【インタビュー】山田裕貴「“いいね”ってあんなに簡単なのに…」演技も“エゴサ”もストイック

山田裕貴

山田裕貴

度胸はついてきた――。

主演を務める闇金ドッグスシリーズが8回目を迎えた山田裕貴は、これまでを振り返ってそう語る。

人間の生々しい「ゲスな部分」の描写に定評がある本シリーズで、冷酷な主人公・忠臣を演じ続けている山田は、イケメン俳優としてもてはやされながらも日常のすべてをどん欲に演技へ取り込む。

一方、俳優には珍しくSNSでの“エゴサーチ”を公言している。また、プライベートではハマった漫画を「音読」するという彼に、公私余すところなく語ってもらった。

【あらすじ】

『闇金ドッグス8』

『闇金ドッグス8』

ラストファイナンスの社長・安藤忠臣(山田裕貴)は若くしてヤクザの親分になったものの、稼業を引退して、闇金の世界へ足を踏み入れた。元イケメンホストだった須藤司(青木玄徳)と共に、癖のある債務者を追い込む毎日を送る。
ラストファイナンスの常連客、湯澤賢一(仁科貴)は生活保護を受給し暮らしているが金のほとんどをパチンコや妻の佳代子(結城さなえ)・娘の美穂(佐藤日向)と散財し、生活に困れば忠臣から借金をしている。
一方、賢一の息子・章太郎(タモト清嵐)はシルバー人材派遣会社の役員として仕事に勤しみ、ぐうたらな家族を気にかけるが、反感を買われ親不孝呼ばわりされる始末。ある日、仕事のトラブルで首が回らなくなった章太郎は、ストレスで脳卒中を患いこん睡状態となってしまう。労災保険が給付されることを知った家族は大喜びし、派手な生活を続ける。そんな中、賢一からの返済が滞っている忠臣はある回収計画を企てるー

「まだまだ足りない」

─本編を観られた感想をお聞かせください。

山田裕貴:いやー、ゲスくて(笑)。演技していても思ってたんですけど、酷いなと思って。でも、その「酷い」っていうのがめちゃくちゃ良くて。『闇金ドッグス』の人間の汚さの真髄を見せられたみたいな。一番『闇金ドッグス』らしい作品になったんじゃないかなと。

─最もゲスいシーンはどこだと思いますか?

山田:父親が息子をああいう風に扱えちゃうのが…。もう、かわいそうだなって。生活保護をだまし取って借金しているのに普通にすき焼き食べたりとか。

─『闇金ドッグス9』も既に撮り終えているのでしょうか。

山田:はい、もう撮ってます。1週間で2本撮ってます(笑)。

─かなりタイトな現場だったんですね。

山田:もう、どの現場にいっても大丈夫ですよ(笑)。

─ここまでシーズンが続いている理由は何だと思いますか?

『闇金ドッグス8』

『闇金ドッグス8』

山田:続けさせてもらってうれしいですけど、僕としてはもっと観てほしいし、もっと多くできないかな、と思ってます。やっぱり映画は観てもらわないと続いていかないんで。

去年も12作の映画に出演させてもらったんですけど、お客さんがどれを観てるのか気になって、InstagramとTwitterを使って調べたんです。観てない人も多いんですよ。「闇金」シリーズに限らず、ちゃんと観てもらえる人間にならなきゃ、と毎回思います。

─そうなるために、ご自身で意識していることはありますか?

山田:一つ一つ、一生懸命やることです。演技のことを考えない日はないです。日常でも、心が動けば日常でもドラマになるわけじゃないですか。

「こんなトーンで喋るんだ」「俺、こんな顔するんだ」というのは、なるべく気にかけるようにしてますね。

─今までの日常で、特に印象的な瞬間はどういうものがありましたか?

山田:自分の通っていた高校が甲子園に出場して応援に行った時ですね。僕、中学まで野球をやっていたんですけど、辞めちゃったんですよ。試合が始まる前、みんながノックする姿を見て「俺、なんで辞めちゃったんだろう?」って思ったら、あり得ないくらい涙が出て…。芝居で「やって」と言われてもできないくらい。

その時、「こういう風に人って泣くんだ」と思って、そういう瞬間を大事にしてます。

─『闇金ドッグス』の演技で、手応えがあったシーンはありますか?

山田:(山田演じる)忠臣が、借金を申し込んだ家族に「あと1万(円)、誰か借りるか」って言ったときに、その滑稽な姿を見て忠臣が笑うんですよ。シリーズを通して忠臣が笑っているシーンなんてほとんどないんです。

台本にも書いてなかったんですけど、自然に出て来た。

『闇金ドッグス8』

『闇金ドッグス8』

─キャラクターについて、突き詰めて考えているからこそのアドリブなんでしょうか?

