​【インタビュー】吉田羊「自分と役との境目がわからなくなる」 WOWOWドラマ『コールドケース ~真実の扉~』

潤沢な資金とチャレンジ精神で作られるWOWOWドラマ

『コールドケース』キャストが勢ぞろい

『コールドケース』キャスト(左から光石研、三浦友和、吉田羊、永山絢斗、滝藤賢一)

いまWOWOWが作るドラマが面白い。別に持ち上げるつもりで言っているのではない。本当に面白い作品が作られているのだ。

自動車メーカーがスポンサーにつく地上波ドラマではどうしても扱えない、自動車メーカーによるリコール隠しをテーマにした空飛ぶタイヤ

TBSと共同制作し、劇場版まで作られたMOZU

タンザニア・UAEでの海外ロケ、300名以上の出演者、6ヵ月にも及ぶ撮影が行なわれ、テレビドラマとは思えないスケールで魅せた沈まぬ太陽

これらは、地上波に比べ制約が格段に少ないWOWOWだからこそできる作品群だ。

その証拠に2017年1月2日に放送された『新春TV放談2017』(NHK)では、出演者の一人がこんなコメントを残している。

「とある役者の事務所の方に聞いたら、役者さんは地上波のドラマよりWOWOWとかのドラマの方に重きを置くらしいんです。WOWOWのドラマはお金もあってきちっとしているし、見る人は必ず一定数いるから」

そのWOWOWが開局25周年を記念して制作したのが連続ドラマW コールドケース~真実の扉~だ。9月6日にブルーレイ&DVDがリリースされるのを記念して主演の吉田羊永山絢斗滝藤賢一光石研、そして三浦友和がインタビューに応じてくれた。

人間の根幹を描くことに逃げていない

本作は未解決殺人事件の犯人を、神奈川県警捜査一課に所属する刑事たちが追いかけるクライム・サスペンス。原作はアメリカの人気テレビシリーズ『コールドケース 迷宮事件簿』。オリジナル版が謎解きを描いているのに対して、日本版は人間の業が濃密に描かれている。「犯した罪は巡り巡って、罰として自分の元に戻ってくる」というテーマが隠されているように感じた。

吉田羊

吉田羊

吉田もこう語っている。「オリジナル版を見ていて、いい意味でドライだなと私は思いました。日本の刑事ドラマならもっと(人に)踏み込んでいくのに、オリジナル版は『(傷ついた人々に対して)あとは自分で解決してね』と突き放すようなドライさを感じたんです。でも日本版は人情が加わっていて、事件の関係者たちに寄り添い、救おうとしている。そういった点はオリジナル版との大きな違いだと感じました」

作品の出来映えには、キャスト自ら太鼓判を押すほどだ。

「日本でもこんなドラマが作れるんだ、世界に誇れる作品になっていると自負しています。周りからの反響もいいんですよ。『とにかく面白い。まるで映画のような映像美で、毎回のゲストが豪華でワクワクした』と言ってもらえていますね」(吉田)

「友人の一人がオリジナル版のファンで、その人から撮影中に『面白いの?』と煽られたりもしたんですが、実際に見てもらったらすごく面白いと言ってくれて」(永山)

自画自賛? いや、筆者も全10話を食い入るように見てしまった。どのエピソードも心に残る。例えば第4話の「オリオン」。下着姿の被害者女性が嗚咽しながら森の中を逃げ回るシーンは痛々しい。第5話の「プール」では教師による性的虐待が描かれる。こういった描写は今の地上波ドラマでは扱いづらいですね、と言うと吉田羊は本作が人間を描こうとしているからこそできたエピソードだと語ってくれた。

(C)

(c) WOWOW/Warner Bros. International Television Production

「4話・5話以外にも6話の『恋文』では人種差別、9話の『約束』では宗教問題を扱っていて、たしかに今の地上波ドラマでは描くのが難しいテーマだと思うんですよね。でも、それらのエピソードでは自分は何者か? 自分は何を信じて生きていくか?という人間の根幹について問いている。人間の根幹を描くために、難しいテーマを扱う。私はその姿勢が逃げていないな、と」

