【インタビュー】森崎ウィン『レディ・プレイヤー1』でスピルバーグとの仕事に「監督に恩返しできるようにオスカーを獲ることが僕の目標」

森崎ウィン

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監督を努めたスティーブン・スピルバーグにして「時代を先取りしている」と言わしめたアーネスト・クラインによる大ヒット小説「ゲームウォーズ」を実写映画化した『レディ・プレイヤー1』。2045年の近未来を舞台に、荒廃した世界の中で希望となっているVR世界「オアシス」で繰り広げられる宝探しの大冒険を描く。

スピルバーグが手がけるエンターテイメント作品に、日本では国際派ダンスボーカルユニット「PrizmaX(プリズマックス)」に所属しながら俳優としても活躍している森崎ウィンが、文字通りの大抜擢。主人公のウェイド・ワッツらと“トップ5”のメンバーとして、VR世界ではガンダムにも変身するなど、この超大作において確実な存在感を見せている。

そんな森崎に、映画公開直前にインタビュー。音楽活動との両立やスピルバーグ監督との秘話までたっぷり語ってもらった。

(C) 2018WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED

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―ミュージシャンもしながら俳優もされていますが、あなたの経歴において、この作品は明らかに異質ですよね。どういったきっかけでオーディションに参加されたのでしょうか?

確かにそうですね(笑)。僕は芸能事務所に所属していますから、様々なオーディション情報が来るんですね。『レディ・プレイヤー1』もその中の一つでした。その時は「ハリウッド系の映画のオーディションがあるから受ける?」とだけ言われて「受けます!」と即答しましたね。やはり、受かる受からないよりも、数多く受けていくことが大事だと思っていましたから。

―チャンスがあればどんどん行きたいと。

もちろんです。

―グループ活動もある中での両立は難しいのかなと思うのですが…?

「グループをやっているから」と制限をかけてしまうと、結果グループのためにならないんですよね。メンバーが個々で頑張って、集まった時により大きな光が放てればいいなというのが目標でもありますから。マネージャーとの意思疎通も出来ているので、自分のチャンスがあれば何でも飛び込んでいこうと思っています。

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―映画出演の情報解禁時には「スピルバーグ監督に直接指名された」とありましたが、実際のところはどうだったんでしょう?

1次オーディションがビデオオーディションで、日本で撮った映像を送りました。そしてロサンゼルスでの2次オーディションに呼ばれたときに小さな部屋でスピルバーグ監督とお会いしました。部屋に入ったらスピルバーグ監督が「やあ、ウィン!」と声をかけてくれて、ちょっと世間話をした後監督自らハンディカメラを手に「じゃあウィン、行くよ。レディ…アクション!」で演技をしたんですけど、緊張しすぎてほぼ記憶が無いんですよね(笑)。僕が受けた後にネットを通して全世界向けにオーディションが出たので、その時は「終わったな…」と思ったんですが、8ヵ月後に急に事務所に呼ばれて「おめでとう!」と。出演情報解禁のときには「スピルバーグ監督自ら指名した」とあったので「本当にそうなのかな?」とか思って(笑)。でもオーディションの時の空気感を思いだすと、同じ部屋に居たキャスティング・ディレクターは緊張しながら僕を見守っていたけど、プロデューサーは厳しい目で観ていて一切笑わなかったので、そういう意味では、多分監督に気に入っていただけたというのは信憑性があるのかなと思いますね。

―決まってからはどんな感じでした?

「とりあえず母親に電話していいですか?」って言ったんですけど、解禁までは守秘義務があるから誰にも言えなくて…。情報解禁されてからは怒涛のように日々が過ぎていって、「嬉しい」とか「出演が決まったんだな」ということより(撮影に向けて)準備することがたくさんあったのでそれに追われていました。準備期間が終わるとすぐイギリスに飛んで、着いたら翌日からカメラテストで現場入り…という感じだったので、やっと今取材を受けてこうやって話をしながら実感が湧いてる感じですね。完成作を観たとき、エンドロールに「WIN MORISAKI」と出たときが一番感動しました。

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―現場ではもちろん緊張やプレッシャーもあったと思います

僕が勝手に感じていただけで、監督は「失敗したらもう一回やろう!」くらいの空気感を作ってくれていたし、演技を気に入ってもらえたら凄くリアクションしてくれて、僕の緊張も徐々に解けていって、自分で提案できるようにもなりました。英語が得意ではなかったので、現場では何気ないことを伝えることが難しくて苦労しましたし、伝えるのが難しいならどんどん聞いていこうと途中からやり方を変えました。海外映画は初めてだったので、自分はある意味裸で飛び込んでいくことが出来ましたね。

―一緒に冒険する5人はいわゆるダイバーシティというか、様々な人種が集まって一緒に冒険しますよね。皆さんとの交流はいかがでしたか?

タイとかオリビアとか「ハリウッド作品出ているから近寄りがたいのかな?」とか勝手な想像をしていたんですが、実際は凄く人間味がありましたね。スタッフがたくさんいるので、現場ではコーヒーだけを運ぶような方も居て、そんな人達にも主演のタイがスタジオのドアを開けてあげたりしているのを目の当たりにして「これが向こうの主演か…」と。僕には英語をいろいろ教えてくれたり逆に日本語を教えたり、座長として周りを引っ張る空気感を作り出していたので「僕もこうなりたいな」とすごく勉強になりましたね。約4ヵ月一緒にいましたが、彼らはオン・オフが激しいですね(笑)。オフの時は凄くラフで「イェー!」みたいに盛り上がっていても、いざ演技となったら本当にパッと変わりますから。これも勉強になりました。

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―森崎さんから観たトシロウはどんなキャラクターですか?

