ソフィア・コッポラ監督、新作での挑戦は「新しいストーリーテリング」。自身のメモリアルフォトブックは「とてもいい思い出がいっぱい詰まった本」

アンドリュー・ダーハム氏とソフィア・コッポラ監督

アンドリュー・ダーハム氏とソフィア・コッポラ監督

2017年カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したソフィア・コッポラの最新作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(日本公開2月23日)。今月16日より来日中のコッポラ監督が、彼女をデビューから支えてきたプロデューサーで、写真家でもあるアンドリュー・ダーハムとTSUTAYA TOKYO ROPPONGIに来店。映画と、コッポラ監督20周年を記念して発売されるメモリアルフォトブック「Andrew Durham Set Pictures Behind the scenes with Sofia Coppola」(※日本限定発売)についてトークイベントが開催された。

コッポラ監督「この本を見ると色んな思い出がどんどん蘇ってくる」

ダーハム氏が手がける写真についてコッポラ監督は「アンドリューは初期から私の作品からセットにいて写真を撮ってくれているので、この本を見るとまさに色んな思い出がどんどん蘇ってくるし、とてもいい思い出がいっぱい詰まった本になったと思います」とコメント。

写真を手がけるきっかけはコッポラ監督からのオファーだった。「もともといつもスナップ写真用のカメラを持っていたんだ。僕らが若かりし頃、90年台に例えば旅行に行ったりパーティーに行ったりする時は、スナップ写真をよく撮っていた。そして、ソフィアが映画を作り始めた時に、現場で『少し、写真を撮ってくれない?』と声をかけてくれたんだ」

現場での撮影は「楽しいからやっている感じだった」というダーハム氏はさらに「僕とソフィアは好きな写真家や、写真のタイプが似ているんだ。カジュアルでナチュラルなものがとても好きだったから、僕達のスナップというのもそういう感じの写真だった。現場に居るスチールカメラマンとは別に『どんな空気感で撮影しているのか』ということを捉えようとしながら撮影しているんだ」と続ける。

ソフィア・コッポラ監督

ソフィア・コッポラ監督

これにコッポラ監督は「彼の写真はとてもその場の雰囲気を捉えているので、私が見ると、またあたかも現場にいるような…色んな思い出が蘇るような、そんな印象を伝えてくれる写真になっています」とダーハム氏だから撮ることの出来るという写真を絶賛していた。

長年の付き合いでお互いの印象は――

コッポラ監督はダーハム氏を「とてもオープンでクリエイティブな人」と言い、「彼の凄いところは、とても細かいディテールまで気がついてカメラに収めるところ。例えばこの本の中で描かれているマリー・アントワネットの写真だと、その背景にいる女優さんがたまたまカメラを持っている。それにも気がついてそこを捉えてくれていたり、普通の人だったらもしかしたら気がつかないところを彼は収めてくれている。そこが素晴らしくて。通常、映画のセットで雇われて写真を撮るカメラマンだと、どうしても俳優たちも気構えてかしこまった写真になってしまうけど、彼の場合は決してそうではない、とても親密な写真を撮ってくれるんです」と全幅の信頼を寄せるダーハム氏のテクニックを明かす。

一方のダーハム氏から見ると、そんな雰囲気を出してくれるのはコッポラ監督ならではの現場だからなんだとか。「映画の現場では素敵な雰囲気を生み出すことが出来る人で、写真を撮っている僕の仕事もとても楽になるんだ。だから関わっているみんながリラックスして、インスピレーションを受けて、仕事に集中できるような環境になる。接しているだけで僕の気持ちも落ち着いてしまうような人柄だね」

トークの様子

トークの様子

コッポラ監督、新作での挑戦は「新しいストーリーテリング」

今回の映画においては、「ロケーションは私の作品ではとても重要ですし、『ビガイルド』では実際の場所で撮影することがとても重要だった」というコッポラ監督。「ロケーション自体がキャラクターを持っていますし、今回は長い歴史を持った南部の州の農園で撮影をしたんです。この映画はジャンル映画…スリラーであり、サザン(南部)ゴシックというジャンルに入るんですが、そのジャンルでありながら、自分自身のスタイルを入れることが大きなチャレンジでした。出来上がった作品を観て『自分の作品だな』と思えるし、今までチャレンジしたことのない新しいストーリーテリングも出来たと自負しています」

この日、集まったファンの質問にも答えていたコッポラ監督

この日、集まったファンの質問にも答えていたコッポラ監督

写真集と映画について語るコッポラ監督とダーハム氏だったが、イベント中にはDVDが並ぶ棚へ熱い視線をおくる場面も。その理由をMCに聞かれると、「アメリカにもこんなお店があったら良いなと思って見ていました。(目線の先にあったのが)特に子供向けの作品がありそうなので、(母親として)とても興味深かったんです。アメリカでは配信が主で、こういったお店がほとんど無いですからね」という一幕もあった。

コッポラ監督は最後に「90年代、はじめて日本に来た時、スナップ写真の写真集を色々とみて、すごく影響を受けました。今でもそういった写真を撮っているのは日本の写真集のおかげでした。ありがとう」とメッセージを残した。


映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』
2月23日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開

【監督】ソフィア・コッポラ(『SOMEWHERE』『マリー・アントワネット』『ロスト・イン・トランスレーション』)
【出演】ニコール・キッドマン(『LION/ライオン ~25年目のただいま~』『めぐりあう時間たち』)、エル・ファニング(『ネオン・デーモン』)、キルスティン・ダンスト(『マリー・アントワネット』)、コリン・ファレル(『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』)
2017/アメリカ/93分/英語/ヨーロッパビスタ/ドルビーデジタル/原題:The Beguiled
提供:東北新社
配給:アスミック・エース STAR CHANNEL MOVIES

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