どの質問にも真摯に答えてくれた吉田羊は演じた石川百合を「自分と役の境目がわからなくなるくらいのめり込んだ役」だったと言うほど思い入れを感じている。その言葉を受け三浦友和は「オリジナル版を見ていると、主人公の顔が吉田さんにダブってくる感じがしたので、本当にベストキャストだな、と思いました」と納得の様子。

5人が醸し出す空気感も見てほしい

本作では事件だけではなく、捜査一課のメンバーが絆を築いていく過程も描かれている。印象的なシーンは?と聞くと5人全員が捜査一課の会議シーンを挙げていた。

会議シーン

「居心地が良すぎた」(滝藤)という会議シーン (c) WOWOW/Warner Bros. International Television Production

「5人のチームワークぶりは一番印象的ですね。居心地が良すぎてもっと緊張感を持たないとなと思っていたほどです(笑)」(滝藤)

「捜査一課のシーンはカットを割らずに一連で撮影する事が多く、台詞も難しかったので、(捜査一課のシーンを)撮影する時はいつもドキドキしていました」(永山)

インタビューも息がぴったりの5人のキャスト

インタビューも息がぴったりの5人のキャスト

「この作品は現場が楽しくて、このメンバーになれたことだけで幸せでした。しかも監督をはじめスタッフの皆さんも素晴らしい仕事をしてくれた。例えば戦後の話である6話では、美術や衣装・メイクを担当するスタッフは(過去を再現するため)苦労したと思います。彼らの仕事ぶりも見ていただきたいですね」(光石)

インタビュー中も誰かのコメントに誰かが突っ込むなど仲のよさを感じられた。撮影期間中にみなさんで食事に行かれましたか?と聞くと「忙しかったのでなかなか行けなかったんですよ。撮影自体も朝から晩までという日が毎日続いていて……。実際に私の方からプロデューサーへ休みが欲しいとお願いしたほどなんです(笑)」(三浦)と残念な様子。既にシーズン2の制作も決定しており、捜査一課5人全員の続投も発表された。5人での食事会は、続編の撮影中になりそう?

最後に、2018年にWOWOWで放送が予定されるシーズン2へ想いを明かしてくれた。

「ほんとに大好きな作品なので、制作決定が決まった時は死ぬほど嬉しかったですし、オリジナル版がシーズン7まであるので、このまま続いてほしいという期待を密かに抱いています」(吉田)

「シーズン2では3日に1回は休みが欲しいですね(笑)。あとは一人一人の個性がもう少し際立ってくるといいなと思います」(三浦)

「シーズン1では少し頭で考えすぎていたところがあり、皆さんの胸を借りていたので、(シーズン2では)もっと自由に肩の力を抜いていきたいです」(永山)

「身体を鍛えているのでぜひシャワーシーンを(笑)。あと、ボクシングを始めたから格闘技シーンも(笑)」(滝藤)

「番宣収録をした時、緊張しすぎてタイトルを『コールドゲーム』と大声で言ってしまい、シーズン2には呼ばれないだろうなと思っていたんですけど(笑)、また5人のメンバーの中に入れていただき本当に幸せに思っています」(光石)

「連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~」

コールドケース

『コールドケース』

2017年9月6日(水) ブルーレイ&DVD発売 DVDレンタル開始/デジタル配信開始

ブルーレイ コンプリート・ボックス(2枚組)\24,000(税抜き)
DVD コンプリート・ボックス(5枚組) \19,000(税抜き)

発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

(c) WOWOW/Warner Bros. International Television Production

(文:野田綾子 撮影:杉野正和)

この記事を読んだ人におすすめの作品

アーティスト情報

永山絢斗

生年月日1989年3月7日(29歳)
星座うお座
出生地東京都

永山絢斗の関連作品一覧

滝藤賢一

生年月日1976年11月2日(42歳)
星座さそり座
出生地愛知県名古屋市

滝藤賢一の関連作品一覧

関連サイト

TSUTAYAランキング

おすすめ映画ガイド

TSUTAYA MUSIC PLAYLIST