「生粋のお嬢様を、邪念なく演じました」―『今夜、ロマンス劇場で』本田翼インタビュー

本田翼

本田翼

『今夜、ロマンス劇場で』は、モノクロ映画の世界から飛び出してきたお姫様(綾瀬はるか)と、映画監督を目指して撮影所で働く青年(坂口健太郎)の時空を超えたラブストーリーだ。本田翼は、この青年に恋している映画会社社長の令嬢を演じている。

「社長令嬢の役はやったことがありましたけど、こういう生粋のお嬢様を演じるのは初めてだったので、自分の周りにいるお嬢様的な人を探して、会ったりしました。友だちですけどね。結局、そういう育ちの方って焦ったりしないんです。それに伴って話すスピードがゆっくりだったり。あと、ちょっと邪念がない感じ。そういうところは意識しました。普段の私とは逆……ではないですよ(笑)。でも違いますね、(自分とは)離れていますね。あと、クラシカルなファッションも楽しかったです。着ていて、ちょっと背筋が伸びる。お嬢様になれる。衣装(の力)も大きかったかも。日傘をずっと持っていたんですよね。あれはお嬢様ならではだなあと。あとは帽子のデザインも現代にはないもの。あの時代にしか流行っていなかったものなので印象に残っていますね」

(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会

(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会

映画の黄金時代を舞台にした、ファンタジーだ。本田扮するお嬢様も、ずっと一途なままで、ふたりの恋路を邪魔するようなことはない。それがいい。それにしても、わたしたちが知っている本田翼とは別人のような佇まいに驚かされる。

「特に、そういう違いは意識していないんです。作品ごとに、ちゃんと役を見て、演じたいと思います。大切にしていたのは、やはり純粋で、言葉遣いも丁寧な、お転婆ではない生粋のお嬢様ですね」

近くにいる人を参考にする。このあたりが、彼女ならではのアプローチだ。

「(役に対して)なんとなく、あの子っぽいな、と思うことがあるんですよ。自分の交友関係の中で、当てはまったりするときは、その子を思い出したりして、こういう子だったら、こういうふうにしゃべるな、と考えたりします。だから結構周りの人は参考にすることがありますね」

(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会

(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会

それは、きっと、普段から、人間観察をしているからだろう。

「そうなのかな……でも、人の好き嫌いとかはあんまりないかもしれないですね。もしかしたら。そういうところ(好き嫌い)で人を見てはいないというか。こういう人もいるんだ! と思って(相手と)話す。いろんな人とお友だちになっていたいなとは思います。もともと、人は人だと思っているタイプなんですよ。あんまり(自分と)噛み合わなくても、こういう人もいるんだなあっていう気持ちで話すことは全然できるんです。だから……人を拒絶する人の気持ちがわからなかったりしますね。逆に」

その根底には、他人に対する好奇心と寛容性がある。そして、先入観を持たないのだという。

「そんなに人に期待してない(笑)。悪い意味じゃなくて。期待しすぎると、裏切られたと思っちゃうこともあるじゃないですか。でも、それって勝手に期待してるだけですから」

(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会

(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会

確かに先入観は期待の裏返しである。こうあってほしい、というある種の押し付け。本田はそこから自由であり、フラットに人に接しているから、濁りのない、清々しい演技ができるのかもしれない。

映画を始めとするフィクションに対する距離感にも、彼女ならではのものがある。

「(登場人物に)共感はします。たとえば『プラダを着た悪魔』の世界に軽い憧れを抱いたりはしますけど、基本的に理想や憧れってないんです。(好きな)ゲームも二次元だと割り切っているから(キャラクターに)憧れるってことはないし。(フィクションは)あくまでも(現実とは)別なもの、ということですかね。ゲームの世界はゲームの世界だし。私は、その世界に入っている自分が好きであって。それを違うところに持ち込んだりはしない。だからゲームが好きじゃないという人の気持がわからない、ということもないんです。フィクションを楽しんでる時間があって、そうじゃない時間がある。そこは完全に、分かれているのだと思います」

(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会

(C)2018 映画「今夜、ロマンス劇場で」製作委員会

本田翼の芝居を観ていて、からりと揚がった極上の天ぷらを想起することがある。それは、もしかしたら、スパッと気持ちいいくらい割り切れている、彼女のライフスタイルに根拠があるのかもしれない。そんな本田にとって『今夜、ロマンス劇場で』は、次のような映画だったのだという。

「お話がブレることなく、とてもスッキリして観れました。いろんな要素がなくて、良かったんですよ。ラブストーリーの一言で言い表すことができる。たとえば、ドタバタアクションとかそういうものはなくて。全部淘汰した上でのラブストーリーだったなって」

つまりは生粋のラブストーリー。生粋のお嬢様を妙演した本田翼には「生粋」の一語がよく似合う。無駄なものがない女優なのである。

(取材・文:相田冬二)


映画『今夜、ロマンス劇場で』
2018年2月10日(土)全国ロードショー

出演:綾瀬はるか、坂口健太郎、本田翼、北村一輝、中尾明慶、石橋杏奈、柄本明、加藤剛
監督:武内英樹
脚本:宇山佳佑
制作プロȀクション:フィルムメイカーズ
配給:ワーナー・ブラザース映画

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