リュック・ベッソンはコミックでクリエイティブを学んだ!? 映画『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』トークイベント

リュック・ベッソン監督

リュック・ベッソン監督

映画『レオン』などで知られる巨匠リュック・ベッソン監督によるSF超大作『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』が3月30日(金)公開。本作は、少年の頃、原作コミック「ヴァレリアン」シリーズと出逢い、その世界と主人公たちに夢中になったという監督が、長年の夢を叶えた渾身の作品だ。

先日、プロモーションのため6年ぶりの来日を果たしたリュック・ベッソン監督。今回は劇中歌を担当したアレクシアン・シラと共にTSUTAYA TOKYO ROPPONGIに登場、スペシャルトークイベントの開催となった。

コミックはベッソン監督のTV代わり

ベッソン監督は会場に来ていたファンに「映画を観た人は?」と問いかけ、挙手を見るなり「映画を観た人たちだけに向けて話をするよ」とジョークで挨拶。MCを務めた多田涼士がまず「今回は原作ファンから見ても本当に素晴らしい映像の連続。原作を知っていても知らなくても楽しめる映画」と絶賛。また多彩な宇宙人たちが出てくることに「もしかしたら『フィフス・エレメント』と『ヴァレリアン』の世界はつながっているのでは?」との指摘に「それは…監督が一緒だからじゃないかな?」と笑いを誘うベッソン監督。「僕にとってはそれらは繋がっていないんだ。時代的なギャップがあって『ヴァレリアン』の物語は『フィフス・エレメント』の300年後くらいに起きるからね」と続けた。

登場して一礼するベッソン監督

登場して一礼するベッソン監督

また、バンドデシネ(コミック)作品数多く手がけてきたことでリテラシーも高いのでは?との問いには「少年の頃は地方に住んでいたうえ、しかもTVがなかったから少年にとっては厳しい環境だった。だから当時のバンドデシネはTV代わりだったんだ。実際それはTVよりもいいものだったよ。なぜなら時間も空間も超えられるし、いろんなエイリアンにも会える世界が広がっていたんだ。当時、ヴァレリアンが連載されいた雑誌(週刊)には毎回たったの2ページしか連載がなかった。その2ページを読んでしまったら、また1週間待たなくてはいけなかったから、忍耐を学んだね。ただ、待っている間に自分なりに次の展開を考えることも出来たから、イマジネーションは凄く育ったと思うよ。展開や、色彩…すべてを想像していたからね。実際は次の週がやってくると、自分の想像以上の素晴らしいものが待っていたよ」と本作におけるルーツも披露。しかし、現在の情報化社会について「今はクリックで子どもたちは簡単に膨大な情報にアクセスすることが出来る。しかし彼らがそこで観ているのはスケボーに乗っている犬だったりするんだよね。なので僕のような好奇心は育っていないのかなとも思ったりするよ」と独自の見解も述べていた。

劇中歌生歌披露! ベッソン監督は「いい環境で聴いてくれると」

ベッソン監督の姪で劇中歌を担当しているアレクシアンが登場すると「『アーサーとミニモイの不思議な国』の時、彼女はまだ13歳だったけど『曲を書きたい』と言ってくれたけど、子供向けの作品だったのにものすごくパンクな曲だったんだ。その時は『アレクシアン、これは子供向けのアニメ映画なんだけど…』って言ったら『分かったわ』って。そして今回の『ヴァレリアン』でも曲を提供したいと言ってくれたので、歳を重ねた彼女に『あまりダークなのはやめてくれよ』とお願いしたんだ。今度はプロデューサーでもある妻と一緒に『いいね』と惚れ込んだんだよ。ちゃんと素晴らしい曲を作ってくれたから採用した。それは僕の姪だからというわけではないよ」とそのクリエイティブを評価したんだとか。

ベッソン監督とアレクシアン

ベッソン監督とアレクシアン

劇中歌を生披露するとベッソン監督は「ここだと音が良くないから、ヘッドホンで聞いてくれると良さが分かると思うよ」と感想を。「より音のいい環境で聴いてもらえると嬉しい」とアレクシアンもこれには同意で「私は割と悲しい曲を書く傾向があるんだけど、今回の曲は上手くハマったと思う」と起用された楽曲への自信を見せていた。

ベッソン監督については「いつも映画や音楽の話をたくさんしています。普段の彼は忠誠心があって大変な努力家」と明かすと、ベッソン監督は会場に来ていた妻のヴィルジニーさんを紹介し「『ヴァレリアン』のような大作は素晴らしいプロデューサーなしでは作り上げることは出来ない。4年の製作期間中、ずっとそばに居てくれた。彼女のお蔭でできた映画でもある」と賛辞を送った。

ベッソン監督、実はすでに次作も撮り終えていた

観客からのQ&Aコーナーでは、冒頭「まだ映画を見れていないんですが…」という女性から「この映画は続編はありますか? もしない場合は次作の予定はありますか? その時は日本に来てくれますか?」と畳み掛けられるとベッソン監督は「たくさん聞くね(笑)」としながら、「続編のことを聞くよりもまずは映画を観て欲しいな。そして、続編を作るべきか意見を待っているよ」とリップサービス。さらには「実はすでに新作を撮り終えているよ。『Anna(アンナ)』というタイトルで、アメリカで10月くらいに公開かな。日本ではこの作品と同じ会社から配給されるから、プロモーションで来たいと思っているよ」とのコメントに会場からは拍手が。「ただ、呼んでくれるのは配給だからね」と念だけ押して笑いを誘っていた。

イジリながらもファンに紳士に答えてくれるベッソン監督

イジリながらもファンに紳士に答えてくれるベッソン監督

また、別のファンが持っていた『グラン・ブルー』にかけて、秘話も披露してくれた。

「日本の配給権を買った会社から『日本人が出てくるジョークのシーンは切ったほうが良い』と言われたんだ。僕はそれはジョークだし、決して馬鹿にしているつもりはなかったけど、そのシーンはカットしたんだ。そして公開から暫く経つと今度は『ロングバージョンを配給したい』と言われてね。それでもやっぱりそのシーンはカットして欲しいと言われたから、今度は『NO』と言ったんだ。ロングバージョンだからね。上映したいなら自分たちで編集をしてくれと。そして出来上がったロングバージョンのプロモーションで来日したらファンもジャーナリストも『なぜまたそのシーンをカットしたんだ』と言ってきたので僕が混乱したよ…。この時、日本人にもそういうのを見せても大丈夫なんだなと確認できたね」

イベント中には作品について多田から「カーラ・デルヴィーニュが演じたローレリーヌは、実は最初はジュリア・ロバーツにしようとしていたと聞きました」とツッコまれ「だから僕はネットが嫌いなんだよ」と発言して会場をわかせる場面もあり、ファンと交流を楽しんでいた。


映画『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』
2018年3月30日 全国ロードショー

監督・脚本:リュック・ベッソン
原作:「ヴァレリアン」ピエール・クリスタン(作)/ジャン=クロード・メジエール(画)
※小学館集英社プロダクションより2018年2月7日頃発売予定
キャスト:デイン・デハーン、カーラ・デルヴィーニュ、クライヴ・オーウェン、イーサン・ホーク、リアーナ、クリス・ウー、ジョン・グッドマン、ハービー・ハンコック、ルトガー・ハウアー
2017年|フランス|英語|カラー|スコープサイズ|137分
配給:キノフィルムズ

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