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【レビュー】『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』-65周年にぴったりの、最高にハッピーな作品。

(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved. PEANUTS (C)Peanuts Worldwide LLC
チャーリー・ブラウンの優しさにほっこり。
チャールズ・M・シュルツが1950年から2000年まで連載したコミック「ピーナッツ」。出版物の累計発行部数は全世界で4億部以上を誇り、作品としての評価も極めて高い「ピーナッツ」は、子供から大人まで、誰もが共感を抱くことができる。その人気から、今までに何度も映像化されてきた「ピーナッツ」だが、12月4日に全国公開を迎えたスティーブ・マルティノー監督の『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』は「ピーナッツ」史上初の3D/CGアニメーション作品だ。
本作で描かれるのは、チャーリー・ブラウンの恋模様。ある日、チャーリー・ブラウンのクラスに赤毛の女の子が転校して来る。赤毛の女の子にすぐさま心を奪われたチャーリー・ブラウンは、なんとか声をかけようとするのだが、不器用な彼は失敗してばかり。そんなある日、学校でコンテストが開かれることを知ったチャーリー・ブラウンは、優勝して赤毛の女の子の気を引こうと考えるのだが…。
ピクサー作品やディズニー作品で顕著だが、昨今のアニメーションの特徴として、「ツルツル」した質感の作品が多いことが挙げられる。しかし本作では、50年以上にわたって新聞紙上で連載されてきた「ピーナッツ」のイメージそのままの、紙のような質感が見事に表現されている。この質感によって、本作は「ツルツル」した質感の作品では表現することができない、独特な「粗さ」を生んでおり、その「粗さ」は、「手作り感」や「懐かしさ」といった、近年のアニメーションでは表現することができなかった印象を与える。この「ピーナッツ」のイメージを壊さない絶妙なアニメーションを見事に生み出した「ブルー・スカイ・スタジオ」には、惜しみない賞賛を贈りたい。

(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved. PEANUTS (C)Peanuts Worldwide LLC
映像だけでなく、ストーリーも秀逸だ。「ピーナッツ」の世界は基本的に子供だけで構成されているが、本作で彼らが過ごす日々は、年齢や性別を超越して、観る者全てに笑いや癒し、時には涙すらも与えてくれる。スヌーピーを筆頭に可愛らしいキャラクターが登場する「ピーナッツ」の中でも、チャーリー・ブラウンは最高だ。彼は特別な才能を持っているわけではなく、寧ろ取り柄もない、言ってしまえば冴えない男の子。しかし彼は、誰もが忘れがちな「思いやりの心」を、誰よりも大切にしている。
本作でチャーリー・ブラウンは「赤毛の女の子」に声をかけようと奮闘するのだが、大抵は不器用さが生む失敗に終わる。一生懸命に努力しても、大チャンスが訪れても、何かしらのトラブルが起きて、やっぱり失敗してしまう。しかし彼は、そうした失敗の影で常に自分を犠牲にして、「困っている誰か」を助けている。しかも彼は、決して見返りを求めない。そして、自分が得をできるとしても、嘘をつかずに正直に生きている。そんなチャーリー・ブラウンのことを「お人好し」という言葉で片付けるのは簡単だが、彼ほど尊く、優しい者はいない。彼は、当たり前のことを当たり前にできる、正真正銘の「いい奴」なのだ。
人に優しく、正直に生きる。当たり前のことだが、これほど難しいことはない。しかしチャーリー・ブラウンは、いつ何時も、人に優しく、正直に生きている。一見すると何の取り柄もないチャーリー・ブラウンだが、実は誰よりも素敵な心をもっているのだ。そんな彼の姿は、子供たちには良いお手本となり、世知辛い世の中で思い悩む大人たちにとっては癒しになるはずだ。
近年のアニメーションとは一線を画す独特な質感のアニメーション、チャーリー・ブラウンの優しさに思わずほっこりすること間違いなしのストーリー、そしてメーガン・トレイナーが歌うテーマ曲「ベター・ホエン・アイム・ダンシン」と共に、皆が笑顔になるエンディング。本作は、連載から65周年という「ピーナッツ」にとっての節目の年を、最高にハッピーにしてくれた。天国のシュルツも、本作の出来にはきっと満足していることだろう。
(文・岸豊)
>「僕がいちばん大事にしたのはテーマ」―『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』スティーブ・マーティノ監督インタビュー
映画『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』
12月4日(金)TOHOシネマズ スカラ座他全国ロードショー
監督:スティーブ・マーティノ 配給:20世紀フォックス映画
吹替声優:チャーリー・ブラウン役:鈴木福、“赤毛の女の子”役:芦田愛菜、サリー役:小林星蘭、ルーシー役:谷花音/3D+2D/吹替+字幕
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