【名シーン】『カリオストロの城』なぜクラリスの“おでこ”にキス?神ってる演出まとめ!

『カリオストロの城』金曜ロードSHOW!で今夜放送!

『カリオストロの城』金曜ロードSHOW!で今夜放送!

1月19日、日本テレビ系列「金曜ロードSHOW!」では、宮崎駿初の長編アニメーション監督作品『ルパン三世 カリオストロの城』が放送。恥ずかしながら、まだ「カリ城」を観たことのなかった筆者。今回の放送を前に、事前に本作を鑑賞したのだが…。

【あらすじ】
ヨーロッパの小国カリオストロ公国。ニセ札の噂が絶えないこの国へやって来たルパンは、悪漢に追われるひとりの少女クラリスを助けるが、彼女は再び連れ去られてしまう。実はカリオストロ公国・大公家のひとり娘であったクラリスは、強引に結婚を迫るカリオストロ伯爵によって城に幽閉されていたのだ。ルパンは既に城内に忍び込んでいた不二子の手引きで城に潜入するのだが…。

“大胆”アニメーションד繊細”すぎる演出

本作の見どころといえば、なんといっても圧倒的なアニメーション表現の数々だった。冒頭のフィアットでのカーチェイスからはじまり、ミートボールスパゲッティの奪い合い、塔のてっぺんからルパンが駆け足で飛び出す姿、水路の滝に落ちまいと泳ぐ姿や、空中でクラリスを助けるために空でも泳ぐなどなど…現実離れしたマンガ的なアクションが満載。 「これぞアニメだ!」ともろ手を上げて喜びたくなるほど痛快な表現に溢れている。

しかし、本作の魅力はそんな現実離れしたアクションだけではない。登場人物たちの心情を繊細に表現した描写が天才的なのだ…。

▼冒頭、クラリスに命を吹き込んだ名シーン

例えば、冒頭のクラリスとルパンの出会い。崖から落ちたルパンを助けるため、クラリスは湖の水を掬おうとするのだが、その動作に注目。まずは手袋をつけたまま両手で水に手を浸し、その後に片方の手袋を脱ぎ、水を浸してルパンの下へと運ぶ。この一連の動作に、クラリスの優しい女性像だけではなく、焦りや気づきなどが描きだされている。もし、クラリスが当たり前のように、片手の手袋を脱ぎ、水に浸してルパンの顔にもっていったら…、その後に続く物語の伏線も白々しく見えていただろう。

特別なシーンではないが、このような人間味の溢れる細かい演出が宮崎駿作品のキャラクターに命を吹き込んでいる。ぜひ、言外の細部の動きにも注目して頂きたい。

▼ルパンと次元、“イチャイチャ”に隠された繊細さ

またルパンと次元の絡みも見逃せない描写に溢れている。例えば冒頭のシーンで、パンクが起きても動じず語らず、“日常”のように「じゃんけん」を始めるふたり。この短いシーンにも、ふたりの人物がどれだけ長い道のりを共にして来たかを感じることが出来る。

また、クラリスの正体に気が付いたルパンに対して、次元が絞め技を使って聞き出すシーン。コミカルで人気なワンシーンだが、その前に次元がよそよそしく距離を詰める姿や、「とぼけるんじゃない“の”!」と柔らかさのある「の」という語尾からも、カッコつけなルパンの性格を知り尽くした次元のキャラクターが息づいている。そのほかにも、名シーン「スパゲッティ」の取り合いでも、ふたりが続ける会話はスパゲッティについては一切触れていない(食べ物の取り合いも日常茶飯事の出来事なのだろう)。

そんな本作のふたりのイチャイチャぶりには、男も憧れるような長年の“連れ合い”としての清々しさが隠されている。

▼なぜルパンは“おでこにキス”をした?

そして本作のクライマックスのクラリスとの別れ。「離れたくない、泥棒にもなります!」と胸に飛び込んできたクラリスに対して、ルパンは髪を逆立て(今やジブリ作品お馴染みの表現)、バイブレーションやメリハリをつけた腕の動きで葛藤を表現。「このままクラリスを連れて行ってしまいたい! しかし、犯罪の世界に引き込むわけには…」という心の叫びが聞こえてくるようだ。

しかし、そんな叫び声とは裏腹に、山田康雄演じるルパンの続く一声は実に落ち着き払った口調で、あくまでも大人な対応を見せる。極め付けは、クラリスが顎を上げてキスをせがむシーン。ルパンはそっと“おでこ”にキスをする。女ったらしのルパンが唇ではなくあえて“おでこ”にキスをすることで、クラリスが“特別”な存在であると同時に、ルパンが“大人の男”としてクラリスを守るため一線を画した愛情と覚悟がにじみ出ているのだ。

「オレのように薄汚れちゃいけんだよ…」ひとりの大泥棒が魅せる哀愁に満ちた去り際に、筆者の“こころ”も見事に盗まれた。

ほんと、“なんて気持ちのいい連中なんだ”!

声の出演

ルパン三世:山田康雄
峰不二子:増山江威子
次元大介:小林清志
石川五ェ門:井上真樹夫
銭形警部:納谷悟朗
カリオストロ伯爵:石田太郎
クラリス:島本須美

(文・nony)

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アーティスト情報

山田康雄

生年月日1932年9月10日(62歳)
星座おとめ座
出生地東京府東京市大森区南雪谷(現・東京都大田区南雪谷)

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島本須美

生年月日1954年12月8日(64歳)
星座いて座
出生地高知県

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