新作映画『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』を観るべき3つの理由――“あの”『ロブスター』製作チームから届いた新たな挑戦状!

(C)2017 EP Sacred Deer Limited, Channel Four Television Corporation, New Sparta Films Limited

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心臓外科医のスティーブンは、美しい眼科医の妻・アナ、才能あふれる2人の子どもと、裏庭のある豪邸に暮らしていた。誰もが憧れる成功者としての人生を歩む彼だが、その一方で家族には内緒で、16歳になる少年マーティンとの“密会”を繰り返していた。果たして、その関係は? やがて、スティーブンが家族にマーティンを紹介したことから、思いも寄らぬ事態が巻き起こる。子どもたちの両足がマヒし、歩けなくなってしまうのだった。

観るべき理由:1――衝撃のオープニングシーンに、心臓がドキっ!

まずは、オープニングシーンが非常に衝撃的。具体的にどんな描写なのか、明言は避けるが、思わず心臓がドキっとしてしまった(しかも作り物ではなく“本物”なのだとか…)。こうして一瞬にして心をつかまれたまま、映画は次々と謎を突きつけ、観客を不条理でサスペンスフルな悪夢へと誘っていく。

そもそも、親子ほど年齢が離れたスティーブンとマーティンが、人知れず密会を繰り返す理由は? その裏に隠された悲劇が明かされたとき、家族の幸せは音を立てて崩れ始める。歩けなくなったスティーブンの子どもたちは、“第2段階”として食事を拒否するのだ。しかも、彼らの奇妙な症状は、マーティンによって事前に予告されていた…。

観るべき理由:2――またしてもカンヌ受賞!“あの”『ロブスター』の監督です

メガホンをとり、共同脚本・製作も手がけたギリシャ出身の鬼才ヨルゴス・ランティモスは、本作で第70回カンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞。過去に『籠の中の乙女』(2009)で同映画祭「ある視点」部門グランプリ、『ロブスター』(2016)で審査員賞に輝いており、今回“カンヌ3冠”を成し遂げた。

『ロブスター』といえば、「独身者は45日以内にパートナーを見つけないと、強制的に動物に変身させられてしまう」キテレツ設定で話題を集めたが、本作にもランティモス監督をはじめ、撮影や編集など『ロブスター』チームが再集結。見る側の価値観を揺さぶり、想像力を刺激する作風は、さらにパワフルなものとなった(絵画のような映像美、奇妙なルールに対するこだわりも健在)。「正義、報復、信念、選択についての映画だ」とは、ランティモス監督の言葉。鬼才から届いた新たな挑戦状は、映画ファンなら受けて立つ価値が十分ある!

観るべき理由:3――結局、どゆこと?「理解できない」余白と戯れる贅沢さ

というわけで、一筋縄ではいかないことだけは確かな本作。エンドロールが始まると、悪夢から解放されたという観客の特権を享受すると同時に、「結局、どゆこと?」という不可解さが深い余韻として、ずっと頭をグルグルめぐるはずだ。分かりやすさや共感が重視され、ネットで何でも理解できたつもりでいられる時代だからこそ、意味深なタイトルも含めた「理解できない」余白と戯れることは、とても贅沢なこと。見る人によっては、スリラーであり、ホラーであり、コメディにもなりうる多面性が大きな魅力だ。

本作には、マーティンの亡き父が好きだったという米映画『恋はデジャ・ブ』がチラッと登場する。タイムリープを題材にしたラブコメの傑作だが、ラストにまつわる重要な説明が省かれており、公開当時「結局、どゆこと?」と大いに議論を巻き起こした。まったく接点がないように思える2作品には、重要な共通点があるのだ。


映画『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』
3月3日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラスト渋谷ほか全国公開

監督:ヨルゴス・ランティモス『ロブスター』
脚本:ヨルゴス・ランティモス、エフティミス・フィリップ
撮影:ティミオス・バカタキス『ロブスター』
編集:ヨルゴス・モブロプサリディス『ロブスター』
出演:コリン・ファレル『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』、ニコール・キッドマン『LION ライオン 25年目のただいま』、バリー・コーガン『ダンケルク』
原題:The Killing of a Sacred Deer
配給:ファインフィルムズ

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