【インタビュー】ヒュー・ジャックマン「ダンスは“爪”と“杖”の違い」映画『グレイテスト・ショーマン』

ヒュー・ジャックマン

ヒュー・ジャックマン

『レ・ミゼラブル』ヒュー・ジャックマンが×『ラ・ラ・ランド』音楽チームとコンビが贈る映画『グレイテスト・ショーマン』が2月16日(金)に公開。このたび、本作の主演を務めたヒュー・ジャックマンにインタビューを敢行した!

当初の実現可能性は20%くらい…

本作でヒューが演じたのは、19世紀半ばのアメリカに実在した伝説の興行師・P.T.バーナム。妻への一途な愛を糧に夢を追いかけた彼は、差別や偏見の中で立ち尽くしていたエンタテイナーたちにスターになれる場所を提供し、エポックメーキングなショーを創造しショービジネスの原点を築いた人物としても知られている。

ヒュー・ジャックマン来日記者会見

ヒュー・ジャックマン、来日記者会見の様子/(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

そんな本作への出演のきっかけとなったのは、ヒューが司会を務めた2009年のアカデミー授賞式。プロデューサーのローレンス・マークと共同脚本家のビル・コンドンが、その時のヒューの姿から本作のオファーを持ちかけた。しかし、当時は実現の可能性について「20%くらいかなと思っていた…」と振り返る。

「当時プロダクションカンパニーを持っていたんだけど、常に色々なオファーが持ち込まれても大体10本に1本くらいしか『YES』とは言わないんだ。また『YES』から映画になるのも10本に1本くらい。だから、プロデューサーが『君はウルヴァリンとしてすごく有名になったが、舞台ではミュージカルを沢山やっている。オスカーでも素晴らしい歌声を披露したしぜひP.T.バーナムという素材でミュージカルをやってみないか?』と誘われた時も、『(実現は)20%くらいの可能性かな…』って思っていたんだ。でもジェニー・ビックスが書いた脚本の第一稿がとてもいい脚本だったんだ」

映画『グレイテスト・ショーマン』

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

出来上がった脚本に大きな感銘を受けたと明かすヒュー。さらに、マイケル・グレイシー監督との出会いは、本作の肝となる「楽曲」を手掛けたベンジ・パセックとジャスティン・ポールへともつながっていった。

「当時、ちょうどコマーシャルの出演予定があって、そこでマイケル・グレイシーと出会った。コマーシャルとミュージックビデオでは成功している監督だったけど、その時に『この人いいんじゃないか?』って思ったんだ。撮影後に『一緒に映画を作ろう!』って誘ったら、彼は『Whatever(どっちでもいいよ)』って(笑)。『なんで?』って聞いたら『15年もコマーシャル監督をやってきて、出会ってきた俳優みんながお世辞で“一緒にやろう”って言ってくれた…。それでも一度も実現しなかったんだ…』って言うから、帰ってすぐに脚本を送ったよ。そしたら『え! 本気だったの!』って快諾してくれたんだ(笑)。それからマイケルがベンジとジャスティンを発見してくれたり、キャラクターや衣装などのイメージを伝える45分のプレゼンまで用意して1,000回プレゼンしていく中でこの映画の制作は決まったんだ」

“爪”と“杖”の違いだね(笑)

映画『グレイテスト・ショーマン』

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

ヒューをはじめとしたスタッフたちの熱い想いがあって実現した本作の映画化。みどころは何と言っても、至極のミュージカルシーンだ。軽快なナンバーから、緊張感溢れるナンバー、ロマンティックな曲まで…。多種多様で魅力的な楽曲に合わせて、パワフルなダンスが繰り広げられる。

しかし、ヒュー・ジャックマンといえば「ウルヴァリン」のアクションのイメージも強いが…。アクションとダンスの違いについて質問してみると、ヒューは「同じことだよ」と話す。

「(アクションの)動き方はものすごく正確でダンスのような振付なんだ。パンチなどをされた時などもリラックスして反応する柔軟性が必要。アクションでも力んで固くなるととケガをしやすくなる。だから同じなんだ。一方は(ウルヴァリンの)“爪”で、一方は(バーナムの)“杖”という違いだね(笑)」

1日12時間のダンス…合言葉は「Film is forever!」

映画『グレイテスト・ショーマン』

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

アクション同様に、劇中でも見事なダンスを披露しているヒュー。そんなダンスシーンの撮影は1日12時間に及ぶ過酷なものだった。

「ダンスナンバーだと(1曲に)1日12時間で3日間で撮影したね。10週間のリハーサルで毎日毎日少しずつダンスナンバーをやるんだけど、もちろん部分的にやることもあるけど、全部を“通し”で撮りたいだ。また4分のシークエンスを撮影するのに、アクションだったら2週間をかけるところを、ミュージカルだと3日間しかない。だから完全にダンスが頭の中に入ってないといけない。12時間ダンスをしっぱなしですっごい疲れるし大変なんだけど、やりきった達成感はすごく嬉しいね」

過酷なスケジュールのなかで、心身ともに限界まで追い込んだ撮影。長回しが多い中でも、現場で口ぐちに叫ばれていたのが「Film is forever!」という合言葉だった。

「10時間連続でやってヘロヘロになっていると振付師のウォーレンが『次の(撮影)が映画に使われるかも知れないよ! Film is forever! Film is forever!(映画は永遠に残るぞ!)』って言うんだ。そうすると、みんなも『OK…Film is forever(これが、永遠に残るんだ…)』って自分たちに言い聞かせてたよ(笑)」

もしもサーカスに出演するなら…?

