【インタビュー】新進気鋭の女優・小牧那凪 映画『金沢シャッターガール』の主演になるまで

「主演が決まった時は“うれしい”とか一切なくて…。出た作品の評価や批判が全部自分にのしかかる、と思って暗くなりました」

1月下旬、大雪が明けた寒空の中、爽やかな表情を見せるのは、20歳になる新進気鋭の女優・小牧那凪。映画金沢シャッターガール(2月3日から石川、2月9日から東京でそれぞれ公開)で初主演を務める。主演が決まったときの気持ちを聞くと、はにかみながら冒頭の答えが返ってきた。

小牧那凪

小牧那凪(クリックで写真一覧)

主人公とは“真逆”

石川県の金沢を舞台に、16歳の女子高生・花菜の心の成長を描いた『金沢シャッターガール』は、小牧も言う通り「“ピュアピュア”な感じではない、青春作品」だ。仲の良かった中学の同級生は高校に進学して疎遠に。新しい環境になかなか馴染めない思春期真っ只中の女子高生がもがいていく…。

長編映画の主演、という作品を背負うプレッシャーを抱きながら撮影に臨んだ小牧だが、リラックスして撮影できたという。

「スタッフさんがすごくにぎやかで面白い方々が多くて、和ませてもらいました。高校に入学して緊張しながらクラスで自己紹介をするシーンは、全然緊張してないんですよ! あれは無理矢理やってしまったな…って思いました(笑)」

主人公・花菜と自身を比べた小牧は、キャラクターとの共通点は「一切ない」と言い切る。

「(主人公の)キャラクター設定が天真爛漫で素直、落ち込むとどんどんエゴイストになる。…私は一切そういうことがなかったので、客観的に一人の女の子として抱きしめてあげたい気持ちになりました」

「花菜ちゃんは主観的に動く。私は客観的」と主人公と自身を分析する小牧。その理由を尋ねた。

「割と相手の考えを観察、分析しながら出方を考えるんです。『こういう流れになったらこうなるんだろうな』というのを、頭の中でシュッと描いてから動きます。シミュレーション思考なんですよ。『これを言ったらこの人、嫌うだろうな』と思ったら、その一歩手前まででとどまりそれ以上は出ない。その感覚はほかの人以上にあるのかなと思います。アフターケアも欠かしません! …なんでそんなスキルがついたかって? 色々あって…秘密です(笑)」

ストイックな演劇部から“フリーランス”女優へ

映画のエピソードから、自身の“特技”まであっけらかんと語る小牧。

そんな彼女の学生時代の大半を占めていたのは、5年間を過ごした演劇部だ。高校時代に教諭から教わった「宝塚歌劇団」にハマる。演劇で男性役だけを演じたのも、この影響だ。「紅ゆずるさんが好きで、お給料を全部使って深夜バスで兵庫まで行きました。何であんな完璧な人がぞろぞろいるんだろうって(笑)」

小牧那凪

演劇部の過酷な練習もストイックに続けてきた小牧那凪

好きなアーティストに挙げているピアノと木製打楽器・カホンのユニット「→Pia-no-jaC←」も、高校演劇の時に顧問の教師が彼らの曲を使用していた。

「曲を聞くと自分が稽古していた時の映像が浮かんできます。影響、大きかったですね。先生は稽古が厳しかったです。鋭い目つきで『もう一回。』と何度何度も繰り返し同じ芝居を長時間続けられたり…。厳しさについていけなくなる子が出るほど本格的でした。調子が悪いと、通し(稽古)もさせてもらえなかった」という、玄人はだしの部活動だったという。

そのせいか、『金沢シャッターガール』で羨ましかったと振り返るのは“彼氏”とのシーン。

「これまで彼氏ができたことがないので…。男の子と帰り道に自転車で歩いてみたかった。自転車に2人乗りしたり、寄り道したり!…してみかったんですけど、男子から話しかけられなかったです」と苦笑い。

演劇にストイックに打ち込んでいた小牧。17歳からフリーで女優活動を始め、オーディションに応募しながら、カメラを趣味にしている知人からプロカメラマン、そして若手監督…といった具合に自力で人脈を開拓した。「17歳になったときに焦りがあって。事務所に入れる応募条件が若い時に終わってしまう。プロフィールを自分で作って、売り込みました」

2017年7月から大手芸能プロに所属した彼女の目指す女優像は、池脇千鶴

怒り』『きみはいい子』『ジョゼと虎と魚たちなど、池脇が出演していた作品を挙げながら「単に“綺麗な人”というだけではなくて、見る人が共感できる、入り込める個性がすごいと思ったんです」と熱く語る。

他にお手本としている女優は中谷美紀

「中谷さんの主演ドラマ私 結婚できないんじゃなくて、しないんですにエキストラで出演した時に声をかけて頂いて。品があって美しく、目も心も奪われて強い憧れを抱きました」と目を輝かせた。

三池崇史水田伸生李相日と、憧れを持つ女優が出演した作品の監督と仕事をしたい、と今後を語る小牧は、そのきっかけを作ってくれた演劇部の恩師について「途中で喧嘩別れのような感じで(演劇部を)やめてしまったんですが、恩があります。怖いし、恥ずかしくて伝えられないですけど」と振り返りながら、主演作の見どころを胸を張って語ってくれた。

「制服を着ているから『青春映画』と思われがちですが、暗いけど、共感性のある映画。大人の方は昔のことを思い出して頂きたいですし、現役の高校生の方たちにはこれからどうしていけばいいんだろうという気持ちや悩みがある人は励みにしてもらえれば、と思います」

(文:中西啓)

小牧那凪の気になる映画・2選

おんなのこきらい

(C) 2014 GOLD FISH FILMS / MOOSIC LAB

おんなのこきらい
「人に勧められてハマりました。リアルというか、女の子の裏の気持ち悪さ、ドロドロ感がすごい」

おんなのこきらい

(C)2012「悪の教典」製作委員会

悪の教典
「自分が好きでほかの人に勧めました。他の人の感想が知りたいとか関係なく(笑)。吹越満さんの粘着質な不快感を表現するのはとても難しいと思います。伊藤英明さんのサイコパスな目も作品に引き込まれた理由の一つです」

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