『空気人形』是枝裕和監督“らしい”作風だが、近年知った人には刺激が強いかも【TSUTAYAプレミアムで映画漬け】

『空気人形』

『空気人形』

本企画は、TSUTAYAプレミアムを利用して1日1本映画を鑑賞し、その記録を予想と感想を交えてお伝えしていくものである。

2019年10月11日の鑑賞タイトル『空気人形』

鑑賞前の期待値「是枝監督による原作ものファンタジーの想像がつかない」

本日は、阿部寛×樹木希林による『海よりもまだ深く』が地上波初放送、そして自身初の日仏共同制作となった最新作『真実』の公開日ということで、是枝裕和監督作をチョイス。是枝監督といえば、第71回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞の『万引き家族』が記憶に新しいところ。是枝作品はオリジナルものが大半だが、今作は業田良家の『ゴーダ哲学堂 空気人形』と原作マンガ付きで、監督自ら「原作ものでやりたいと思ったのは初めて」と語るほど思い入れがある作品。原作はかなりの短編でややクセがあるだけに、是枝監督がどう料理するかが興味深い。

鑑賞後の感想「一貫した是枝イズムと作品の世界観がマッチ」

アパートで持ち主の秀雄(板尾創路)と暮らす空気人形・のぞみ(ペ・ドゥナ)は、ある朝「心」を持ち、秀雄が留守のすきに街へ出かける。ある日、レンタルビデオ店で働く純一(井浦新)と出会い、アルバイトをすることに。純一に密かに想いを寄せる空気人形だったが…。

当時も称賛の声が随所で聞かれたが、やはり一番目についたのはペ・ドゥナの演技。とにかく空気人形を人間が演じる、しかも心を持って動き出すという、ファンタジー以外の何ものでもないが、透明感あふれる佇まいと、感情が宿っていないのではと感じさせる無表情から徐々に人間らしくなっていく様子を、これでもかというぐらい瑞々しく演じているのが印象的だった。彼女は『リンダリンダリンダ』に主演したことで注目を集めた女優だ。

物語全体としては美しくも哀しさにあふれ、当時の是枝監督が新境地を切り開いた作品としては注目に値する。この手の映画にありがちな中だるみもなく、小気味よく観られるのは好印象。ただ、闇やわびしさなど心情に起因する要素については想像力を多分に必要とする部分もあり、すべてを説明してほしいとは思わないが、少し不親切さも感じた。

いかにも思わせぶりな台詞や象徴主義的なシーンを多用される印象が強い是枝作品なだけに、今作にも多くの象徴的なカットがちりばめられているが、人形を主役に人間との対比しながら描いたことで、いつもよりはしっくりはまっていた。惜しむらくは空気人形という設定自体で好みが分かれるところだろう。

『空気人形』で一番グッときたポイントは「ペ・ドゥナの“人形らしさ”」

人形が心持つと聞くと少し怖い気もするが、ピュアで愛くるしく、それでいて人形であることの切なさをペ・ドゥナが見事に演じきり、物語に彩りを与えている。今作の最大の成功は彼女、と言ってもいいかもしれない。

▶『空気人形』をレンタルしてみる
▶TSUTAYAプレミアムを利用してみる

▶【TSUTAYAプレミアムで映画漬け】アーカイブを読む

『空気人形』について

【製作年】2009年
【監督】是枝裕和
【出演者】ペ・ドゥナ、井浦新、板尾創路、高橋昌也、余貴美子、岩松了 ほか
【あらすじ】本来あるはずがない「心」を持ってしまった空気人形が、さまざまな人間と出会いながら持ち主に想いを寄せていくが……。
【Filmarks★評価】3.5(5点満点中)

▶『空気人形』をレンタルしてみる
▶TSUTAYAプレミアムを利用してみる

▶【TSUTAYAプレミアムで映画漬け】アーカイブを読む

この記事を読んだ人におすすめの作品

アーティスト情報

ペ・ドゥナ

生年月日1979年10月11日(40歳)
星座てんびん座
出生地

ペ・ドゥナの関連作品一覧

余貴美子

生年月日1956年5月12日(63歳)
星座おうし座
出生地神奈川県

余貴美子の関連作品一覧

関連サイト

TSUTAYAランキング

おすすめ映画ガイド

TSUTAYA MUSIC PLAYLIST