【連載】LIFE相場正一郎さんと12カ月の道具たち:3月は愛用の道具を鞄に詰めて街へ繰り出す

【連載】LIFE相場正一郎さんと12カ月の道具たち:3月は愛用の道具を鞄に詰めて街へ繰り出す

2003年、代々木八幡商店街にレストラン「LIFE」はオープンした。訪れた人を心地よく包み込むような空間とほっとさせる料理だけでなく、カルチャーやライフスタイルの発信地としても多くのお客さんから愛されている。

そんな「LIFE」の生みの親であるオーナーシェフ・相場正一郎さんは、自他ともに認める“道具好き”。食はさることながら、山登り、サーフィン、インテリア、カメラなど、さまざまなことに造形が深い相場さんは、一体どんな道具たちと寄り添いながら一年を暮らしているのか。その月ごとの欠かせない愛用の道具をひとつずつピックアップして、相場さんと道具たちのストーリーを紡いでいく。

第12回目となる3月は、いよいよ最終回。愛用の鞄とその中身のお話。ふだんあまり物を持ち歩かないという相場さんならではの厳選したチョイスについて伺った。

小物が迷子にならないようリーバイスのポーチにまとめて

――相場さんが普段使っている鞄と、その中身を見せていただけないでしょうか?

鞄はWHOLE FOODSのトートバッグを使っています。WHOLE FOODSのトートは旅行に行った際に買ったり、おみやげにもらったりして何枚か持っているのですが、洗濯しながらローテーションで使っています。仕切りや内ポケットがないので、小物類はリーバイスのポーチにまとめることで鞄の中で物が迷子にならないようにしています。

「Honoluu」「Portland」などマーケットのある地名が書かれているWHOLE FOODSのトートバック。夏ならHonoluluといったように季節ごとに持ち替えて楽しんでいるそう

「Honoluu」「Portland」などマーケットのある地名が書かれているWHOLE FOODSのトートバック。夏ならHonoluluといったように季節ごとに持ち替えて楽しんでいるそう

――デニムが使い込まれていて、非常に味わい深いですね。

ええ、ポーチは中身をまとめるだけでなく経年変化も楽しめるのが僕好みですね。3年ほど前に元リーバイスの大坪さんにもらったもので、最初はパキパキだったのですが、何度か洗い直して柔らかくなりました。それこそデニム感覚で楽しめるのがいいですね。

――ポーチの中身も見せていただけますか?

財布とキーケース、カメラにペンとノート、メガネと名刺入れですね。

お気に入りの革製品を中心に、持ち歩くものは厳選する

――財布にキーケース……味のある革製品の数々ですが、これらはどちらで購入されたものでしょう?

革のキーケースは直しながら使って現在のものは2代目だそう

革のキーケースは直しながら使って現在のものは2代目だそう

イタリア時代からの友人のブランドの革製品。道具も人も、長く付き合うのが相場さん流

イタリア時代からの友人のブランドの革製品。道具も人も、長く付き合うのが相場さん流

メガネケースと名刺入れはイタリア留学時代の友人が作った「SENTIERO」というメーカーものですね。イタリア時代からの旧友でギターと旅が趣味のとても面白い友人なのですが、かれこれ20年以上の付き合いで今でも年に1〜2回会っています。キーケースは「TRUCK」、財布は「F/style」で見かけて、いいな、と思って購入しました。

――ご友人の作られたアイテムを中心に選ぶところにさりげないこだわりが感じられます。こちらのお財布は比較的小ぶりなサイズですが不便はないのでしょうか?

財布

開くとお札とカード、コインの仕切りがあるだけのとてもシンプルな作りになっています。基本的にカードも最低限しか持ち歩きませんし、小銭も極力たまらないよう心がけているので不便に感じたことはないですね。ウルトラライトまではいきませんが、もともとあまり物を持ちたくない性分なのと、イタリア人は財布を持たずにマネークリップで済ます人も多いので、そういった考え方もベースになっているのかもしれません。

――合理的な考え方の相場さんらしいチョイスだと思います。ポーチの中身も非常にシンプルですが、手帳はあえて持たないのですか?

スケジュール管理は基本的に携帯で行っています。仕事の資料やレシピは「DELFONICS」のファイルにまとめて、ふだんはパソコンも持ち歩かないですね。

手直ししながら育てる喜び

――12回の連載で、相場さんと道具にまつわる様々なエピソードをお聞きしました。この先、読者が道具を選ぶ際のアドバイスをいただけないでしょうか?

僕は、基本的にものは必要になってから探すよりも、よい出会いがあったときに買うことが多いですね。それこそ今の世の中、道具を選ぶにも無数の選択肢があるので「皆が使っているから」ではなく、なぜよいのか、なぜ自分が惹かれるのか、わかって手にするのが良いんじゃないかと思います。

それと僕は革製品などの使い込んでいくうちに味がでるものが好きなんです。古くなったからといってすぐに買い替えるのではなく、10年20年と直しながら使い続けることで自分にしっくり馴染んでくるんですね。人間関係と同じですよね。よい部分を引き出しながら少しずつ手直しして、時間をかけてじっくり付き合うのが、もっともよいパートナーを作る一番の方法じゃないでしょうか。

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(インタビュー・文:山本加奈子、撮影:MASA(PHOEBE))

「LIFE」オーナーシェフ
相場 正一郎

イタリアのトスカーナ地方で料理修行をした後、2003年に代々木公園にカジュアルイタリアン「LIFE」をオープン。現在、「LIFE son」「LIFE Sea」など全国に5店舗を運営する。店舗では、イベントの開催、オリジナルプロダクトの制作、地元の情報を集積したフリーペーパー『PARK LIFE』の発行など、カルチャーの発信地としても多くのファンを持つ。最近、渋谷の東急本店に抜ける長い一本道「奥渋谷」に話題の店が続々と増えているが、その走りとなったパイオニア的な店が「LIFE」と言える。

著書は『世界でいちばん居心地のいい店のつくり方』(筑摩書房)『LIFEのかんたんイタリアン』(マイナビ)『LIFE OF THE MIND』(ネコ・パブリッシング)など。

公式サイト

■他の月の「【連載】LIFE相場正一郎さんと12カ月の道具たち」を読む

4月はイタリア時代からの相棒・カメラと旅立つ
5月は思い出のインテリアを囲んで家族と寄り添う
6月の朝はコーヒーと読書ではじめる
7月は手作りボードで、サーフィンと仕事の波に乗る
8月は愛車ディフェンダーでドライブ。山へ海へ
9月はグリーンを飾ってお客さんをもてなす
10月はとっておきの調理道具で料理を作る
11月の休日は男のアウトドアを楽しむ
12月はお気に入りの食器&カトラリーで食卓を彩る
1月は憧れの人ゆかりの腕時計で時を刻む
2月はメガネを使い分けて日々のおしゃれを楽しむ

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