新作映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』を観るべき3つの理由――わずか26日間で撮影されたソフィア・コッポラ監督の“新境地”

(C)2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

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『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』ってどんな映画?

南北戦争期のアメリカ南部、バージニア州。園長のミス・マーサをはじめ、世代の異なる女性7人が暮らす寄宿学園に、森の中で負傷した北軍兵士のマクバニーが担ぎ込まれる。敵兵の扱いに苦慮するも、キリスト教の教えに従い“客人”として手厚く介護することを決めた女性たち。一方、身動きができない状況のマクバニーは、生き延びる術として、彼女たちの欲望を刺激する。やがて“女の園”は情欲と嫉妬に絡め取られていき…。

観るべき理由:1――「禁欲女性7人 vs. 男性負傷兵」先が読めない愛憎ゲーム

『ロスト・イン・トランスレーション』で知られるソフィア・コッポラ監督の長編6作目となる最新作。これまでの色彩あふれるポップでガーリーな作風から一転し、禁欲的な生活をおくる7人の女性たちが、突然現れたワイルドな男に翻ろうされる姿を、自然光を活かした映像美で捉えている。

抑えつけられた欲望を引き金に、「禁欲女性7人 vs. 男性負傷兵」が密室で繰り広げるのは、先が読めない愛憎のゲーム…。脚本も手がけたコッポラ監督の野心的なイマジネーションは、まさに新境地だ。昨年のカンヌ国際映画祭では、女性として56年ぶり、史上2人目となる監督賞を受賞する快挙を成し遂げ、その評価を確固たるものにした。

観るべき理由:2 ――各世代を代表する女優が夢の“饗宴”

各世代を代表する女優の共演が実現しているのも、大きな見どころ。アカデミー賞女優のニコール・キッドマンは、園長のミス・マーサを演じ、あふれる母性を表現。同時に、マクバニーと対峙し、内なる欲望に葛藤する難しい役どころに挑んでいる。

マクバニーからの求婚に心躍らせる結婚適齢期の女性教師・エドウィナを演じるのは、コッポラ監督と4度目のタッグを果たすキルスティン・ダンスト(『マリー・アントワネット』)。そして、『SOMEWHERE』以来となるコッポラ組参加のエル・ファニングが、思春期全開のティーン、アリシアを妖艶に演じる。南部の慣習に従い「美しく優雅であるべき」と教育されながら、戦争のせいで周りに男がいない…。そんな“モンモン女子”の饗宴(もてなし)を受けるマクバニー役に、コリン・ファレル。彼女たちを誘惑するバッドボーイな空気も強烈だ。

観るべき理由:3 ――ソフィア・コッポラを直撃!「実は予算を削減されて…」

先月、4年3ヵ月ぶりのプロモーション来日を果たしたコッポラ監督がインタビューに応じた。「閉鎖的な空間を舞台に、男女のパワーバランスがどんな変化を遂げるのか。これは非常に普遍的、かつ現代的なテーマだと思った。女性たちの心理はもちろん、いつ敵軍に突き出されるかもわからないマクバニーの不利な立場が重要な要素だったわ。彼は女性たちが求めるもの…愛や癒し、セックスを持ち合わせている。それらを武器に、いかにサバイバルするか考えているの」

ソフィア・コッポラ監督

ソフィア・コッポラ監督

豪華キャストが揃った緊迫のサスペンスにして、精密な群像劇である本作はなんと26日間という短期間で撮影された。「実はクランクインを前に予算が削減されてしまって(笑)、撮らざるを得ない状況だったの。だからこそ、今は誇りに思うわ。ビジネス面には長けていないし、唯一できるのは、アーティストとして直感を信じて、自分らしい作品をつくることだけなの」

(取材・文:内田涼)


映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』
2月23日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開

【監督】ソフィア・コッポラ(『SOMEWHERE』『マリー・アントワネット』『ロスト・イン・トランスレーション』)
【出演】ニコール・キッドマン(『LION/ライオン ~25年目のただいま~』『めぐりあう時間たち』)、エル・ファニング(『ネオン・デーモン』)、キルスティン・ダンスト(『マリー・アントワネット』)、コリン・ファレル(『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』)
2017/アメリカ/93分/英語/ヨーロッパビスタ/ドルビーデジタル/原題:The Beguiled
提供:東北新社
配給:アスミック・エース STAR CHANNEL MOVIES

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