『ツイン・ピークス』25年ぶりの最新作を滝本誠&町山智浩が解説! 話は続編にも言及?

町山智浩氏と滝本誠氏

町山智浩氏と滝本誠氏

8月26日、都内にて『ツイン・ピークス:リミテッド・イベント・シリーズ』Blu-ray&DVDリリース記念「ツインピークス大解剖トークショー」が開催。ゲストには映画評論家の滝本誠氏、町山智浩氏(アメリカからskype出演)が登場、シリーズとの出会いからお気に入りのシーンまでさまざまな内容について語り合った。

滝本氏は登壇してすぐに挨拶代わりの場面考察。それを町山氏は「案の定、滝本さんは最初からもうわけわからないですけどね(笑)」とイジり、会場からも笑いが起きる。

当時の『ツイン・ピークス』のブームについて聞かれると町山氏は「川勝(正幸)さんを思い出さずにはいられませんね。そういえば滝本さんは川勝さんと『ツイン・ピークス』ツアーに行ったんですよね?」とのコメントに滝本氏は「行った行った。楽しい思い出で。その辺はこの本(7月に発売されたばかりの『別冊映画秘宝 決定版ツイン・ピークス究極読本』)に嫌というほどでてくることだけど」と懐かしんでいた。

滝本誠氏

滝本誠氏

また「映画宝島に日本で最初の『ツイン・ピークス』の原稿を書いてくれたのが滝本さん」と紹介する町山氏は『ツイン・ピークス』以降の海外ドラマへの影響についても言及。

「もともと同じようなものはあって、1960年台の『ペイトンプレイス物語』というTVシリーズですね。TBSで深夜に放送していましたけど。それが元祖の元祖。そこから始まって、その後、『ツイン・ピークス』のプロデューサーのマーク・フロストが『ピケット・フェンス』というドラマシリーズをやるんです。その後はリンチが好きな50年台のフィルム・ノワールが混じっていった感じで。リンチは昔のTVドラマみたいなドロドロした昼メロのようなものをやりたかったと思いますよ。そして今はリンチの作品をを観た世代が新しい『ツイン・ピークス』を作っています。例えばNetflixの『13の理由』(13Reasons Why)は発端部分が『ツイン・ピークス』と全く同じだし、完全に影響を受けて作られているシリーズです。あと、アメリカのスーパーに置かれている『アーチーズ』っていう漫画本。これは50年台から続く、高校生の青春マンガ。現在のドラマブームの中で、その裏バージョン設定『リバーデイル』(RIVERDALE)もすごく人気です。これは完全に『ツイン・ピークス』をやろうとしていて、昔から知られている日常ほのぼのドラマの裏を描くと。だから日本はサザエさんでそれをやらないといけないですよ」と思わぬオチに会場から再び笑いが起こった。

滝本氏のツイン・ピークス本を広げる町山氏

滝本氏のツイン・ピークス本を広げる町山氏

そしてイベント中には滝本氏、町山氏それぞれのお気に入りシーンを映像を見ながら解説。ここでは滝本氏が「日本語を当てた皆さんとても上手くて技がある。そして最近は、彼らが物語を深く読み解いているなと関心しきり」と吹き替え声優についてフィーチャーしたり、リンチの自伝を手に解説したり…どんどんディープ内容が繰り広げられていった。

また質疑応答タイムで「好みのタイプの女性」を聞かれた町山氏は「今回、ローラ・ダーンがダイアナで出てきたときには感動しましたね。デビット・リンチワールドの中での『ブルーベルベット』とつながってくるところですから巨大なデヴィッド・リンチサーガみたいな感じがして。旧シリーズでは不思議な踊りを踊るシェリリン・フェンとか好きですね。あとララ・フリン・ボイルも好きでしたけど、今回は出てこないですね」と回答。一方の滝本氏は「クロマティックスの彼女だけで十分」とピンポイント回答。

リンチの初自伝を紹介する滝本氏

リンチの初自伝を紹介する滝本氏

今回のサードシーズン(The Return)の評価と次作はあるのか? についてにも質問が飛び、町山氏は「8話が放送された後は凄かったですね。17話も評価が高かった。ただ、最終話の18話は一種この企画に対するアンチテーゼみたいな話。つまり、25年後にこの話を作ろうとしたこと自体が間違いだったという話なんですよ。ローラ・パーマーは邪悪な魂の対抗手段として作られたものだということが描かれる。そして彼女は死ぬ必要があったんですね。彼女が犠牲になって人々の罪を背負って死体になることで永遠に若く美しく、彼女の魂が天使のような形でクーパーたちを助けるのが最初のシリーズ。彼女が犠牲になることで人類を守る存在だったのに、なんとクーパーは彼女を救ってしまった。救ったことによって彼女はただの人になってしまう。歴史を改変してしまったというラストになっている」と解説。

滝本氏も「ある意味リンチは根深く恨みつらみを継続している男だと思うんですよね。彼が許せないと思ったのは、ローラ・パーマーは誰が殺したというポイントで、それを説明をつけざるを得なかったという恨みつらみが今回の白紙撤回?」と反応しつつ、「解釈は難しいですね」と頭をひねる。

町山氏

町山氏

そして町山氏は「シェリル・リーがローラ・パーマー以外ほとんどキャリアがない。一種キャリアを殺されてしまったところもある。25年後に汚れ役で出されてますしね。何もかもぶち壊しちゃうような形に技としていると思いましたよね。途中、ダイアンが『本当にこれやる必要あるの?』みたいなことを言うけど、あれは本音なんじゃないかと思いますね(笑)。本当は17話で終わらせたほうが良かったと思うけど、18話でそれをぶち壊すのは凄いなと」と続けた。

そして4章について町山氏は「デヴィッド・リンチの世界は2つの世界が並行して進む。そういう描き方をするので、もしかしたらローラ・パーマーが生きている世界と死んでいる世界が交差する話になったりすれば、幾らでもできる気もします」と展望。滝本氏は「僕が観たいのはセーラの青春」との回答に町山氏も思わずニヤリ。

なお、イベントでは町山氏が齢80のリドリー・スコットが週3で実践格闘ジムに通っているという話から、滝本氏も興味津々で思わぬ広がりを見せようとしてところをMCに引き戻されるという展開もあり、和やかな雰囲気のまま一時間以上に渡って行われた。

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