アラフォー女子、大宮エリーとクラムボン・原田郁子インタビュー 2人が織り成すクリスマス・イベント「物語の生まれる場所」

クラムボン・原田郁子と大宮エリー

クラムボン・原田郁子と大宮エリー

脚本家、CMディレクターなど多岐に渡って活躍する大宮エリーと、クラムボン原田郁子がコラボしたイベント「物語の生まれる場所」がクリスマスに行われる。

>大宮エリーとクラムボン・原田郁子によるクリスマスセッション。朗読と音楽、ライブを12月24日・25日開催

 

今年で40歳となる2人に、今回のイベントについて聞いた。

5年前の出会いから、コラボレーションまで

─『物語の生まれる場所』、今回2回目を開催するきっかけをお聞かせください。

大宮エリー(エリー):去年、手応えがあったんですね。「朗読と音楽のステージ」って、馴染みがないのでなかなか理解してもらうのに時間がかかるんですけど、満員御礼になりまして。「またやらないの?」っていうメールもいただいて感激して。

あと、5年前から原田さんと仲良くしてて、3年程前に「変わる」って曲をつくったんですけど、今年のクリスマスに発表したいなっていう思いがあったので、第2回は絶対にやりたいなと思ったんです。

小さい頃、亡くなった父がクリスマスの夜だけは絶対に帰ってきてくれて、一緒にレコードを聴いてくれたんです。いつもはNHKのニュース番組つけてて「静かにしろ」って言われてあんまり喋れなかったんですけど、クリスマスだけは音楽を聴いて「この1年どうだったか」って話し合ったんですね。

ロウソクで回る天使のおもちゃを見ながら、クリスチャンでも何でもないのに祈るっていうか、家族の健康と、来年1年どういう年にしたいかとかいうことをやっていたんです。

みんなでそういう時間を過ごせないかなぁと思って。で、郁子ちゃんとなら、そういう時間を作れると思ったんです。

原田郁子(原田):エリーとは、スチャダラパーのBOSEさんから「今から大宮エリーと会うんだけど一緒にいかない?」と誘われて出会ったのが最初です。お互い同い年で、がむしゃらに20代・30代と突っ走ってきて。

エリーは傍で見てても物凄いエネルギッシュなんだけど、「大丈夫? そのままいくと転ぶ!」って思うときがある。

そんな、身体と気持ちが外れていってる時に、たまたま彼女と会うんです。私もそういうところがあって。今まではなんとかやってこれたけど、今年で40歳になってそろそろ考えないと思って。

本当にエネルギーを注いでやることって、体力が限られてるってだんだん分かってくるから、そのときに何をやるのがベストなのか。そういう悩みとか、他の人にあんまり話していないようなことを夜な夜な会って話す、というのがありました。

─今回のイベント、どんな準備をしているのでしょうか?

エリー:今年は24日・25日(クリスマス)だから、色んなことやらなきゃいけないと思ってて。

前回の音楽ステージだけじゃなくて、今回は「星の個展」の一部を会場内に再現したり、スパークリング日本酒を全員にプレゼントしたりとか。わたしの友達の料理人さんも来てくれて、ケーキとお酒に合うクリスマスフードも用意してます。

だって、みんな家族とか恋人とかがいて、クリスマスは予定があるわけでしょ?

それを、わざわざ時間を割いてもらうわけじゃないですか。だから来てくれた人に「ここに来てよかった」と思われるような演目にしようと思っています。

色んなエンターテイメントがあるけど、みんなにとっての「大宮チャペル」的なことをやらないといけない、と思って(笑)。「郁子シスター」と「エリーシスター」が、みんなの心に点火します。1人で来ても家族で来ても、みんなの心の中をイルミネーションするぞ、みたいなことをやれればと思います。

クリスマス「中華屋で“メリクリ”」(エリー) 「18歳までサンタを信じてた」(原田)

─クリスマスに行われるイベントですが、ご自身が今まで経験した印象的なクリスマスは?

印象的なクリスマスって?

印象的なクリスマスって?

