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大島にしか造型できない主人公像に惚れ惚れ! 映画『福福荘の福ちゃん』大島美幸&水川あさみインタビュー

福ちゃん役の大島美幸さん(森三中)とヒロイン役の水川あさみさん
「1ミリも心配する必要がないほど、大島さんは『男』でした」(水川)
森三中の大島美幸が、なんと丸坊主のおっさん役に挑戦した『福福荘の福ちゃん』は、じんわりココロ温まる人情劇。女性が男性を演じる違和感は微塵もなく、むしろ大島にしか造型できない主人公像に惚れ惚れしてしまう。だが、当の大島はこんな発言。 「全然しっくりこないですよ。私はこういうことに慣れてないから、気が気じゃない。集中できない。だから何度も訊きましたね。『監督、大丈夫ですか? 私、めっちゃ不安です』って」
とはいえ、これは撮影中の話ではない。出来上がった映画を初めて観たときのこと。演じている最中は「あまり深く考えずに、全部監督に託した」という。
「仕草そのものだったり、全体的な存在そのものが男だったから、私は1ミリも心配する必要がなかったです。『福ちゃん』が存在していましたね。」
ヒロイン役で共演した水川あさみは、そう太鼓判を押す。脚本の読み合わせの段階では「女性の大島さん」だったが、断髪式を経て、クランクインするときには「男、福ちゃん」がそこにいたという。
古アパート「福福荘」で暮らす塗装工の福ちゃんは、仕事仲間からもアパートの住人からも信頼の厚い男。周囲に揉め事があればカラダを張って仲裁する気持ちのいいヤツだ。そんな福ちゃんの初めての恋と、その裏に隠された秘話を映画は綴る。
「見せ方は単純ではないですよね。笑ってるけど、どこかさみしいのが福ちゃんだから。なかなかいまの時代、こんなふうに誰かに肩を貸せる人っていないですよね。でも、こういう人、いてほしいな」と大島。水川も「出てくる人それぞれに自分なりの正義がある。自分が信じてることって、他から見ると「それは正義じゃねえよ」っていう部分もたくさんあるとは思うんですけど。でも、そういう正義って、誰にでもあることだと思うんです」と話す。
「ここまで人を信じたのは、私、初めてなんです」(大島)
そう、この映画はスマートには生きられない人たち、それぞれの「正義」をすくい取った佳品である。ふたりにとっても大切な体験になったようだ。
「映画って、監督のことを信じないと、うまくいかないんだなあって。芸人とはまったく違う作業。人の胸を借りることができたから、焦らず大らかに、やらせていただけた。私、いままで、こんなに信じたことなかった。でも、こんなに人のこと信じていいんだ、って思えるようになれたんです。仕事でもそうですけど、人間関係で、ああ、そうか、これだけ託してもいいんだ、と。へー、って初体験でした。悩み事とか、あんまり言わないタイプなんですけど、(人に対してそれを)ちゃんと言ったら、ちゃんと返答が返ってくるんだっていうことが、この歳になって、わかりました。社会勉強というか、人生勉強でしたね」(大島)
「大島さんと一緒にできたことが私にとって、すごく大きかったです。大島さんのお芝居は、全部に嘘がないストレートな表現だったんです。お芝居を続けてきたことで私自身、やっぱり、こう見せたい、ああ見せたいみたいなことが先立ったりするんですよね。でも、真横で大島さんのお芝居を見たときに、『あ、こういうお芝居できるようになりたい』って思いました。だから、すごく大きい経験でしたね」(水川)
大島は監督を信じ、水川は大島を信じた。「信じる」ことで出来上がった映画は、私たちにも「信じる力」をきっと授けてくれるはずだ。
(文:相田冬二)
映画『福福荘の福ちゃん』
11月8日(土)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督・脚本:藤田容介『全然大丈夫』
出演:大島美幸(森三中) 水川あさみ 荒川良々 芹澤興人 飯田あさと/平岩紙 黒川芽以 山田真歩 徳永ゆうき/真行寺君枝 古舘寛治 北見敏之
STORY
福ちゃん(大島美幸)は、ちょっぴり愛おしいはみだし者たちが集まる、ボロアパート「福福荘」に住む塗装職人。上京してから十数年、ずっと福福荘に住み、同じ仕事を続けてきた。昼間は仕事で汗を流し、夜はアパートの住人どうしのトラブルを解決、休日には近くの河原で趣味の凧あげに精を出す、そんな毎日を送っている。誰にでも親切をふりまく人気者の福ちゃんだが、恋愛にはオクテで、実はかなりの女性恐怖症…。なにかと福ちゃんと気に掛ける親友のシマッチ(荒川良々)がせっかくセッティングしてくれたお見合いの場も台無しにしてしまう…。そんなある日、福福荘に見知らぬ美女が訪ねてくる。その名を聞き、驚く福ちゃん。それは十数年ぶりにあう初恋の人・千穂(水川あさみ)だった。福ちゃんを女性恐怖症にしてしまった中学校時代の事件について謝りに来たという千穂。最初は彼女を突き返してしまう福ちゃんだったが、カメラマン修行中という千穂に次第に打ち解けていくうちに、彼女への恋心を募らせていくのだった…。
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