『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』孤独と鬱屈を抱える青年を池松壮亮が好演。感情の映像化にも注目【TSUTAYAプレミアムで映画漬け】

『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』

『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』

本企画は、TSUTAYAプレミアムを利用して1日1本映画を鑑賞し、その記録を予想と感想を交えてお伝えしていくものである。

2020年7月9日の鑑賞タイトル『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』

鑑賞前の期待値「詩的な世界観を映像化」

本日は、映画『斬、』や『宮本から君へ』、NHK BSプレミアムのドラマ『シリーズ・横溝正史短編集』での金田一耕助役などで知られる俳優の池松壮亮の誕生日ということで、こちらをチョイス。

今作は、現代詩集として異例の累計売り上げを記録した最果タヒの同名詩集を映画化。池松壮亮と、俳優・石橋凌&女優・原田美枝子の娘・石橋静河がダブル主演を務め、日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作『舟を編む』などの石井裕也監督が手がけた。ちなみに、石井監督の最新作で池松が主演の映画『アジアの天使』の公開も決定している。

演技派として定評ある池松の演技と、詩的な世界観を石井監督がどう組み上げるのか。アーティスティックな化学反応に期待したい。

鑑賞後の感想「誰かと違うことは悪いことではない。ささやかに肯定する物語は○」

女子寮で一人暮らしする看護師の美香(石橋静河)は、病院に勤めながら夜はガールズバーでアルバイト。患者の死に囲まれる中、孤独と虚しさを抱え暮らしている。一方、建設現場で日雇い労働する慎二(池松壮亮)は、古いアパートで一人暮らし。ある日、年上の同僚・智之(松田龍平)らと行ったガールズバーで美香と出会う…。

石井監督が詩集からインスピレーションを得て制作された今作は、感情や思いを映像化するという、素人でもわかるほど難易度の高い作業にチャレンジ。そんな意欲作は、視覚や聴覚に訴えかける演出がそこかしこにあふれ、観る者の心の奥底に刃の切っ先を突きつけるような鋭さがある。

慎二の視界を表現したスプリットスクリーン、都会の喧噪には不協和音で心を揺さぶり、ネオンや月光を鮮やかに浮き立たせるような色彩など、多彩なギミックを投入。それらはわざとらしさやあざとさを強烈に匂わせてしまう反面、登場人物の心情を静かに、そして雄大に代弁しているのも事実だ。

ただ原作が詩集であるだけに、どこか難解さを漂わせる雰囲気やストーリーは文学的で、このあたりは好みが分かれるところだろう。それでいて美香と慎二という、都会の片隅で生きづらさを抱える男女2人の心の中をのぞいているようで、派手さこそ無縁だが、今の日本にある得も言われぬ息苦しさのようなものを如実に表現。意味もなく切なくなり、そして痛烈に共感もしてしまう。

世界の、社会の、人生の、そういったものに潜む“何か”に対し、とにかくあらがう2人の姿が愛おしく、観念的な表現に苦手意識さえなければ、どこか生きづらさを感じている人にこそ観てほしい一作かもしれない。

『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』で一番グッときたポイントは「存在感」

互いに無関心な空気が流れる都会で、ひんやりとした孤独や他人と違う感覚を抱えて生きる美香を、繊細に演じきった石橋。それを左目がほぼ見えない青年という難役を演じつつ支えた池松の好演、さらに松田龍平や市川実日子ら存在感あふれるバイプレーヤーの演技が光った。

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『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』について

【製作年】2017年
【監督】石井裕也
【出演者】石橋静河、池松壮亮、佐藤玲、三浦貴大、ポール・マグサリン、大西力、野嵜好美 ほか
【あらすじ】詩人・最果タヒによる同名現代詩集を、奇才・石井裕也監督がドラマとして映画化。看護師をしながら夜はガールズバーで働く主人公と、左目が不自由で日雇い労働をしている青年が出会い、不器用な恋を紡いでいく……。
【Filmarks★評価】3.4(5点満点中)

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