町山智浩氏、アメリカで大ヒットのTVドラマ『THIS IS US』のリアルさを自身の体験を含めて解説「誰でもこれは俺だ、私だというところが出てくる」

映画評論家・町山智浩氏とイベントMCを担当した奥浜レイラ

映画評論家・町山智浩氏とイベントMCを担当した奥浜レイラ

恋愛、家族、仕事…。人生の岐路に立つ36歳の男女の切なく心温まる物語――海外TVドラマ『THIS IS US 36歳、これから』が2月21日より絶賛発売&レンタル中だ。今回このリリースを記念して、映画評論家・町山智浩氏をゲストに迎えた映画レビューサービス「Flimarks」のコラボイベントが開催された。

会場はアプリから応募で当選したFlimarksユーザー約150名ほどで満席に。『THIS IS US 36歳、これから』の第1話、第2話上映後イベントということもあり、町山氏の解説にも期待が高まった。

『THIS IS US』は昔ながらの老若男女が楽しめる久しぶりの作品

現状のアメリカでのドラマについて町山氏は「アメリカでは今500位ドラマのシリーズがあるんですね。TVだけじゃなく配信とか含めて。TVは昔のようにご飯を食べた後だったり、食べながら家族全員で観るということがないんですね。ご飯食べたら解散で、各部屋でPCやスマホで自分の好きなドラマを観るんです。なのでそういう視聴スタイルに合わせて、細分化されてしまっています」と解説。「その中で、この『THIS IS US』は昔ながらの老若男女が楽しめる久しぶりの作品だったので、沢山視聴者を集めたんです。逆に言うと、地上波ではそっちでしか生き残る道はないんですね」とその難しさにも言及。

本作については「(地上波なので)スポンサーがついているので過激なことは出来ない中でどうやるかと。地上波ならではの伝統的なスタイルがありつつ、毎回毎回サプライズがあるんですね。2話のラスト、びっくりしませんでした? しますよね? そのネタで引っ張たんですよ」と口調が乗ってくると、キャラクターの相関図を見ながら「この人達の本当のことがどんどん暴かれていくんですが、毎話毎話びっくりしますね。そのびっくりさせ方も上手いんです。どんどん驚くべき事が出てきますし、さらに毎回泣かせてくるんです。後半どんどんボルテージは上がってきて、ラスト3話はずっと号泣です。これはすごい」と絶賛。

トークの様子

トークの様子

さらに「観ていると、誰でも1人は応援したくなる人物を見つけることが出来ますね。誰もが傷を持っているキャラクターなんだけど、それが最初はわからない。しかも、脇役かなと思うような人たちの人生も行くんですよ! どんどん掘っていきますから」と登場するどんな人の人生も見逃せない展開であると解説。また、当日はホワイトボードを用意し、本作における物語の構築方法を解説してくれた。

「36年間を、誕生日やクリスマス、スーパーボウルなどのイベントでフラッシュバックさせていくんです。すごく複雑だし、これをやろうとすると全体を最初に決めないと撮影ができないんです。アメリカでのドラマではとても珍しいですね。例えば『スキャンダル』というドラマシリーズは毎回思いつきなんですよ。話がどんどん変わっていって『それさっき思いついだだろ!』って(笑)。これがアメリカのジェットコースタードラマなんですね。ウケるためならなんでもするし、話の展開を考えていない。それと『THIS IS US』は全く逆。全体像を先に作って割っているので分かりにくいんですよね。今観ているのはいつの話なのか、ということが」

ホワイトボードで町山流解説

ホワイトボードで町山流解説

また、「このドラマで人気が出たのは、ジャックとケヴィンとランダルがしょっちゅう脱ぐからですよ(笑)。3人がセクシーですからね。等身大のドラマと言われていて、スーパーヒーローも居ないけど、身体だけは良いんですよ!」と町山節の解説には会場から笑いが。さらに『THIS IS US』のタイトルについても劇中でその意味に言及される部分があると言い「まさかケヴィンから教わるなんてね(笑)」と笑顔を見せる。しかもそれはある映画とも似ていて…

