです。そういうことを大阪を舞台にやってみたいなと思っていたのが、ベースになっています。」

一人の少年のひと夏の成長物語という設定は、今回受賞した4作品の中では一番自由度がある。そこでウエダ氏が一番こだわりたいのはどんなところだろう?

「少年のほんの些細な成長、くらいのことを描いた映画が個人的には好みなんですが、一緒に作っていただく映画会社やプロデューサーもそれぞれの意見があると思います。話し合って、より多くの人に観てもらえる映画になるように進めていければ良いですね。こだわりたいところは、夏の生活感。おばあちゃん家に行って普段使われていない部屋に泊まることになった時の畳の匂いとか、縁側の蚊取り線香の匂いとか、夕立が降る前の空気の匂いとか、そういうものが感じられる映画にしたいですね。匂いは映画にはないんですが、映像や音をヒントに観客それぞれの記憶の中の匂いの感覚をも呼び起こしてくれるような、そんな『夏休み』を描きたいです。」

アイデアが何か思いついたら、だいたい3行以内くらいで書いてみる

大学時代の自主映画制作だけでなく、卒業後の出版社での仕事やWEB用動画の撮影・編集、さらにはグラビアからヨガのハウツーなどムック本用の映像など、ウエダ氏曰く「時代の流れに身を任せていろんなことを経験してきた」ことがひとつ彼の強みでもある。そんなウエダ氏が普段からクリエイティブすることにおいてやっていることとはなんだろう?

「常にアンテナは張っているつもりです。映画を観たり、本や漫画を読んだり、街に行って若い子が話していることに耳を傾けたりとかは日常的にやってます。アイデアを何か思いついたら、だいたい3行以内くらいで書いてみて、『この3行が映画になったら自分は観てみたいかどうか』というのを判断基準にしています。長く説明しないと伝わらない企画って、やっぱり映画になってもわかりづらい気がして。端的に3行でまとまらないまま思いつきで書き始めることもありますが、でもそういう時はきっとダメなんだろうなと思いながら書いていますね」

面白いかどうかは3行にまとまるかどうか――これは前回準グランプリを獲得した金井純一氏も最終審査会のプレゼンで言っていたことだ。

「ショートプロットという考え方は業界には浸透していると思うんですけれど、僕はもともと雑誌の編集をやっていたのでその経験が大きいかもしれないです。記事の頭につける見出し、キャッチを決められた文字数でいかに面白く書けるか。面白く書ければ読者も記事を読もうかなという気になってもらえたりするので」

さまざまな経験を積んできたウエダ氏が今回の企画で見せる「一人の少年のひと夏の成長物語」とは一体どんなものになるのだろうか。こだわり抜いた“夏の感覚”が味わえるその日を楽しみに待ちたい。

TCP作品、続々公開!

【TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015】グランプリ受賞作品

映画『嘘を愛する女』
2018年1月20日(土) 全国ロードショー
⇒特設ページはこちら

監督:中江和仁
脚本:中江和仁・近藤希実
出演:長澤まさみ 高橋一生 DAIGO 川栄李奈 黒木瞳 吉田鋼太郎
配給:東宝
製作:「嘘を愛する女」製作委員会
制作プロダクション:ROBOT

【TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015】準グランプリ受賞作品

映画『ルームロンダリング』
2018年全国ロードショー!

出演:池田エライザ 渋川清彦 健太郎 光宗薫 / オダギリジョー
監督・脚本:片桐健滋
共同脚本:梅本竜矢
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
配給:ファントム・フィルム
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント プラスディー

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