山田:考えてないですね、逆に。もちろん「考えたから」という時もありますけど、「相手がこういう行動をしてきたからこう動いた」という演技が多いです。だから相手の役者さんによって全部変わると思います。そのセッションが楽しいですね。

─なかなか度胸がないとできないことです。

山田:(度胸は)ついてきましたね。全然緊張しなくなりました。「緊張」って、自分自身の邪念じゃないですか。「緊張している役」なら活用できると思うんですけど、ましてや忠臣なんて、緊張なんかしてないですよね。

─だからこそ“決めない”ということが、上手く作用しているのかもしれませんね。

山田:そうかもしれないですね。分かっちゃったらおもしろくないんですよ。「多分、このトーンでセリフを言うんだろうな」ってお客さんに思われたら、その作品、面白くないですよ。

漫画は「音読」

─作品の登場人物すべてが“ゲス”な役ですが、最近、ご自身が“ゲス”だな、というか、「やっちゃったなー」と思ったことはありますか?

山田:最近、あり得ないくらいゲームしてました。やっちゃったなぁって(笑)。今までよりお休みがあって、最近。前は月に1回あればいい方だったんですけど。休みの日に朝から晩までゲームやっちゃったなって。俺、クズだなと思いましたね。

─相当やり込んだんですね。

山田:やり込みが大好きなんですよね。ゲームもそうですし、映画も観たいと思ったらその日ずっと観たり、漫画も全巻買っちゃったりします(笑)。ちなみに今はキングダムにハマってます。

─ちょっと手を出すと止まらないんですね。

山田:もう、止まらないですね。『キングダム』はめっちゃ泣きましたもん。気持ちが昂りすぎて音読するくらい(笑)。

─音読! それは、思い入れのあるキャラクターのセリフで?

山田:全部キャラを変えて一人で演じきりますね。…端から見たらすごいヤバいですよね(笑)。

─なるほど(笑)。映画はどんな感じで観られるんですか?

山田:マーベル作品をもう一回、と思って全部観るとか、『バットマン』シリーズを3本続けて観るとか。今はいろんな配信サービスがあるので、観ちゃいますね。

この前はちゃんと観てなかったなと思ってトランスフォーマーを一気見しちゃいました。最終的に内容はよく分からない感じになってたんですけど(笑)、面白いなと思って。

あとはスターウォーズパイレーツ・オブ・カリビアン』『スーサイド・スクワッドも好きですね。キングスマンも大好きで映画館行きましたよ。

冷静に「エゴサ」

─かなり幅広く観られてますね。ところで、先ほどTwitterでリアクションを調べているとおっしゃってましたが、普段からエゴサーチをしているんですか?

山田:すごいしますね。

エゴサも仕事

エゴサも“仕事”

─俳優さんでは珍しいですよね。しかもそれをオープンにして。

山田:周りからも「エゴサしてるんだ」ってかなり言われます。でも、誰しもが自分の存在意義みたいのは気になると思うんですよ。「僕はどう言われているんだろう」って。

僕の場合は、「ドラマだったらどういう感想が多いのかな」という、エゴサというより“統計”を取っている感覚ですね。「こういう役の方が反響が大きいのか」とか、かなり冷静です。

お手紙もいただいて読みますけど、僕らがどれだけ「こうやりました」と言っても、響いていなかったら意味がない。どう思ったんだろう、っていうのがSNSだと聞けるじゃないですか。もともと、SNSはあまりやりたくなかったんですけど、伝えたい言葉は発信できる。だから、すごくいいツールだなとも思います。

─Twitterを見てるだけ、の人もいるでしょうしね。

山田:おかげさまでTwitterのフォロワーが20万人くらいいるんですけど、「いいね」の数は2万くらいしかないんですよ。「いいね」ってあんなに簡単なのに、なんでフォローしてる人たちが押してもらえないんだろうって。

単純にそれが不思議です。え、好きなんじゃないのって(笑)。なかなか「いいね」と思ってもらえることを描けていないのか…。まだまだ勉強中です。

─今回の『闇金ドックス』ですが、どういう人に届いて欲しいと思いますか?

山田:この作品はかなり挑戦的ですし、「みんな観てねー!」って感じでもないじゃないですけど(笑)、シリーズを愛してくださっている皆さんにはもちろん楽しんでいただけると思います。

まだ観たことない人には、この回だけでも楽しめますけど、是非シリーズの最初から観ていただけたらもっと楽しめると思います。

─“イケメンランキング”に投票した人も、角度を変えて観てほしいな、ということですね。

山田:はい。かっこいい役とか考えてやってないですけど、頑張ってるから観てほしいです(笑)。少なくとも山田裕貴好きだ! っていう人には観てほしいですね(笑)。

(文・写真:中西啓)

『闇金ドッグス8』

出演 山田裕貴 仁科貴 タモト清嵐 結城さなえ 佐藤日向 / 小倉久寛 青木玄徳
監督:元木隆史 脚本:池谷雅夫 企画・配給:AMGエンタテインメント 
製作:「闇金ドッグス8&9」製作委員会 2018年/日本/カラー/シネマスコープ  
(C)2018「闇金ドッグス8&9」製作委員会 公式サイト:http://yamikin-dogs.com

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