「これは、あなたの物語―って書いてあるじゃないですか。映画『メッセージ』は、原作小説のタイトルが『あなたの人生の物語』なんです。あの映画は時間軸で過去も現在も未来もない能力を身に着けた女性の視点から描かれているんですね。あれも時間軸がシャッフルされて描かれていて、『THIS IS US』とそっくりなんですよ。時期もほどんど同時に作られていて、テーマも似ていますね」とトリビアにMCも「なぜこのタイミングなんでしょう?」と聞き返すもそこまでは町山氏も「わからないんですよね」と首を傾げる。

本当に「あなたの物語」―町山氏の人生とリアル過ぎるシンクロ

町山氏は、自身の人生の話も引き合いに出し「僕は36歳の時はすごく焦っていましたね。34歳でアメリカに行って、35歳から中年だという感覚があった。子供をその頃設けないと、大学の時に貯蓄のピークが来ないんですね。ジャックは36歳で子供を作るんですが、凄くリアルなんですよ。家をローンで買うのも、36歳からじゃないとローンが組めないんですよ。(厳密に)年齢は決まっていないけど、査定があるから、50歳過ぎて30年ローンとか組ませないでしょ? 35歳で組めば、定年までの30年ローンが組める。これも凄くリアル。だからよく考えている話だと思いましたね」と力説。

町山氏と本作のすごすぎたシンクロ

町山氏と本作のすごすぎたシンクロ

さらに、登場人物の1人・ランダルと父に関する境遇が全く同じだったことにも「全く同じだったので、この作品を観た時はもう…(自分と重なって)大変でしたよ」と明かし、「僕はそういうところが一致したけど、誰でもこれは俺だ、私だというところが出てくると思うんですよ」と語りかけていた。

すでにシーズン3まで製作が決まっている本作に町山氏は「この作品は10代から70代まで視聴者が広がっているし、見ているところも違うので面白いですよね」としながら「ちなみに僕は最近ウィリアムに入ってますから(笑)」とお気に入りキャラクターを挙げた。さらに「アメリカでは白人黒人観るTVやドラマがぜんぜん違うけど、この作品はどちらも観ていますからね」と作品の凄さを紹介しつつも、「(話を)止めてくれないとどんどん喋っちゃいますからね」と最後までらしさを見せた町山氏のトークを観客は楽しんでいた。

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海外TVドラマ『THIS IS US 36歳、これから』
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THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから

THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これから

出演者 マイロ・ヴィンティミリア  マンディ ムーア  スターリング・K・ブラウン  クリッシー・メッツ  ジャスティン・ハートリー  スーザン・ケレチ・ワトソン  クリス・サリヴァン  ロン・セファス・ジョーンズ
監督 グレン・フィカーラ  ジョン・レクア  ケン・オリン  ジョージ・ティルマン・Jr  グレイグ・ジスク  サイラス・ハワード  サラ・ピア・アンダーソン  ユタ・ブリースウィッツ  ヘレン・ハント  ティモシー・バスフィールド  クリス・コッチ  ウェンディ・スタンツラー
製作総指揮 ダン・フォーゲルマン  ジョン・レクア  グレン・フィカーラ  ケン・オリン  チャーリー・ゴーゴラック  ジェス・ローゼンタール
脚本 ダン・フォーゲルマン  ドナルド・トッド  ジョー・ローソン  ベッカ・ブランステッター  K・J・スタインバーグ  アイザック・アプテイカー  エリザベス・バーガー  ヴェラ・ハーバート  オーリン・スクワイア  ローラ・ケナー  ケイ・オイェガン
概要 イケメン俳優に肥満女性、エリートビジネスマンという、状況も性格も異なるアラフォー男女3人が、大切なものを失い、問題に直面しながらも人生の素晴らしさを体現する。マイロ・ヴィンティミリア主演の感動ドラマ。

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