『22年目の告白-私が殺人犯です-』藤原竜也と伊藤英明の手に汗握る攻防に感嘆【TSUTAYAプレミアムで映画漬け】
本企画は、TSUTAYAプレミアムを利用して1日1本映画を鑑賞し、その記録を予想と感想を交えてお伝えしていくものである。
2019年11月14日の鑑賞タイトル『22年目の告白-私が殺人犯です-』
鑑賞前の期待値「藤原竜也の芸達者ぶりと入江悠監督の演出の妙のコラボ」
本日は、「埼玉県民の日」ということで、埼玉生まれの俳優が出演する作品を…と思い、福本伸行のマンガ原作の実写最新作『カイジ ファイナルゲーム』の場面写真が公開されたというニュースが目についたので、藤原竜也出演作からチョイス。今作は、元々2012年に公開された韓国映画『殺人の告白』を基にしたもので、藤原竜也と伊藤英明がダブル主演を務めている。
本作でメガホンをとったのは入江悠監督。『SRサイタマノラッパー』シリーズでインディーズ映画の面白さを見せつけてくれ、その後は『ジョーカー・ゲーム』や『太陽』などを世に送り出している。ストーリー展開の妙を演出し、娯楽エンタメ作を得意とする入江監督が撮るクライムサスペンスということで、ハラハラ感やドキドキ感をどう魅せてくるのか、純粋に気になるところ。そして、『藁の楯』でも最低男を演じきっていた藤原竜也が、告白本を出版する美しき殺人犯をどう演じるのだろうか。
鑑賞後の感想「立場が異なる人間の思惑とスリリングな物語が絶妙」
1995年、5人の命が奪われた連続殺人事件が発生。未解決のまま時効を迎えたが、事件発生から22年後、犯人・曾根崎雅人(藤原竜也)がメディアに突然名乗り出る。自身の告白本の出版記念会見に現れた曾根崎は、その場で殺人を告白。告白本はベストセラーを記録する。曾根崎に日本中が注目する中、事件の際に上司を殺された刑事の牧村航(伊藤英明)は曾根崎に憎しみを募らせる。一方、被害者遺族は曾根崎への復讐に動き出す…。
公開当時に劇場で観たときは気にしていなかったが、今作は韓国映画のリメイク作。元映画と比較することはナンセンスだが、意外なほど両作の様相は違う。特に韓国版ではアクションがふんだんに盛り込まれているが、日本版にアクションはほぼなく、基本的にサスペンスタッチの物語が展開していく。
個人的に、この変更は大いに当たりだと思う。芸達者な藤原竜也に、熱さ全開の演技が見事な伊藤英明。この2人の競演シーンを観ているだけで、ヒリヒリさせられた。特に時効に“守られた”殺人犯・曾根崎は、藤原竜也以外には考えられないほど。近年では“カメレオン俳優”という言葉が注目を浴びているが、藤原竜也もその一人。いや、むしろそんな表現では表せないほど、藤原竜也出演作は“彼色”に染まっているものが多い。そして、それが実に面白いのだか、毎回驚嘆させられる。
また脚本の完成度も高く、サスペンスフルな展開にハラハラさせられ、二転三転する物語には息つく間もなかった。しかも今回改めて観て気づいたのだが、実は物語の序盤に大きなヒントが一瞬だが映し出されているなど、仕掛けも抜かりないのも◎。
もちろん、真相やそれを解き明かしていく過程などに多少強引な面もあるにはあるが、それは取るに足らないこと。ミステリーではなくサスペンスなのだから、誠実で小難しいトリックを楽しみたいのであれば、そういった作品を観ればいいだけ。今作では、時効に“守られた殺人犯と、事件を担当した刑事の憤り、大切な人を殺された被害者遺族の思惑といった、人間模様が絶妙な味付けであることを楽しんでほしい。
遺族を愚弄する曾根崎の態度、SNSで面白がって拡散させる行為、曾根崎人気にあやかろうと企むメディアなど、現実に通じる演出が皮肉を効かせ、社会派映画としても十分な内容と言える。
『22年目の告白-私が殺人犯です-』で一番グッときたポイントは「討論シーン」
藤原竜也演じる曾根崎が、仲村トオル扮する報道番組のメインキャスター仙堂俊雄と討論を繰り広げる場面は、まさにスリリング。曾根崎の厚顔無恥ぶりが前面に出ていて、追及する仙堂とかわす曾根崎のやり取りは得も言われぬ緊迫感を生み出し、ハラハラさせられた。
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『22年目の告白-私が殺人犯です-』について
【製作年】2017年
【監督】入江悠
【出演者】藤原竜也、伊藤英明、夏帆、野村周平、石橋杏奈、竜星涼、早乙女太一 ほか
【あらすじ】時効を迎えた未解決連続殺人事件の犯人と名乗る男が告白本を出版したことで、新たな事件が発生する。藤原竜也、伊藤英明、夏帆、野村周平らが出演。
【Filmarks★評価】3.6(5点満点中)
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