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「僕がいちばん大事にしたのはテーマ」―『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』スティーブ・マーティノ監督インタビュー

スティーブ・マーティノ監督
スヌーピーは、チャールズ・M・シュルツ氏が1950年10月2日から彼がこの世を去る直前まで、約50年間にわたってアメリカの新聞紙上で連載した人気コミック「ピーナッツ」のキャラクター。コミックの主人公は内気な男の子チャーリー・ブラウンでスヌーピーは彼の飼い犬だが、その認知度は絶大だ。子どもたちしか登場しない世界で子ども目線でありながらも、大人が共感できるエピソードが盛り込まれ、老若男女に愛されるコミックとして現在も読まれ続けている。そんな世界中の人を惹きつけるコミックが『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』として映画化! 自身も大ファンだと言うスティーブ・マーティノ監督が、スヌーピーと「ピーナッツ」への愛を語る。
──この映画を作った人たちが、どれだけスヌーピーを愛しているのかが伝わってきました。
僕は、スヌーピーと一緒に育ってきたからね。まだ読み書きもできない小さな頃、父親が新聞の連載漫画「ピーナッツ」を読み聞かせてくれたんだ。日曜版はカラーだから特に楽しみで、それを一緒に読むというのが我が家の習慣だった。6歳のときにクリスマススペシャルとしてテレビ放映されて、それから毎年、テレビ版を見るのが楽しみだったよ。僕にとって「ピーナッツ」=スヌーピーは人生の一部、成長していくなかで欠かせないものと言えるね。そして今回、映画を作ることになって、その嬉しさは計り知れなかったけれど、好きだかからこそ、ものすごくプレッシャーもあった。(今は亡き)原作者のチャールズ・M・シュルツさんにちゃんとしたものを届けたいと思ったし、新しい世代にスヌーピーの世界を見せたいと思ったんだ。

(C) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved. PEANUTS (C) Peanuts Worldwide LLC
──長い歴史のある「ピーナッツ」。膨大な原作の物語から今回の映画の物語ができるまでのこと、聞かせてください。
脚本は、シュルツさんの息子さんのグレイグさんとブライアンさん、コーネリアス・ウリアーノさんと一緒に作っている。僕もアイデアを出して、それをみんなで意見しながストーリーボードを作っていった。嬉しかったのは、そのストーリーミーティングの場がシュルツさんの実際のオフィスだったことだ。
──幼い頃からのファンとしては、そのオフィスは夢のような場所ですね!
その通りだよ! 彼のオフィスに“居る”、それだけで心が躍った。シュルツさんがどんな人だったのかを知ることもできたしね。たとえば、彼はゴルフが大好きで、有名なゴルフ場ペブルビーチの18番ホールに立っている写真などがオフィスに飾ってあってね。僕もゴルフは大好きだから、彼と一緒に……と思ったよ。たくさんの本もあって、そうか!「ピーナッツ」のあのエピソードのアイデアはこの本だったのか! という発見もあった。

(C) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved. PEANUTS (C) Peanuts Worldwide LLC
──シュルツさんが過ごした場所で仕事をすることで、彼自身とスヌーピーや「ピーナッツ」のキャラクターとの共通点は見つかりましたか?
もちろん! 息子さんたちや夫人のジーニーさんが、いろいろなエピソードを話してくれてね。スヌーピーは、シュルツさんが“なりたかったもの”すべてを具現化しているキャラクターで、チャーリー・ブラウンはシュルツさん自身に近いキャラクターなんだ。とても興味深い話だったよ。
──だからスヌーピーはいろんなことに挑戦するんですね! 今回の映画に監督自身がどうしても入れたかったエピソードは何だったのしょうか。
僕がいちばん大事にしたのはテーマだ。もとからハートのある物語ではあるけれど、もっともっとハートのある物語にしたかった。そういう意味でチャーリー・ブラウンはハートを代弁しているキャラクターと言える。優しさ、正直さ、絶対にあきらめないポジティブさ──その精神は今の時代にみんなが必要としているものだとも思う。映画を作っているとき、ちょうど私の娘たちが大学進学の時期で、彼女たちを見ていると、勝者でなくてはならない、何かを達成しなくてはならない、それが一番大事なことのようになっていた。でも、そうじゃない。本当に大事なのは友だちに対する接し方や思いやり。それを伝えたくて、この映画のテーマを“ハート”にしようと思ったんだ。

(C) 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved. PEANUTS (C) Peanuts Worldwide LLC
──スヌーピーとチャーリー・ブラウンの固い絆はもちろん、仲間たちとの友情、ほんとうに温かかったです。また、とても活き活きと動き回るスヌーピーにも感動しました。平面の漫画から動画の映画へ、どんな苦労があったのでしょうか。
CGや3D映像によってスヌーピーの空想世界での冒険をダイナミックに表現することができたけれど、キャラクターはシュルツさんが描いた“あの絵”に見えなくてはならなかった。それが僕たちの目指したところだ。今までの映画作りとはまったく違う作業だったね。どんなことをしたかというと──手描きのアニメーションのような考え方をしなくてはならなかったんだ。CGにおいては、第1のポーズと第10のポーズを作ると、その間の2〜9はコンピュータが作ってくれる。でも、今回はシュルツさんの絵に近づけるために、すべてのコマを作っていかなくてはならなかった。というのは、スヌーピーは横向きの目線も正面の目線もスヌーピーの顔自体は常に横位置で、目や鼻の位置が移動している。それはCGではできないこと。ものすごいチャレンジだったよ。
──たしかに! CGなのにまったく違和感がなかったのはそういう理由だったんですね!最後に、今現在、監督が一番好きな「ピーナッツ」のキャラクターを教えてください。
子供の頃はスヌーピーが一番好きで、そのなかでも“ハッピーダンス(上を向いて両手両足をバタバタさせている)”のスヌーピーがお気に入りだった。でも、今回の映画を作りながらチャーリー・ブラウンのファンになってしまったんだ。チャーリー・ブラウンはいつも失敗を繰り返すけれど、絶対にめげない。朝、起きると「今日こそ野球で成功するぞ!」って、超ポジティブ。映画制作はうまく行かないことがたくさんあるからね、チャーリー・ブラウンにあきらめないことを教えてもらったよ。

お茶目でサービス精神いっぱいの監督
(取材・文/新谷里映)
映画『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』
2015年12月4日(金)2D/3D全国ロードショー
監督:スティーブ・マーティノ
配給:20世紀フォックス映画
吹替声優:チャーリー・ブラウン役:鈴木福、“赤毛の女の子”役:芦田愛菜、サリー役:小林星蘭、ルーシー役:谷花音/3D+2D/吹替+字幕
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