新作映画『シェイプ・オブ・ウォーター』を観るべき3つの理由――ラブロマンスの歴史を変える「奇妙で純粋な愛の神話」

(C)2017 Twentieth Century Fox

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『シェイプ・オブ・ウォーター』ってどんな映画?

米ソが冷戦を繰り広げていた1962年。アメリカ政府の極秘研究機関で清掃員として働く女性イライザは、そこで出会った“不思議な生き物”の神々しい姿に、一目で心を奪われてしまう。幼少期のトラウマが原因で、声を出せないイライザだったが、アイコンタクトや手話を通して“彼”と心を通わせる。やがて、政府の陰謀によって“彼”が生体解剖されると知ったイライザは、同僚や友人らの協力を得て、大胆な救出作戦に打って出る。

観るべき理由:1――最多13部門にノミネート! アカデミー賞(R)の目玉に

言葉を失った女性と、アマゾンの奥地で神と崇められる生き物が種族の枠を超えて、深く共鳴し合う…。すべての生命の源であり、形をもたない“水”をモチーフに、1つの形に収まらない愛の多様性を問いかける本作は、ラブロマンスの歴史を変える「奇妙で純粋な愛の神話」と呼ぶにふわさしい傑作だ。

昨年、ヴェネチア国際映画祭にて満場一致で金獅子賞に輝き、その後の映画賞レースを牽引。日本時間の3月5日に発表される第90回アカデミー賞(R)では作品賞、監督賞、主演女優賞をはじめ、最多13部門にノミネートされている。果たして、いくつのオスカーを獲得するのか? 今年の受賞式を盛り上げる目玉作品でもある。

観るべき理由:2 ――溶けあう美術×音楽が生み出した幻想世界

監督は『パンズ・ラビリンス』 『パシフィック・リム』などで知られるギレルモ・デル・トロ。SF、ホラー、ファンタジーを縦断する独創的な作風に加えて、怪獣や特撮など日本のカルチャーにも造詣が深いオタクぶりが、多くの映画ファンの共感を集める存在だ。

そんなデル・トロ監督が、本格的なラブロマンスに挑んだのは画期的なこと。と同時に、背景となる冷戦時代の不穏な空気(それは現代にも共通している)を的確に捉えるメッセージ性の高さ、愛/憎悪、夢/現実、人間/異形、過去/未来、神話/科学がクロスオーバーする柔軟さは、まさにデル・トロ節。それぞれの色彩に意味を持たせたレトロフューチャーな美術と、アカデミー賞作曲家であるアレクサンドル・デスプラの音楽が、流れる水のように溶けあい、幻想的なセンス、詩的なパワーが爆発している!

観るべき理由:3 ――トトロではありません…、来日したデル・トロ監督を直撃!

というわけで、1月末にプロモーション来日を果たしたデル・トロ監督を直撃!(実写版トトロではありません…)。インタビューでは、映画の象徴でもある“不思議な生き物”の誕生秘話を語ってくれました。

ギレルモ・デル・トロ監督

ギレルモ・デル・トロ監督

「女性が一瞬で恋に落ちるような存在でなければいけない。だから、デザイン段階で女性たちの意見を聞いたよ。同郷のアレハンドロ(・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)の奥さんは『そんな唇だったら、私はキスしない』って言っていた(笑)。いろんな意見を参考にして、最終的なスイマー体型になったんだ。一番のこだわりはお尻のシルエットだね」

クリーチャーの命である“目”にも特別なこだわりが。「もっとキュートにしようかって話もあった。実際には、知的な雰囲気を大切にしたけどね。目が瞬きする仕組みは『ヘルボーイ』(2004)の頃に開発したもの。両目と口が織りなす3点のバランスは、日本の『ウルトラマン』に影響を受けているかもしれないね。美しく神々しい。そして穏やかなんだ」

(取材・文:内田涼)


映画『シェイプ・オブ・ウォーター』
3月1日(木) 全国ロードショー

監督・脚本・プロデューサー:ギレルモ・デル・トロ『パンズ・ラビリンス』『パシフィック・リム』
出演:サリー・ホーキンス『ブルージャスミン』、マイケル・シャノン『テイク・シェルター』、リチャード・ジェンキンス『扉をたたく人』、ダグ・ジョーンズ『パンズ・ラビリンス』、マイケル・スツールバーグ『シリアスマン』、オクタヴィア・スペンサー『ドリーム』
原題:The Shape of Water
配給:20世紀フォックス映画

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