【インタビュー】中村蒼「命を捨てる覚悟がある人間だからこそ、人を惹きつける」 主演ドラマ『命売ります』

BSジャパンで1月13日からスタートした、中村蒼主演ドラマ『命売ります』(毎週土曜夜9時~)。原作は三島由紀夫の同名小説で、エンターテインメント性がありながらも死生観などが丹念に描かれている。

中村蒼

中村蒼

自殺未遂をきっかけに「命を売る」商売を始めた主人公・羽仁男(はにお)を演じる中村に、ドラマの魅力をインタビュー。「リラックスできた」という撮影エピソードも合わせて、存分に語ってもらった。

大地真央との共演に感激「スゲーッ!」

─今回、BSジャパンの『命売ります』の主演をオファーされた時のお気持ちをお聞かせいただけますか。

中村蒼:主演というのは自分にとって特別ですし、「今までの作品の中で何を観てもらいたいですか?」と聞かれたときには、主演した作品を観ていただきたいので、今回、お話をいただいてすごく嬉しかったです。

─今までの主演作品と違うところはどんなところですか?

中村:原作の三島さんが有名なのはもちろんですが、今回のドラマは、各話ゲストの方が出演されます。毎回違う方とお芝居するというのは過去なかったので、いろんな方達と面と向かってお芝居できるっていうのは今までと違うし、楽しいことではありますね。

─特に印象に残った撮影シーンや、共演者の方はいらっしゃいますか?

中村:皆さん素敵なのですが、特に第6話に出演される大地真央さんは、最初(出演を)聞いたときは「スゲーッ!」ってびっくりしました(笑)。

僕が生まれた時点で別世界の方でしたし、今回の大地さんの役が「金に困った崖っぷちの占い師」役という、大地さんのイメージとはかけ離れたキャラクターだったというのもありましたし、すごく印象的でした。

─実際に大地さんに会われた印象はいかがでしたか?

中村:なかなか近寄りがたい方かと思いきや、可愛らしい方で、普通にお話しさせていただきました。

─中村さんからお話されたんですか?

中村:僕からですけど、なんとなくお話しさせていただいたという感じです。

─以前、滝沢秀明さん主演のドラマ『せいせいするほど、愛してる』に出演されたときは、共演者の方とはあまりお話されないとおっしゃってましたね。

中村:そうですね。僕、基本的に3ヵ月間(ドラマ1クール)一緒にいてもほとんど話をしないこともあるんです。今回はゲストの方が毎回違って、一緒にいるのも数日くらいだから「どうなるのかな」と思っていたんですけど、他愛もない話で逆に数日間のほうが話せました。

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でも、普段は僕が他愛もないと思っていたことが、実は「地雷」だったとしたら、残りの間どうしよう、とか…考えてしまうのですが今回は数日間だったので、ゲストの方とリラックスして接することができました。

壇蜜さんとは別の撮影で一緒になったことがあるんですけど、その時はお互いに絡みがなかったということもあって、ほとんどしゃべっていなかったんです。でも、今回は少し話しましたよ。

壇蜜とは…

壇蜜とは… (C)「命売ります」製作委員会

─今回は共演者の方との会話をされた方なんですね。

中村:井上薫役を演じた前田旺志郎くんは、基本一緒に行動する2人なので、自然と2人で話をしていましたね。

YOUさんは、テレビで見たままのイメージで、すごく気さくで何でも話せるような方でした。田口(浩正)さんも役同様、笑いを提供してくれる方だったので、すごくリラックスしてできました。

─役を演じるという部分も含めて、やりやすい環境だったんですね。

中村:はい。

─中村さんが演じる主人公・羽仁男は“生きることに執着しない”キャラクターで、いろんな人を惹きつける役柄です。羽仁男のキャラクターはどう思いました?

中村:羽仁男は、最初はこの世に固執してないので人間味があまりないんですけど、いろんな人と触れ合って目の前で死というものに触れていくことによって、あれだけ欲していた死が、だんだん怖くなっていって…。

そうすることによって人間味が出てくるので、後半の羽仁男には理解できる部分がたくさんありました。

最初は何で死にたいって思ったのか、羽仁男自身はっきりした理由がなく、ただただ平坦な日常が過ぎていくだけで満足しないというか、だから「ま、いっか」っていう感じで自殺するような人間で、最初は自分もいまいち羽仁男のことが理解できなかったんですけど。

でも、羽仁男も“何故死にたいか”っていうのが分かっていないからこそ、だんだん自分の心が揺れていって、最終回に向かっていくので、明確な理由は見つけなくてもいいのかなと思うんですが…。ただ、命を捨てる覚悟がある人間だからこそ、人を惹きつけるものがあるのかなと思います。

─今回の役を演じるにあたり、参考にした映像などはありますか?

中村:いつも思うんですけど、役作りって難しいですよね…。

何をすればそれになるのか全然分からないですし…。ただただ羽仁男という人物について考えていたら、近づいていくのかなあと思っているので。

─ドラマのナレーションは、実際に三島さんと交流があった美輪明宏さんが担当しています。

中村:美輪さんがやられるって聞いてびっくりしました。美輪さんの声でより作品の厚みが増すというか。2話以降は、常に美輪さんのナレーションから始まるので、すごく聞き入るというか説得力があります。

老老介護のフランス映画『愛、アムール』

─今回のドラマが2018年最初の作品になると思いますが、プライベートも含めて今年はどのような年にしたいですか?

中村:毎年毎年、どうなるのか自分でも分からなくて…。だから、なるべくいろんなことに挑戦していきたいっていうのはいつも思っています。今年も自分の知らない世界や、やったことのないことにも挑戦していきたいなと思います。実際、この作品もやったことない役でもあるので、このまま2018年もやっていけたらいいなと思います。

─最近、おすすめの作品はありますか?

中村:フランスの老夫婦の老老介護を描いた映画愛、アムールを最近観たんですけど、面白かったです。

『愛、アムール』

愛、アムール』 (C) 2012 Les Films du Losange - X Filme Creative Pool - Wega Film - France 3 Cinema - Ard Degeto - Bayerisher Rundfunk - Westdeutscher Rundfunk

実際に今の世の中、今後増えていく介護はきっとこんな風なんだろうなと思いながら。

あと、どれだけ愛していた相手でも、介護となると葛藤があったりとか、頭で分かっていても、相手を傷つけてしまいがちになってしまったりとか…。人間の本当の姿とか、そこは世界共通だなと思いましたね。

あと、DVDで観た松山ケンイチさん主演の聖の青春もよかったです。監督の森(義隆)さんは僕が16歳のときにお世話になった方で。みんな真剣にお芝居と向き合ってて、役に対しても真摯で、すごく面白かったです。

(文:中西啓)

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