エリー:20代の頃かなぁ。当時の彼氏に「クリスマスだから(素敵なお店に)食事に連れて行って欲しい」って言ったら、「俺はクリスチャンじゃない」って言われて。いつもの中華屋に連れていかれて、ナイターとか中継しているテレビが置いてあるような店で、ジョッキ持って「メリクリ」って言われたんですね。

そしたら、坦々麺の辛すぎたのか何なのか、すごい涙が出てきて…。その彼とは4年間も付き合ってしまいましたが。

その人と、別のクリスマスにスペインに行ったんですけど、パラドール(古城などを改装した国営ホテル)を私が予約をして、そこでクリスマスディナーをしようと思って。そしたらその彼が「クリスマスディナーを城で食いたくない」と言い出して、街にくり出したんです。でも、ヨーロッパのクリスマスだからお店が全部閉まってて(笑)。

寒いわひもじいわで、私がキレはじめたんですけど、1軒焼き芋(焼きじゃがいも)屋さんがやってたんですよ。石焼じゃがいもにサワークリームとハムとチーズとグリーンピースが乗ってるんです。

それがめちゃくちゃ旨くて「旨い旨い」「これにありつけたクリスマス最高だな」って「城もキャンセルしてよかったよ」「だろ?」みたいな。

─…ほかにいい思い出はありますか?

エリー:別の人で、表参道の「イルミネーション行きたい」って彼の家に行ったら「行くけど、ちょっと模様替えしてるから手伝ってくれ」って言われて。手伝っているうちにイブが終わっちゃって、さすがに怒ったんですよ。それから表参道行ったんですが、(イルミネーション終わってて)真っ暗で、すごい腹立って。

2人で被ろうと思ってサンタの帽子とかカバンに入れてったんですけど、もう出せず、彼が「今被ればいいじゃん」って言って。銀座線でその帽子を被って帰ってきたっていう思い出がありますね。

うまくいった、というより「なんだこれ」っていうのがクリスマスだなっていう感じですね。

─なかなか他の方は持ってないネタですね(笑)。

エリー:そうですか? でも、ちょっと切なかったり寂しかったりするのがクリスマスなのかな…。どうなんですか、郁子先生。

原田:…私ね、18歳で上京したんですけど、高校卒業するまでサンタさん信じてました。

(一同爆笑)

原田:今となっては親もよくやったな、という感じだったんですけど。

エリー:逆に親が心配したんじゃない?「この子、まだ信じてるよ」みたいな。

原田:だんだん周りの家にも(サンタさんが)来なくなって。「そういうもんなのかな」と。東京に来て「え?信じてたの?」ってすごい言われて。

それまで「サンタさんが来たかどうかは人に言っちゃいけない」と思ってたんです。ずっと団地に住んでいたこともあって、暗黙で「聞かない」っていうのがあって。妹とはプレゼントを見せ合ってたんですけど、周りの人たちの状況は知らなかったんです。

─現実を知ったときは?

原田:ショックでしたけど、同時に、これをずっとやっていた親はすごいなと思いました。

エリー:すごい感謝だよね。親に電話したの?「今までありがとね、サンタさん」って。

原田:それもいまだに言ってない(笑)。大人になってからはクリスマス感、ないですね。

40代、映画は観るポイントが変わった

─お2人とも40歳になられるということで、今ハマっている映画はありますか?

『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』

『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』

エリー:『サウンド・オブ・ミュージックが大好きで、30回くらい観てます。あと、テレビでよく観ちゃうのはスター・ウォーズ/ジェダイの復讐(※)』なんですよ。毎回、スター・ウォーズの最初が観たいんですけど、いつもテレビでやってるのを観るといつも『ジェダイの復讐』なんですよ。だから、何を復讐しているのかまったく分からないですよ。だから、今度TSUTAYAで全部借りて観てやろうと思ってます。

スター・ウォーズシリーズを全部観るのと、あとは、男はつらいよシリーズを全部観たい。「今日のマドンナは誰?」みたいなのをやりたいなと思ってますね。

『アマデウス』

『アマデウス』

原田:私は、アマデウスっていうモーツァルトの映画が昔から好きだったんですけど、(最近)無性に観たくなって、DVD買ってもう一回観たんですよ。

そしたら子供の頃とはまた違って観えた。今の歳で観ると、モーツァルトよりサリエリ(編集部注:作曲家。モーツァルトの才能に嫉妬する)の苦しみに共感できたんですよね。

華やかな世界とかモーツァルトという怪物がどう破滅していくのかってことにハラハラドキドキしていたんですけど、本物の天才が横にいたことで自分を生かせなかったり、嫉妬してしまったり、最後の最後に「自分は凡人達の味方だ」と言って終わるんですけど、それに「おぉー」ってなって。

音楽とかシーンの美しさばかりに気を取られていた小学生だった自分には、理解できなかった部分でしたね。

─過去に観た作品の、新たな発見があったんですね?