映画『グレイテスト・ショーマン』

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

そんなヒューのストイックさは、バーナムというキャラクターの役作りにも現れている。「バーナムに関する書籍37冊をすべて読んだんだ。それだけで異なる映画が8本も10本も撮れるような素材があったよ。彼の貧しさは映画よりもずっと酷かったし、非常にユニークである意味革命的な人物だったと思う」と徹底したリサーチを振り返る。その魅力はどのようにして映画作品として昇華されていったのか…?

「火事やジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)とのストーリーも(あんなにロマンチックではなかったけど)本当にあったことなんだ。ショーに最悪の批評が出たとき、それをすべての新聞で発行したのも本当。さらに実際に全財産を失ったことは7回もあったそうで、ある時は小人症のトム・サームが資金を全部提供してくれたんだ。ショーのために彼ら搾取したというのも事実だけど、一緒に暮らしていて資金提供してくれるくらい仲がよかったことも事実なんだ。本作は彼の人生を忠実に描いているということではないけど、彼の人生を土台にして、ショービジネスがどのように生まれたのかや、人生を肯定し自分らしく生きるメッセージを伝えているんだ」

P.S.バーナムの人生を“舞台”にした本作。エンターテイナーであり、野心家であり、そして一人の父親。ヒュー演じるバーナムの人間味にも溢れる人生は、カラフルなミュージカルナンバーとダンスにのせた人生賛歌のカーニバルといえるだろう。開演5秒から観るものを釘付けにする圧倒的なエネルギーは間違いなく映画館の大スクリーンで体感して頂きたい。

映画『グレイテスト・ショーマン』

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

最後に、「もしも、あなた自身がサーカスに出演するなら何をやりたい?」と質問。

「やっぱりリングマスターがいいかな…。空中ブランコとか綱渡りだと死んじゃうからも知れないからね(笑)。あとは昔バイトでやっていたクラウン(道化師)もいいね!」

バーナム同様にエンターテイナーとして、ジェスチャーやモノマネをふんだんに織り交ぜながらサービス精神旺盛に質問に答えてくれたヒュー。そんな彼のクラウン姿もいつの日か拝んでみたいものだ…。

(取材・文/nony)


映画『グレイテスト・ショーマン』
公開中

監督:マイケル・グレイシー
出演:ヒュー・ジャックマン、ミシェル・ウィリアムズ、ザック・エフロン
配給:20世紀フォックス映画

レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル

出演者 ヒュー・ジャックマン  ラッセル・クロウ  アン・ハサウェイ  アマンダ・セイフライド  エディ・レッドメイン  ヘレナ・ボナム・カーター  サシャ・バロン・コーエン  サマンサ・バークス  アーロン・トヴェイト  イザベル・アレン
監督 トム・フーパー
製作総指揮 ライザ・チェイシン  アンジェラ・モリソン  ニコラス・アロット  リチャード・パパス
脚本 ウィリアム・ニコルソン  アラン・ブーブリル  クロード=ミシェル・シェーンベルク  ハーバート・クレッツマー
原作者 ヴィクトル・ユゴー  アラン・ブーブリル  クロード=ミシェル・シェーンベルク
概要 世界的大ヒット・ミュージカルを豪華キャストで映画化したミュージカル超大作。出演はジャン・バルジャン役にヒュー・ジャックマン、その宿敵ジャベール警部にラッセル・クロウ、そのほかアマンダ・セイフライド、アン・ハサウェイ。監督は「英国王のスピーチ」のトム・フーパー。19世紀のフランス。1本のパンを盗んだ罪で投獄され、19年間を監獄の中で生きたジャン・バルジャン。仮出獄した彼は再び盗みを働いてしまうが、司教の優しさに触れ、改心する。過去を捨て、ついには市長にまで上り詰めるが、ジャベール警部に自らの正体を見破られ逃亡を余儀なくされる。そんな中、薄幸の女性ファンテーヌから託された彼女の娘コゼットに深い愛情を注ぎ、美しい女性へと育てていくバルジャンだったが…。

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アーティスト情報

ヒュー・ジャックマン

生年月日1968年10月12日(50歳)
星座てんびん座
出生地豪・シドニー

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