【受賞者インタビュー】第3回『TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM』準グランプリ・片岡翔 「映画から生まれる物語がもっともっと増えていったら」

片岡翔

片岡翔

TSUTAYAが映像クリエイターと作品企画を発掘する『TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM』(以下:TCP)も3年目を迎え、今年も新たに268もの企画の中から4人の才能が見出されることとなった。

今回は準グランプリの片岡翔氏(タイトル『ザ・ドールハウス・ファミリー(仮)』)にインタビュー。最終審査会から1ヵ月ほど経って、改めてその心境などを聞いた。

作り手としては一番ありがたいチャンス

2017年11月に開催された最終審査会では7名のファイナリストでトリを飾った片岡氏だが、「意外と楽しんでやれました」と当時を振り返った。

「ステージに上る直前になって『こういう機会は一生に一度あるかないかくらいかな』と思ったらちょっと楽しんでる自分がいました」

とにかく楽しいことを仕事にしたい! と思い立ったのが20歳くらいだという片岡氏。映画は好きだったというが、この道に進むのに確固たる自信があったわけではなかったという。

「やりたいことがいっぱいあったのですが、20歳位の時いよいよ将来を見定めないと、というときに『映画を作るのが楽しい仕事では』とふと思いました。例えばスポーツ選手や歌手なら才能があるかないかはすぐ明らかになると思うんですが、映画監督って特にどんな才能が必要かわからない職業なので、やってみないとわからないですよね。なので、『もしかしたら出来るかもしれない』という勝手な自信を抱いて上京しました」

プレゼン当日の様子

プレゼン当日の様子

その後、映画学校を経て自主映画を撮り始め、現在までに『1/11 じゅういちぶんのいち』(14)『たまこちゃんとコックボー』(15)などの映像作品で監督・脚本を務めたほか、別作品での脚本参加や小説『さよなら、ムッシュ』を手がけるなどすでにマルチに活躍している。そんな片岡氏にとってもTCPは新たな挑戦の場だった。

「なかなか若手にこういう機会を貰えることはないですよね。映画祭も参加していますが、作品を出して評価されたら次の製作に直結する、ということでもないですし。TCPは製作が直結しているので、作り手としては一番ありがたいですし、なかなかオリジナルの企画が通らない風潮もある中ではチャンスだなと思いましたね。映画から生まれる物語がもっともっと増えていったら良いのになとはいつも思っています」

あえて、“真逆なもの”を

準グランプリを射止めた『ザ・ドールハウス・ファミリー(仮)』は、事故によって体を失ったある家族が脳科学者の父によって人形に生まれ変わるという、人形がメインキャストとなる作品だ。

作品のあらすじを見る  

藍の家族は人形だ。8年前、事故で体を失った母と妹と弟は、脳科学者の父の手によって生まれ変わった。母はフランス人形に、妹と弟は可愛らしいぬいぐるみに。以来、一家は町外れの洋館で仲良くひっそりと暮らしてきた。だがある日、その平穏な日々は作られたものだったことがわかり、家族の歯車が狂い始めていく。

片岡翔

片岡翔

「自分にしか出来ないものはなんだろうな、他人ではなくて自分にできることは? と考えた時に、父が人形屋(日本人形、西洋アンティークドール、現代作家人形の展示・販売)だったので人形に囲まれて育ったということもあって、この企画は自分で撮りたいなと思いました。これを突き詰めていけば、僕なりに新しい切り口や今まで観たことのない感覚を生み出すことが出来るのでは、と思ったんです」

先の小説『さよなら、ムッシュ』も“話すぬいぐるみと出版社校正男子の友情物語”。片岡氏がこの作品に込めたい想いとは何だろう?

「小説を書く時に自分の好きなものを自由に書きたいと思い、僕自身が小さい頃からずっと大事にしているぬいぐるみがいるので、喋るぬいぐるみと男の子の話を書きました。それが心温まる系の話なので、今回オリジナルでやるのであれば、真逆なものに挑戦しようと思ったんです。同じようにぬいぐるみや人形が喋るんですけれど、全く心が温まらない話にしたいなというのが着想のキッカケですね。また、僕は人形に囲まれて育ったので感じないのですが、一般の方の9割以上は人形を見て怖がるんですよね。そこがやっぱり面白いなと思っていて。顔があるものに心や魂を感じてしまうというか…だから恐怖を感じてしまうと思うんですけれど。そういった映画は色々あると思うけれど、そこをもうちょっと深く掘り下げたものが出来ないかなと。家族の心が宿った人形として見せていくのですが、不気味ながらも可愛い一面もあったり、感情移入できたり、すごく可哀想に思えたりとか、そういう部分をお客さんに感じてもらえるようにしたいなとは思っていますね。あとは、単純にビジュアルとしての人形ではなく、美しさへのこだわりを持って、俳優と同じような扱いで人形やぬいぐるみを撮りたいなという想いもあります」

自分には、人形なんだなと。

TSUTAYAのコンペとして応募するにあたって、作品が完成したその後のイメージも漠然と描いていたという。

「昔僕が好きだったのは、TSUTAYAのスタッフレコメンドの棚にちょこっと並んでいる、沢山の目立たない名作。そんな作品を観て育ってきたのもあって、そういうところにずっとひっそり残れるような映画にしたい、と応募したときには考えていましたね。映画はもちろんヒットもさせたいけれど、一過性ではなく、何年経っても手にとって貰えるものにしたいですね」

コンペを勝ち抜くという最初のハードルをクリアした片岡氏。『ザ・ドールハウス・ファミリー(仮)』を自身の代表作として世に送り出すための歩みはまだまだ始まったばかりだ。

「この作品は自分の代表作にしたいですね。自分の根本から出てきた企画ですし、やはり人形が好きな思いが強いので。(人形で)小説も書いているし、僕はこれなのだなと。実はこの前も人形の短編を撮ったばかりで、周りからは今の時点でも『また人形ですか?』と言われていますからね(笑)。これを自分の色として全開に出していこうと思います」

TCP作品、続々公開!

【TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015】グランプリ受賞作品

映画『嘘を愛する女』
2018年1月20日(土) 全国ロードショー
⇒特設ページはこちら

監督:中江和仁
脚本:中江和仁・近藤希実
出演:長澤まさみ 高橋一生 DAIGO 川栄李奈 黒木瞳 吉田鋼太郎
配給:東宝
製作:「嘘を愛する女」製作委員会
制作プロダクション:ROBOT

【TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015】準グランプリ受賞作品

映画『ルームロンダリング』
2018年全国ロードショー!

出演:池田エライザ 渋川清彦 健太郎 光宗薫 / オダギリジョー
監督・脚本:片桐健滋
共同脚本:梅本竜矢
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
配給:ファントム・フィルム
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント プラスディー

フォトギャラリー

この記事を読んだ人におすすめの作品

アーティスト情報

関連サイト

TSUTAYAランキング

おすすめ映画ガイド

TSUTAYA MUSIC PLAYLIST