原田:好きだったものを、今、順番に見直していて。もう一回観ると全然違うなと。私も『サウンド・オブ・ミュージック』は大好きで、最後の「エーデルワイス」のシーンで、最初はお父さんが歌い出して、そこから家族みんなで歌って、だんだん劇場中の人が歌うっていう。あれがどういうことかって。戦時中であの歌の歌詞でもそれについては一言もいってないんだけど、みんな分かってて、故郷を想って歌うっていう。もう、涙が止まらなくて。やっぱり一つ一つ見直したいと思って。

「エーデルワイス」のような一体感を

エリー:うーん、そうだね。エーデルワイスのことでいうと、(私たちも)そういうことを今回のイベントでやりたいんですよ。

サウンド・オブ・ミュージック

サウンド・オブ・ミュージック』の「エーデルワイス」のようなシーンを再現したい、という大宮と原田

「変わる」っていう曲も、そのことは言ってないけど、途中で語りがあって、「変われるよ、きっと。私もあなたもこの国も」ってことを言ってるんです。色々あるじゃないですか、今の日本も。不安だし。そういうときに色々な活動がありますよね、デモやったりとか。私たちはこういう曲を作っていくことを一つの活動としたいと思って。

渋谷で一回ライブハウスでやったんですよ。「変わる」って曲を。そのとき、エーデルワイスを歌っているような一体感が生まれて。

原田:うーん。そのことについて、賛成とか反対とかいえない感情ってあるじゃないですか。とにかく息を詰めて見守るしかないというか。そういうことが次々起きて。ちょうど「変わる」ができた時も、東日本大震災の2年後くらいで、まだショックも残っているし、どうなっていくんだろうっていう不安もあるときに、そのとき思っていたことがそのまま歌になったっていうか。

─今回、クリスマス感をちょっと出すということですが?

エリー:そうです。クリスマス感を会場に出すために、父の形見のアンディ・ウィリアムスのボロボロのレコードと、パンダちゃんて呼ばれてるLPを聴くプレーヤー(マイク部分のパンダの耳をかじりすぎてボロボロの)を貸し出し、聴いてもらったんですよ。

原田:もうね、一気にクリスマスがやって来ました。

エリー:一緒に念が入ってるから。

原田:(かじりすぎて)ガジガジになったマイク見てたら涙が出てきて。どれくらい歌ったんだろうって。でも、やっぱりクリスマスソングってすごいなって思った。この時期しか聴かないから、「もう今年終わるんだな」って思うし。

エリー:マッチ売りの少女なのかな、マッチを擦ると炎の中に七面鳥とか家族の団らんが見えたりする感じがクリスマスソングにあって。あれ聴くとすごくハッピーになるんですよね。だから、父がレコードを止めた瞬間に「終わった」っていう感じがあって、そういうのをみんなで体験したいなと思っているし。

─最後に、意気込みとお客さんへのメッセージをお願いします。

エリー:24日は、当日まで名前はシークレットですが、なんと、ふたりにゆかりのある仲良しの、あの男性ミュージシャンが飛び入り参加してくれます。あんな歌こんな歌を歌ってくれますし、みんなで歌うコーナーもあります。25日は、巨大な絵を描きます。ライブペイントの迫力を体験してください。とにかく本気でやるんで、安心してクリスマスという大事な日に、この劇場に来ていただいて大丈夫です。みなさんの心にイルミネーションを灯したいと思っているので来てください。

原田:「大宮エリーと原田郁子の物語」っていうよりは、離れてみてみると、ひとりひとりに色んなことが起きてて、誰も一緒じゃない物語りを生きているとしたら、ささやかな集まりの中で、それぞれの物語を見てみようというか、だから私たちのことじゃなくて「一人ひとりの物語」なんじゃないかと思っているので、是非来てください。

(文:中西啓)

  • ジェダイの復讐…公開当時の日本語タイトルは「復讐」だったが、現在は「ジェダイの帰還」になっている

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大宮エリー

生年月日1975年11月21日(43歳)
星座さそり座
出生地大阪府

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