原作を読んだ印象だと、もっとオタクで内気な人だと思っていたんですよね。でも、映画版の台本では自分に近い部分もたくさんありましたし、可愛げのあるキャラクターだなと思います。映画の中でバックボーンがあまり出てこないからこそ、もっと掘り下げてほしいなと思うくらい。例えばシリーズ化されたときにもっと出せたりできれば…ということが僕の中では勝手に固まっていたりするんですが、掘り下げたら面白くなりそうなキャラクターですね。

―自分に近いところというのは例えば…?

「俺やってやったぜ!」みたいにいちいち格好つけるところですかね(笑)。パッとそういう瞬間になるのは歌をやっていてもあるので、そういう意味ではトシロウという役と繋がったかなと思いますね。

―まず、キャラクターの名前がトシロウで、アバターのダイトウも三船敏郎をモチーフにしたと監督が言っていますが、劇中で説明もないので、教えてもらわないと森崎さんがどれだけ凄いことになっているのかわからないですよね。

アバターの説明はもちろん受けましたし、モーションキャプチャーやっているときは「三船敏郎みたいにやってくれ」と監督にも言われました。でもその時はすでにイギリスにいたので、当時の映画を借りに行けずどうしようかなと考えた結果、YouTubeで断片的な映像から三船敏郎さんを見て、できるだけ見て研究しました。でも、三船さんのことを知れば知るほどプレッシャーかかるなと思っていたので、あえてあまり人物像は調べずに作品を通じて感じたものを取り入れようと思っていました。

―そして、劇中では「俺はガンダムで行く」というセリフと共にダイトウが初代ガンダム(RX-78)にも変身しますね。

台本に「I choose the form of GUNDAM!」(Japanese)って書いてあったので両方用意していたんですが、テストの時に居た通訳さんが本番ではいなくて、(英語か日本語か)僕が決めるのかな?とプレッシャーもあって。ガンダムなら「アムロ行きます!」にかけたほうが良いのかとか、凄く悩みました。ただ、かけちゃうとファンに違うかなと思われるかなと思ってあの形にしました。

―ガンダムはお好きですか?

僕はミャンマー出身で、その時からガンダムは知っていて幅広く愛されているなと思っていましたし、ガンダムに関わるということで勉強しよう思ったんですけど、シリーズが多すぎてどうしようって(笑)。たくさん調べていくうちに名台詞を知ったり、でも実際のCGがあがってくるまでどの機体になるのかわからなかったし、ガンダムの動きを僕がどこまでやるのかもわからない。そこは未知だったのでとにかく今できることをやろうとして、そういう意味ではセリフに懸けましたね。

―現実側とVR世界のアバター、演じていて楽しかったところと難しかったところを教えてください。

モーションキャプチャーは本当に難しかったです。目の前にあるのが棒だけでも、カメラを通してみるとそれは扉だったりするので。パントマイム状態というか、想像しなければいけない部分が多かったので大変でした。楽しかったのはオープンセットの撮影ですね。スタック(現実世界の集合住宅)も組んでいたし、でっかいクレーンカメラが来てみんなで撮った最後のシーンとか…監督も「ウィン! 僕らは映画を作っているよ!」と興奮されていましたし、そういうときが本当に楽しくて、もっとやりたいなと思いました。

―撮影が終わってから監督となにかお話はされましたか?

ロンドンプレミアの時にみんなで一緒に食事をしていたのですが、そこで監督と目が合ったので「今だ!」と駆け寄って「話したいことがあります!」と言ったらわざわざ席を立ってくださって「どうしたの?」という監督に「僕を選んでくれてありがとうございます。僕の人生が変わりました」と直接伝えたんですね。プレミアでカーペットを歩いているときとかではなく、本当にプライベートなタイミングで一対一で言えたことがすごく嬉しかったし、そこでやっと感謝を伝えられたのが貴重でした。今回すごく感じたのは、無名な僕が監督に選ばれてハリウッドに行って「どんなやつだ?」ってなるわけですよね。そのときに「やっぱりこいつはスティーブンが選んだんだな」って思われるために、10年以内にオスカーを獲ると目標を決めました。それが一番の恩返しになると思うので獲ります!

森崎ウィン

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―外で活躍してそれをグループに還元したいと仰っていましたが、今回の映画を通じて森崎ウィンとして成長できたと実感できたところはどんなところですか?

一番は周りが見られるようになったことですかね。「俺が俺が!」じゃなく、それはもちろんやらなきゃいけない時もありますけど、普段どれだけの人たちに支えられているか、それをすごく感じましたし、マネージャーを筆頭に、1人じゃ何も出来ないんだなと改めて感じました。映画を作るのもそうですけど、みんなでやるから良いものが出来るわけで。周りを見るのは本当にタイから学んだんですけど、周りに味方されて、座長としてみんなを持ち上げる、そんな人に少しは近づけたんじゃないかなと思っています。


映画『レディ・プレイヤー1』
2018年8月22日(水)Blu-ray&DVDリリース

監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:ザック・ペン
原作:アーネスト・クライン著「ゲームウォーズ」(SB文庫)
キャスト:タイ・シェリダン、オリビア・クック、マーク・ライランス、サイモン・ペッグ、T・J・ミラー、ベン・メンデルソーン、森崎ウィン
配給:ワーナー・ブラザース映画

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