米津玄師、原点となるギターロックに回帰したニューシングル【インタビュー】

米津

米津玄師

─新曲「ピースサイン」は、TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』のオープニングテーマ。ギターリフを前面に出した、ストレートなギターロックサウンドが、とても新鮮です。

「いわゆる“アニソン”を作りたかったんです。僕が子どもの頃にすごく影響を受けた『デジモンアドベンチャー』という、うちら世代の金字塔みたいな存在のアニメがあって、確か日曜日の朝の放送だったかな。そのオープニングテーマの『Butter-Fly』という曲があって、まごうことなき名曲なんですけど、その曲がいわゆるギターロックで。今回、少年アニメのために曲を作ると考えた時に、自分が昔恋い焦がれていたものを踏襲したいなと思って、最初に浮かんだのがギターロックで、それが『ピースサイン』という曲になりました」

─いわば、米津さんの原点と言えるスタイル。

「もともと90年代のアニソンとか、J-POPが大好きなので。僕の曲はずっとそこがベースにあるんですけど、『ピースサイン』に関しては露骨にそういうものが出たかもしれない。最近はずっとエレクトロみたいなものをやってきたんで、果たしてこれでいいのだろうか? と悩むことはありましたけど、最終的に打ち込みの音がまったく入っていないギターロックになったのは、自分としてはうまくやれたなという感じがすごくあります」

─歌詞は、『僕のヒーローアカデミア』の世界に寄り添って?

「何らかのタイアップを作る時は、だいたい同じ作り方をするんですけど、作品の世界と、自分が持って生まれたものがリンクする部分を探していく。『僕のヒーローアカデミア』がなければ生まれてこなかった歌詞ではあるんですけど、歌ってるのは自分のことです。たとえば最初の4行で歌っている、“頭の上をスレスレに通り過ぎていったあの飛行機”というのは、自分が子どもの頃に本当に経験したことだし。何の変哲もない出来事ですけど、未だに覚えているということは、ものすごく自分にとって重要なことだったんじゃないかな? と。この4行がもとになって、歌詞ができていきました」

─作品とリンクする部分というのは、具体的に言うと?

「『僕のヒーローアカデミア』は、次世代の『週刊少年ジャンプ』を背負う看板マンガとして、『NARUTO‐ナルト-』や『BLEACH』の後を継いでほしいという、周囲の期待を背負ってやっているマンガだと思うんですよ。そういう点で言うと、自分らの世代は『NARUTO -ナルト-』や『ONE PIECE』にめちゃくちゃ影響を受けていて、もっと言うと、その主題歌になっていたBUMP OF CHICKENやASIAN KUNG-FU GENERATIONや、そういう関係性もある。そういうものを担おうとしている『僕のヒーローアカデミア』に曲を作るということは、自分としても思うところがあるんですね」

─ああ。なるほど。

「『NARUTO‐ナルト-』や『ONE PIECE』があって、今『僕のヒーローアカデミア』があることにすごく共感するというか。作者の堀越耕平さんは、『ONE PIECE』の読者投稿コーナーにイラストを投稿していたとか、そういうものをちゃんと受け継いでいる。そういう立ち居振る舞いにはすごく共感を覚えるし、実際読んでも面白いし、話が合うのかな? と思います。まだお会いしたことはないんですけど」

─『僕のヒーローアカデミア』が、『週刊少年ジャンプ』の偉大な伝統を受け継ごうとしているのと同じように、米津さんも先輩アーティストが背負ってきたものを担おうとしている。グッとくる話です。

「こういう曲を作るために今までやってきたのかな? と思うぐらい、しっくり来てます。自分の原点って、ここなんですよね。やるからには子どものために何かやりたいなと思うし、子どもが聴いて“ウワー”ってなれるようなものを作りたい。自分は子どもの頃のことをよく思い返すんですけど、それが一番向いてるんじゃないかな? と思いますね」

─そしてカップリング「Neighbourhood」はUKロック風の、美しく格調高いロックバラード。

「イントロを聴いたら、オアシスの曲が始まるんじゃないか? って思うかもしれない(笑)。このCDを作っている間、オアシスをずっと聴いていて、それがもろに出ましたね。オアシスはイギリスのブルーワーカーで、そこから生まれる音楽という意味で言えば、自分もそういう環境に近いところにいるのかなと思うし、わりとシンパシーを覚える部分があるんです」

─もう1曲は、かつてボーカロイドの楽曲を作っていた頃の曲「ゆめくいしょうじょ」のリメイクです。

「18歳の頃に作った曲で、もう一度音源にするつもりはなかったんです。“ボカロ・カヴァーやってください”ってよく言われるんですけど、言われたらやりたくねえなというひねくれもの根性があって(笑)。でも7年たって、久しぶりにこの曲をやりたくなって…そう、その前に、ツイッターにこの曲の歌詞をアップしたんですよね。そしたら“新曲ですか?”と言われて、みんな知らないんです。いい意味で、自分がやってきたことが過去になっている。だったら今の自分がやる意義があるし、この曲はアレンジの余地がまだあるなとずっと思っていたので。今やるならこの曲だな、という感じはしました」

─今回は3曲とも、子ども時代のエピソードがあったり、郷愁を誘うようなシングルだと思いました。

「自分はマンガやアニメにすごく愛着があるので、『僕のヒーローアカデミア』の曲を書くことになった時に、否応なく子どもの頃を思い出すということはありました。今の小学生中学生に向けて何かを作らなければならないと考えた時に、最初にモデルになったのが昔の自分で、マンガを読んで、アニメを見てた子どもの自分はどうだったんだろう? って、このシングルの3曲を作っている間はすごく考えてましたね」

─『僕のヒーローアカデミア』のストーリーは、ある意味、伝統的な少年の成長物語ですよね。自分にはどういう個性があって、何ができるんだろう? というものを探していく物語。それって昔も今も、きっと変わらないものなんだろうなと思ったりします。

「いろいろ時代は変わってきて、インターネットが普及して、それにともなって子どもの心も変わっていって。自分の世代と比べると一緒じゃない部分は大きいと思うんですけど、根本にあるものは変わらないですよね。そうであってほしいなと思いながら曲を書いていたし、それが伝わるといいなと思ってます」

(取材・文/宮本英夫)

米津玄師 リリース情報

ピースサイン

NEW SINGLE
2017年7月8日レンタル開始
2017年6月21日発売

ピース盤(初回限定・CD+DVD+ピースリング):SRCL-9454〜6 1,900円(税抜)
ヒーロー盤(初回限定・CD+赤ジュエルケース+『僕のヒーローアカデミア』TCGスペシャルカード米津玄師/ピースサイン EDITION):SRCL-9457 1,500円(税抜)
通常盤(CD):SRCL-9458 1,200円(税抜)
全形態共通・初回封入
「米津玄師 2017 TOUR / Fogbound」チケット最速先行応募券封入
※初回生産分のみ封入、なくなり次第終了となります。
応募期間:6/20(火)12:00〜6/25(日)23:59
TSUTAYA 予約/購入特典
ステッカー

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米津玄師 オフィシャルサイト

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アーティスト情報

米津玄師

生年月日1991年3月10日(27歳)
星座うお座
出生地徳島県

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