ジョン・ボイエガと監督が語る『パシリム』続編の製作秘話「脚本家を呪うことが何日もあったよ(笑)」

 

来日したジョン・ボイエガとスティーヴン・S・デナイト監督

ギレルモ・デル・トロ監督がオタク精神を最大限発揮し、世界中で大ヒットを飛ばした映画『パシフィック・リム』の公開から、およそ5年。その続編『パシフィック・リム:アップライジング』が13日より全国公開中だ。突如として再び襲来したKAIJUたちから地球を守るため、イェーガーに乗った新世代のパイロットたちが繰り広げる大迫力のバトルを描く本作。その公開を控える3月某日、主演を務めたジョン・ボイエガと、メガホンを取ったスティーヴン・S・デナイト監督が来日し、インタビューに応じてくれた。

―これまでデナイト監督はテレビドラマの世界で実績を積んでこられましたが、なぜこの『パシフィック・リム:アップライジング』という作品を、映画では初の監督作として選択したのでしょう?

デナイト監督:選んだというよりは、僕が選ばれたんだ。実は、製作者の一人であるメアリー・ペアレントと一緒に、本作より遥かに小さな規模の、登場人物が3人しかいない、ロケーションも家の中だけというサイコスリラー映画を企画していて、それを長編デビュー作として用意していたんだけど、いろいろと難航してしまってね。メアリーも他の企画のために抜けてしまいそうになっていて、僕も「もうだめかな」と思っていた時のことさ。メアリーが僕に「ねえスティーヴン、この作品はあなたのデビュー作にはならないかもしれない。でもその代わりに『パシフィック・リム』の続編はどうかしら?」と言ってくれたんだ。

―かなり登場人物が増えましたね(笑)。

デナイト監督:家の中の3人より、ずっと多い人数が出てくる映画だよね(笑)!もちろんデル・トロ監督の作品のファンだったし、特撮や怪獣映画は昔から大好きだった。自分の力を試したいとも思った。すぐに「やるさ!」と返事をしたよ(笑)。

―ジョンは今回、どんな点を魅力に感じて出演を決めましたか?

ジョン:『スター・ウォーズ』とは異なるシリーズものに出るなら、シリーズものとして差別化できる役じゃないと、まずいと思っていたんだ。出演を決める要因になった背景としては、『スター・ウォーズ』のフィンと、本作のジェイクを比べた時に、同じ人に見えない、つまり違う人物に見えたということが、最も大きかったね。あと、本作に出演するうえでは、自分のアクセントで話すことができた点も魅力的だと思ったよ。

―前作に比べて、イェーガーの造形に洗練されたものを感じました。『機動戦士ガンダム』などからインスピレーションを受けているのでしょうか?

デナイト監督:その通りだ。著作権を侵害すると訴えられてしまうから、そっくり真似したわけではないけれど、日本のアニメは僕も大好きだし、とても影響を受けているよ。イェーガーのデザインはILM(インダストリアル・ライト&マジック)社が基本的に手掛けているんだが、初期のコンセプト・デザインの段階から、本作の設定が1作目から10年後ということ、つまり前作でイエーガー計画は壊滅してイエーガーは全滅しているから、1から作り直すことができた。そういった意味で、デザインを一新したんだ。本作では、より洗練された、新しい、近代的なデザインになっているね。特にセイバー・アテナが好例さ。最先端のテクノロジーを感じさせる造形で、日本のアニメなどの影響を受けていると感じさせるんじゃないかな。

―ジョンは主演とプロデュースという二つのタスクを同時に務めましたが、トライしてみていかがでしたか?

ジョン:主演とプロデュースという二つの役割を務めることに対する喜びや成功は、自分だけではなく、関わっているチーム次第になる。スタジオのシステムはとても大きなものだから、色々なことが起こるんだ。プロデュースに関して言うと、僕一人ではなく、製作チームで動いていたから、皆それぞれの担当部門を務めていた。僕はフェミ・オーガンズと、クリエイティブな面やスティーヴンとの話し合いを担当していたよ。

―プロデューサーという立場ならではだと感じたことはありましたか?

ジョン:自分で奇妙だと思ったのは、長い撮影が終わった後に、ミーティングのために残らなきゃいけなかったことだね(笑)。普通は帰るものなんだよ。でも、そういう関わり方をすることができて、映画製作の過程に対して、より密接な繋がりを感じることができた。寝ているときにも、『明日はこうしなくちゃいけないな』と思い出したり、ビジュアル・エフェクトや再撮の心配などもしていたよ。キャラクターのことだけじゃなくね。ジェイクに関しては、スティーヴンと一緒に徹底的に話して固めたから、心配することはなかったよ。むしろ心配したのは、これだけの作品を、限られた時間で観客の皆に提供しなきゃいけなかったことだ。でも、2つの役割は良いバランスでやれたと思うよ。そうだよね、スティーヴン?

デナイト監督:僕のキャリアはほとんどが脚本家としてのものだから、脚本の執筆は馴染みのある作業だった。でも監督に関しては、残りの人生でいろいろ勉強していかなきゃいけないと思っているんだ。今回の現場では、脚本家を呪うことが何日もあったよ(笑)。「一体全体、脚本家は何を考えているんだ?」っていう具合にね。特に、12人のキャラクターが同じ場所にいる大規模なアクション・シーンには参ったよ。「脚本家が2人だけのシーンを書いてたらいいのに!」って思った。その方がずっと簡単だろ?編集しているときにも呪ったよ。その連続だったんだ(笑)。

―物語の終盤では、KAIJUが驚くべき行動に出ますね。あの展開は、どんな発想から生まれたのでしょう?

デナイト監督:ロボットものでは定番だけど(笑)、KAIJUであれをやったことがユニークだよね。KAIJUとのバトルは3部構成になっていて、まずイェーガーが苦戦を強いられる。それからイェーガーが盛り返して勝てる空気になるんだけど、そこでまた形勢が逆転するんだ。あの場面のデザインはダブル・ネガティブ社が手掛けているんだけど、彼らは素晴らしい仕事をしてくれたよ。

(取材・文・写真:岸豊)


映画『パシフィック・リム:アップライジング』
公開中

監督:スティーヴン・S・デナイト
脚本:スティーヴン・S・デナイト、T・S・ノーリン
製作:ギレルモ・デル・トロ、トーマス・タル、ジョン・ジャシュニ、メアリー・ペアレント、ジョン・ボイエガ、フェミ・オグンス
キャスト:ジョン・ボイエガ、スコット・イーストウッド、アドリア・アルホナ、ジン・ティエン ほか
全米公開:2018年3月23日(予定)
原題:PACIFIC RIM UPRISING
配給:東宝東和

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