【単独インタビュー】原田泰造、最新主演映画『ミッドナイト・バス』にドハマり!

長距離バスの運転手であるバツイチ中年男・高宮利一の生き様を丁寧に描く映画ミッドナイト・バス(2018年1月20日新潟先行公開、1月27日全国公開)。直木賞候補にノミネートされた同名小説を原作とし、小西真奈美山本未來葵わかな長塚京三らが顔を揃えている。

今回は、そんなキャスト陣に囲まれながら主演の利一を演じたネプチューン・原田泰造が、本作や映画『ジャンプ』(04)以来のタッグを組んだ竹下昌男監督、プライベートで今楽しんでいる映画や音楽などについて、優しく語ってくれた。

主演映画『ミッドナイト・バス』にドハマり「10回観た」

今日はお時間ありがとうございます。さっそくですが、まずは本作の感想から教えてください。

原田泰造

原田泰造

原田泰造(以下、原)大人の恋愛映画って感じですね。けっこう尺があるけど(上映時間2時間37分)、リズミカル。テンポがいいですね。音楽と映像がバッチリ合ってました。自分で言うのも何ですけど(笑)。

自画自賛の出来栄えと。見どころは?

原:家族関係の話や遠距離バスの運転手の話などあって、色んな楽しみ方があると思います。あとは僕と小西真奈美さんの恋の行方はどうなるのか。最後まで目が離せません。

今回は、原田さん扮する利一が長距離バスの運転手として東京と新潟を行き来する様が描かれます。東京での話と新潟での話、分かりやすい区切りがストーリーのテンポの良さにつながっているかもしれませんね。

原:バスで行き来して「男」になったり「お父さん」になったりするでしょ? 一人の人間って、上司や子供たち、奥さんや友達と話したりしますけど、その都度見せる顔が変わるじゃないですか。そこの面白さはあると思いました。

聞くところによりますと、本作を観た方の感想が、男女によってかなり異なるという話も出ています。

原:本当!? …そっか、違うだろうね。それ、面白いですね。

父親目線、男性目線、女性目線。色んな形で観れる本作ならではですね。原田さんとしては、どの目線が一番共感できましたか?

原:もう10回くらいも観てるんですけど……利一目線かな。

10回!? 「尺が長い」という話も出ましたが、そんなにハマって観ている。

原:はい、好きで(笑)。DVDでもらって一時停止できるので、次の日観たりもできるんです。もう10周くらいしていると思います。

本作のために長距離バスの免許を取得 運転はビビりながらも「楽しかった」

―今回は“お笑い芸人・原田泰造”を封印して、“俳優・原田泰造”として挑んでいます。見た人も、日ごろの場ラエティで見せる姿とのギャップに驚くのではないでしょうか。

原:そう思ってくれると嬉しいな。

今回、一つキーポイントになっている点が、16年前に離婚した元妻と今の恋人との接し方だと思います。距離感の作り方難しかったと思いますが、そのあたりはどんな工夫を?

原:役として、女優さんがそこに立ってくれるだけで、「このくらいの距離だな」とか出来てきますよね。

空気を読んで距離感をつかんだ。

原:そうです。美雪がこのバスに入ってきた時の「あれ!?」っていう空気をそのまま引きずっていくじゃないですか。昔、別れたけど、嫌いで別れたわけでもない。見ていたらなんだか心配になる。かたやこっちは10年付き合ってる恋人。色々な距離がありますよね。

大人同士だからこそ生まれる微妙な距離感。

原:そうそう。

そんな16年前の元妻と再会するきっかけとなるのが長距離バスです。今回原田さんは大型バスの免許を取得したとか。

原:これね、バスの免許となると大型二種になるんです。それってお客さんを乗せてお金を取ることができる免許。運転はもちろん、お客さんが何かあった時のために人工呼吸とかできないといけないんです。僕が取ったのはトラックなども運転できる大型一種免許。お金取らなかったらバスも運転して大丈夫なんです。

何ならバラエティ番組の収録でロケバスも運転できる(笑)。免許取得は、監督からのご依頼で?

原:そう。「僕、やります!」みたいなノリでは決してなかったです。「え~っ!!」みたいな感じです(笑)。

なるほど(笑)。ちなみにどのくらいで取得したんですか?

原:教習所に3ヵ月くらい通ったかな。大変だったけど教習所の教官、スゴく優しかった!

「今度、映画の撮影でバス運転するんすよ」みたいな話をして。

原:そうそうそう! それで「頑張って、頑張って〜」って皆言ってくれるんです。

大型バスの運転はやはり大変でしたか? 本作パンフレットのインタビューでは「カーブの運転が難しい」という話も出てましたが。

原:超難しかったよ! カーブは巻き込みがあるからね。車庫入れとか縦列駐車とかも後ろが全然見えない! 感覚でやるしかない。

大変ですよね! いざ撮影が始まって、バスからの景色はいかがでしたか?

