【インタビュー】スティーブン・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー1』を語る!「私もこの作品には驚かされているんだ」

スティーブン・スピルバーグ監督

スティーブン・スピルバーグ監督

公式の資料にも「オタク」と紹介される原作者のアーネスト・クラインが、ありとあらゆるポップカルチャーアイコンを壮大な1908年代の愛で包み込んだ「ゲームウォーズ」を実写化した『レディ・プレイヤー1』。今からそう遠くない2045年の地球を舞台に、荒廃した世界で暮らす人々が、VRゴーグルを通じて彼らの理想郷ともなっているバーチャル世界「オアシス」で巻き起こる、創設者ジェームズ・ハリデーの遺産とオアシスそのものの相続権を巡る争奪戦の模様を描く。

監督を務めるのは、本作で監督作品のトータル興行成績が100億ドルを突破した、映画界の巨匠スティーブン・スピルバーグ。先日プロモーションツアーで来日した際、この作品や80年代への想いについて話を聞いた。

(C) 2018WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED

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―VRゴーグルを付けていないのに、その世界にいるような臨場感のある作品だと感じました。一体どんなトリックを使ったんですか?

ものすごい褒め言葉だよ、ありがとう(笑)。トリックはないけど、ストーリーが良かったんだろうね。アバターは凄くリアルで、人間と同じくらいリアルに感じられる。この作品は今まで手がけた中でも技術的には一番複雜だったから、3年もかかったしね。『未知との遭遇』が一番長く製作に時間をかけたけど、それに次ぐ長さだったよ。でも、原作のアーネスト・クラインのおかげとも言えるね。脚本のザック・ペンもそうだ。3年間ずっと話し合いをして、僕と同じくらい想像力のある人達を周りに揃えて、みんなに「オアシス」のイメージを作りを手伝ってもらった。そして今言ってくれたように、観客は自分がゴーグルをしてバーチャル世界に居るような感覚を味わってほしかったんだ。

―VRと現実がすごく対照的な世界ですよね。人々はVR世界「オアシス」の中でハリデーが残した宝を探しに行くわけですが、監督自身がこの映画に隠した宝はあるんでしょうか?

ある。今それは言わないけど、いずれ私に関わるようなイースター・エッグ(※隠れキャラクターやメッセージ)を見つけられると思う。この作品はILM(インダストリアル・ライト&マジック)がエフェクトを担当しているんだけど、彼らも僕を驚かせるために色んな所にイースターエッグを仕込んでいたんだ。エフェクトのチェックを週4回彼らとしていたんだけど、ある日、『グレムリン』が歩いてるのを見つけてしまってね(笑)。画面の中をとても速く通り過ぎたので「今のはグレムリンだよね?」と伝えたら、「それはサプライズで…」って言われてね。本当は見つけちゃいけなかったみたいだけど(笑)。だから私もこの作品には驚かされているんだ。

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―監督は今までいろいろな最新テクノロジーを扱ってもたらされる夢や脅威を描いてきたと思います。今一番期待されているものや、反対に危惧しているようなテクノロジーを教えてください。

ちょっと恐れているのは、感覚を持ったようなロボット…まさに『A.I』のようなね。人間より賢いものを作ってしまったら、彼らのほうが賢いからね。それは恐怖だと思うし、『ジュラシック・パーク』なんかはテクノロジーがあったからこそ作れたし、結果ドラマも生まれた。人間の身体を機械的にいじって…というのも恐ろしいけど、近い未来当然そういうものも生まれてくるだろうね。でも今私が一番恐れているのは、目と目で向き合って話す機会をなくしてしまっているスマートフォン。ただ、この作品のアバターたちはお互いの目を見て会話もしているので、スマホに熱中している状況よりはマシじゃないかなと思うね。

―80年代の音楽についても聞かせください。使われる候補曲を監督が選ばれたと聞きました。その決め手は?

その場面にふさわしいことがまず前提だね。曲の歌詞をよく聞くと、そのシーンの鍵になるようなことだったりドラマに関連性があったりするようになっている。ブルース・スプリングスティーンデュラン・デュランブロンディが次から次に出てきて、ある意味ミックステープのようでもあるね。色んな所から集めてきたから楽しかった。それに僕は80年代に『E.T.』 『インディ・ジョーンズ』 『ジュラシック・パーク』と映画を作っていたし、最初の子供が生まれたのも80年代。だから当時の音楽は思い出深いんだ。

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―監督の映画はとてもワクワクさせられるし、一緒に仕事された方が「監督の子供心に惹かれる」という話もよく聞きます。いくつになっても子供心を忘れないことの秘訣は?

私がそういう人間だからだと思うし、子供心を捨てようと思っても捨てられないんだ(笑)。この業界ではいろんな物語を語ることができるのはラッキーだと思う。物語のバラエティがあることは、人生のスパイスにもなるしね。

―ちなみに監督はどういったものから想像力を得ているのですか?

いつも空想の世界にいるというか…家族に聞けばそう言うと思うけど(笑)。同じ部屋に居るのによく子供に「お父さん、今どこに行っていたの?」って聞かれるくらい、いつもどこかに行っている空想をしているんだ。私が宮崎駿さんと数年前にスタジオジブリでお会いしたとき、彼には近いものを感じたね「自分と同じだな」と。多分彼もいつも空想しているんじゃないかな(笑)

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―監督にとっての80年代はどんなものでしたか? そして今でもこのような映画を作りたいと思っている想いがあれば聞かせてください。

1980年代というのは、レーガン大統領がいて、仕事もあったし経済的にもまあまあで、映画・音楽・ファッション…文化が全てをコントロールしているような時だった。アーネストは2045年という時代設定をしているけども、文化においては「私たちが戻りたい時代」とも言える80年代。『E.T.』は80年代初期、それまでの映画史上最もヒットした作品になったけど、今の時代に同じものをそっくりそのまま作ったら、あそこまでヒットしないだろうね。今のアメリカにはあまりにも皮肉…シニシズムがはびこっているから。ただ、これは僕の考えだから、間違っているかもしれないけどね(笑)。シニシズムを打ち破る映画を作りたいという気持ちが、この『レディ・プレイヤー1』に繋がるんだ。自分が子供に戻れるような作品をね。

―あなたがこの映画で一番観客に伝えたいこととは?

今までの映画だと「こうだよ」というメッセージが伝えられたけど、この映画ではちょっと自分にルールを課していてね。メッセージがありすぎるから、私が「これだ」というよりも、観客には自分でメッセージを見つけてほしいんだ。テーマの一つとしてはチームワークの大切さがある。1人でやるよりも、違いはあってもそれを乗り越えて5人の友だちが一緒に問題を解決するほうが良いとね。そういうことは言っている。パーシヴァルはアルテミスに会ったからこそ成功しただろうし、エイチも必要だし、ショウとダイトウもそうだね。

スピルバーグ監督

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映画『レディ・プレイヤー1』
大ヒット公開中

監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:ザック・ペン
原作:アーネスト・クライン著「ゲームウォーズ」(SB文庫)
キャスト:タイ・シェリダン、オリビア・クック、マーク・ライランス、サイモン・ペッグ、T・J・ミラー、ベン・メンデルソーン、森崎ウィン
配給:ワーナー・ブラザース映画

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アーティスト情報

アラン・シルヴェストリ

生年月日1950年3月26日(69歳)
星座おひつじ座
出生地米・ニューヨーク

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