【インタビュー】河瀨直美監督『パラレルワールド』出演で石井杏奈「新しい自分を見つけられた」

石井杏奈

石井杏奈

EXILE HIROが率いるLDH JAPANが仕掛ける、国際短編映画祭『ショートショートフィルムフェスティバル&アジア』とEXILE、三代目 J Soul Brothers、E-girlsなどに歌詞を提供してきた作詞家・小竹正人によるコラボプロジェクト「CINEMA FIGHTERS」。EXILE TRIBEの楽曲からインスパイアされたものを、ショートフィルムとして実写映像化する斬新な試みに、河瀨直美監督ほか5人の監督が挑んだ。

全6作品からなる「CINEMA FIGHTERS」/(C)2017 CINEMA FIGHTERS

全6作品からなる「CINEMA FIGHTERS」/(C)2017 CINEMA FIGHTERS

河瀨監督が手がけるのは三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE「Unfair World」をベースにした『パラレルワールド』。ある高校を舞台に、15年の時を経て母校を訪れた高木徹(山田孝之)が、想いを寄せていたダンス部の真矢(石井杏奈)とのことを回想する。天体観察室での二人の思い出…もしもあの刻を動かせるなら…。

日本を代表する女性監督の1人・河瀨直美も共演した山田孝之も、共に初の仕事となった石井杏奈に話を聞いた。

――女性監督は初だったと思いますが、今までの現場と比較して雰囲気の違いなどはありましたか?

女性だからということは特にありませんでしたが、今までご一緒した監督さんとは全然違いました。リハーサルもなくほぼ全部本番のような撮り方だったり、アドリブだったり。現場で河瀨監督はモニターの近くに居るのではなく、生で演技を見ていてくださっているんです。そこで例えば「手を繋いで」とかコソッと指導してくださるんです。それで、自分もアドリブで気持ちを河瀨監督の指導に寄せながら手を繋いだりとか。こういう経験は初めてでしたね。

――本編は15分程度ですが、撮影はどのくらいの期間でされたのでしょうか

2日間です。もともと「2日間に分けるかも」と言われていてたのですが、実際は1日で撮れてしまったんです。そこで2日目にはエクストラカットや、電話のシーンを追加で撮影しました。

――奈良県にある実際の高校での撮影だったんですよね?

はい。奈良市の一条高校で。ただ、(徹がいた)地学部今はないみたいなんです。建物にある展望台も今は使われていなくて、撮影の時に久しぶりに開けたとのことだったんですが、8月中旬に撮影していたので、中はすごく蒸し蒸ししていましたね。汗が吹き出て大変でしたが、夜の空はとても綺麗でした。

――劇中ではダンス部という設定ですが、あのダンスはオリジナルですか?

あれは、一条高校のダンス部の方たちが大会でやった振りを教えていただいて、みんなで踊りました。すごくいい方たちで「この子達とだったら、気持ちよく仲間になれそう」と一緒に頑張りましたし、本当にダンス部の一員みたいになっていました。

――山田さんと共演されてみていかがでしたか?

山田さんは、オフの時に話すことはほぼなかったんです。本番で初めて顔を合わせるようなシーンも多くて、「絶対に顔を合わせないように」という監督の指示でお昼ごはんも別々の部屋で分かれていたりしたので、残念ながら山田さんがどんな感じかを知れずに終わってしまった感じです。

――では芝居を一緒にする中で相手の感覚を掴んでいったと。

はい。

――山田さんとの演技を観ていて思ったのは、芝居というより、素の二人の会話を切り取られているような、そんな印象でした。

監督から特に指示はなかったので、素で話していました。本当にドキュメンタリーみたいな感覚で撮られていて、長い時間撮影した中から一部分が切り取られてこの作品に反映されているので、実際は山田さんともっといろんな会話をしていました。

――逆に、会話がなくなる場面もありますが、そこもひとつ見どころだと感じています。

沈黙になることが苦ではなかったです。きっとそこに生きていた真矢と高木くんは、喋らなくても通じ合えたような仲だったのかなと。「真矢が積極的だから引っ張ってね」って河瀨監督に言われていたので、「引っ張らなきゃ」って高木くんを質問攻めにしていたんですけど、天体観察室のシーンはあまり喋りたくなかった感じがありました。

――喋って引っ張っていく方と喋らなくても二人でいる関係、どちらが好きでしたか?

会話が見えないほうが、客観的に観た時に2人の感情が自分で想像できるので、喋らなくても二人でいる関係のほうが好きです。

――わずか2日間という短期撮影でしたが、いわゆる長編とは違った瞬発力が試されたと思います。新しい発見は何かありましたか?

緊張とか不安もありましたが、今までTVとかで観てきた山田さんを前にしてもバシバシ行けたので、そこは割り切れる人間なんだと改めて自分を知るキッカケにもなりました。また、監督から「スタート!」がかかったら、それを捨てることが勝負なんだというのも気づけました。そういう面では一皮むけたというか、自分が強くなれたと感じています。河瀨監督がパッと言ったことをパッとやれた時に気持ちが良かったり、指示された事をやっていても感情が乗っていたりして、「こういう瞬間に映画の神様が舞い降りているのかな」とか思える瞬間が多かったです。なのでそういう作品に出会えたことも、新しい自分を見つけられたことも嬉しかったですね。

――短期ながら新たな発見が出来た現場を経験して、また河瀨監督とやってみたいと思いましたか?

いつか長編作でご一緒させていただけるように頑張りたいなと思いました。2日でこれだけ濃かったのであれば、長編作でご一緒できれば、もっと違う自分が見られるのではないかと感じています。


『CINEMA FIGHTERS(シネマファイターズ)』
2018年1月26日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー

監督:河瀨直美(『パラレルワールド』)、A.T.(『キモチラボの解法』)、萩原健太郎(『Snowman』)、齋藤俊道(『色のない洋服店』)、常盤司郎(『終着の場所』)、落合賢(『SWAN SONG』)
上映時間:94分(全6作品)
配給:LDH pictures

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