原:良かったですよ(笑)! バスは目線が高いからね、不思議な感覚だった。信号で止まって、歩行者が通っているんだけど全然僕に気づかない。僕は僕でバス運転してる(笑)。不思議な感じでした。

原:バスのプロの人が付いて、新潟の街で走行練習したんですけど、ビビりながらも楽しかったです。関越はずっと真っすぐで良かったんですけど、バスセンターに帰ってきた時は道幅が狭いから「ウオ〜ッ!」って困りました。

さぞ大変だったかと思います。そんな苦労を経て演じた主人公ですが、ご自身ではどんな印象を? 一番共感できるキャラクターだったという話も出ましたが。

原:利一は、言いたいことをあまり言わない不器用なタイプ。でも責任感は強くて、子供たちが大人になるまで育てているし、前の奥さんが更年期で弱っていたら助けたくなる。志穂との関係も、10年一緒にいて「どう責任取ろうか」なんて色んなことを考えてる。優しくてしっかりした男です。演じていて「不器用過ぎるな」と思うところもあるけど、やっていて楽しかったですよ。

責任感という点で、男性としてだけではなく、父親としても印象的なキャラクターですね。子供である葵わかなさん演じる彩菜、七瀬公さん演じる怜司とのやり取りはいかがでしたか? 個人的には「こんな映像出てくるのか!」と驚きました。

原:うん。葵ちゃん、かわいかったな~(笑)。

ただただかわいかったと(笑)。

原:うん、コンサートのシーンとか、見入ってた。本当に、娘のお遊戯会を見ている感じでした。

七瀬さんはいかがでしたか?

原:彼といる時間が一番長かったかな。自然に演じようと思って何度もセリフ合わせしたりして。七瀬君も一生懸命のタイプで、やっていて楽しかったですよ。

竹下昌男監督と映画『ジャンプ』以来の再タッグ「絶対出させてもらおうと思っていた」

今回は、原田さんが初主演を飾った映画『ジャンプ』のメガホンを取った竹下監督と再タッグを組みました。二度目のオファーを受けた感想は?

原:『ジャンプ』では僕も初主演、竹下さんも初監督だった。でも監督は色んな現場に出ている人だから落ち着いているのね。だから「先生」みたいな感じでした。今回も、「先生とまた一緒にやる」という感じ。でも竹下さんの映画はどんな役でも絶対出させてもらおうと思っていたくらいだから、声がかかって素直に嬉しかったです。

絶対出たいと思った理由は?

原:だって、監督の最初の映画に出たわけでしょ? 2作目も自分が出てないとジェラシー感じるじゃない。だけどこんな大役だと思わなかったからビックリしました(笑)。

俳優冥利に尽きる。

原:う〜ん、尽きる!

本作のパンフレットのインタビューにて、竹下監督は撮影前に、亡き高倉健さんでイメージしながら本作のことを考えていたと述べています。そして代わりに選ばれたのが原田さん。

原:本当に!? 面白いな。監督、何も考えないで喋ってるんじゃないですか!?(笑)。

起用前には「泰造ならもっとやれる確信があった」と考えていたとのことです。原田さんに伸びしろを感じていたみたいですよ。

原:ハハハ(笑)。利一はあんまり喋らない役だから、高倉健さんをイメージしてたのかな。

実際の撮影では、監督からどんな指示がありましたか?

原:「こういう気持ちでこういってさ」という感じではないです。セリフ回しで「ここは絶対『~です』にして」って細かい指示もあれば、何も言わずに野放しでやらしてもらっているところもあります。

その都度、状況に応じて。

原:そう。具体的にどんな演出をしていたのか、と言われると分からないですけど、映像はキレイだし、「そこから撮ってたの!?」っていうものもあります。映像を観て「監督、こういうイメージが頭にあったんだ」って後から分かる感じでした。

演じている時は分からなかった演出が多々あった。

原:終盤のバス内のシーンは、バスの中にカメラがないし、窓も暗い。照明の光だけこっちを向いているだけ。どこにカメラがあるのか分からなかったんです。映画を観て「外で撮ってたんだ」ってやっと分かりました。そんな風に驚くポイントがいっぱいありました。

あらためて、監督の技量に驚かされた。

原:「スゲ〜な〜!」って思いました。

最近のマイブームはスペイン映画 ジムで聴く1曲は「はっぱ隊」!映画館フェチも告白

話が変わりますが、原田さんは普段、どんな映画を観ているんですか?

原:僕はね、雑食と言いますか、何でも観るんだよね。その時のブームがあって、スペイン映画ならスペイン映画、黒澤明なら黒澤明、小津安二郎なら小津安二郎の作品を一気にガーッ!と観たくなるんです。

最近ですと、何ブームが到来中なんですか?

原:最近は……スペイン映画のオール・アバウト・マイ・マザーペドロ・アルモドバル監督の作品をずーっと観たりしています。あとはスペインつながりで人生スイッチっていう映画も観ました。

じゃあ幅広く古風なものから現代のものまで。

原:そうです。自分の中で映画館ブームっていうのがあって、日比谷シャンテなら日比谷シャンテにずーっと行くの(笑)。バルト9ならバルト9にずーっと。

! どんな基準で選んでいるんですか?

原:自分でもよく分からないんだよね。ふとした瞬間に「この映画館の作品を全部観尽くしたい!」と思っちゃうの。

言わば映画館フェチみたいなものがある。

原:あ! そういうものかもしれないですね。

音楽は、どんなものを?

原:音楽は、ジムでウォーキングしている時にしか聞かないんだけど、それも雑食(笑)。いっぱいあるんだよね。

最近はどんなものを聞いているんですか?

原:今入っているのはね……Maroon 5(マルーン5)とかSR サイタマノラッパーに出ていたSHO-GUNGと征夷大将軍のミックスとか。「江南スタイル」も好き。スゲー歩けるの。後はね、「はっぱ隊」も入ってる(笑)。

なんと!(笑)。

原:はっぱ隊も好きなの。本当にね、いい歌なんだよ(笑)。

(文:桜井恒二)

映画『ミッドナイト・バス』

2018年1月20日から新潟先行公開、1月27日から東京・有楽町スバル座ほか全国公開
配給:アークエンタテインメント
公式サイト:http://midnightbus-movie.jp/
(C)2017「ミッドナイト・バス」ストラーダフィルムズ/新潟日報社

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