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【ロングインタビュー】菜々緒「悪女は自分の名刺」 “あぶ刑事”舘ひろしとの大人エピソードからSNS…すべて語る!

菜々緒
ドラマ『主に泣いてます』(2012)で主演を務め、モデルから女優デビューを果した菜々緒。
以降、ドラマ『ファースト・クラス』(2014)や『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(2015)、映画『グラスホッパー』(2015)などにヒール役として出演し、“悪女キャラ”として大ブレイク中だ。そんな彼女が、映画『さらば あぶない刑事』でシリーズ最後のヒロインを演じる。
そこで、菜々緒にインタビューを敢行し、舘&柴田コンビのアドリブなど本作の撮影現場の裏話から、悪女ブレイクするために参考にした映画までを直撃した。
正統派ヒロイン役に「運を全部使い果たしたんじゃないか」
──「あぶデカ」出演が決まった時の感想を教えてください。
率直に言わせていただくと、「なんで、私なんだろう?」「私でいいのかな?」というのが最初に頭に浮かびました。
私が生まれる前からある大作に出演させていただける機会なんてめったにないので…。もしかしたら去年の運を全部使い果たしたんじゃないかと思うくらい本当にありがたかったです。こうやって大御所の皆さんとお仕事ができる機会もなかなかないですし、すごく貴重な経験になると思ったので、自分が持っている力を全部出し切って、この作品の一部になれたらいいなという気持ちでやらせていただきました。
クランクインで助けられた、舘ひろしの「一言」
──昨今、菜々緒さんは悪女を演じることが多いですが、本作では正統派ヒロイン役でした。役作りにおいて気持ちの切り替えや、監督からの指示など大変なことはありませんでしたか?

クランクインから監督と衝突した菜々緒。それを見た舘は…
他の作品と撮影がかぶっていなかったので、切り替えが大変ということはなかったですね。でも、実は監督とクランクインから衝突しまして…。
私はまだまだ未熟なんですが、舘さんと役の設定上でも実年齢上でも年の差がある才色兼備の外交官役だったので、大人の立ち振る舞いをする頭の切れる女性をイメージして行ったんです。
クランクインの日が引っ越しのシーンで、「好きな人と一緒になれる第一歩なので、ワクワクした感じでテンションを上げてほしい」と監督がおっしゃったんですね。
でも、それを私がやってしまうと子供に見えてしまうんじゃないかな、って思ったんです。そう思って抑えめに演じていたのですが、監督からすると物足りなかったようで、何テイクも撮って、泣きそうになりました。クランクインということでそもそも緊張していて、なおかつ噛み合わなくてテンパっていたんですけど…。
そしたら舘さんがそれを察してくれたのか、「いいんだよ。自分のやりたいようにやりなさい」って言ってくださったんですよ。それで落ち着いて、監督が思い描いているところが正解だと思ってやってみたらすんなりできたので、本当にその一言に助けられましたね。柴田さんも打ち上げの時に「本当に良かったよ。あれでいいんだよ」ってすごく褒めてくださいました。本当に温かい言葉を皆さんからいただきました。
アドリブ演技も“レジェンド”だった、タカとユージ
──現場の雰囲気がとても良さそうですね。
皆さん何十年と一緒にお仕事されているので、チームワークが完璧で、最初そこに踏み込んでいく勇気が要りました。新しいキャラクターでこの輪の中に入っていけるかなとか、上手く馴染むかなとか不安がありましたね。とくに年下なので、温度差が観ている方に伝わったらダメだと思ったのでとても不安でした。
でも、舘さんと柴田さんのお2人がふざけ合っている間に入って一緒に会話できたシーンがあるんですけど、「あ、入れた!」と思ってうれしくて。そこでこの作品に加わった実感が湧きましたね。

ダンディ&セクシー、タカとユージ (C)2016「さらば あぶない刑事」製作委員会
──面白い撮影の裏話はありますか?
舘さんと私が恋人同士としてレストランで会話している時に、柴田さんが現れて私たちに加わるシーンがあるんですけど、そのシーンが実は全部アドリブなんですよ。
お2人の息のぴったりさと、アドリブの面白さにお芝居を忘れそうになりました。私はアドリブを繰り広げている前段階は知らなくて、柴田さんが急にアドリブをやって、舘さんが雰囲気でテンポよく返しているのかなと思ったら、密着していた記者さんから、カースタントの撮影の合間に、お2人が車の中でアドリブの打ち合わせをしていたという話を聞いて、すごいなと思いました。
デビュー前、舘ひろしに「お嬢さん」
──恋人同士を演じた舘さんとの印象深いエピソードはありますか?
私が芸能界でお仕事する以前の大学生だった頃に、海に行こうと誘われて行った先に舘さんがいらっしゃったことがあって。大人数だったので、自己紹介や挨拶をするわけでもなくて、ただ粗相がないようにと思って萎縮していたら、「お嬢さん」って言われたんですよ!

舘に「お嬢さん」と声をかけられた菜々緒。その思い出は今も色あせない (C)2016「さらば あぶない刑事」製作委員会
最初びっくりして「お嬢さん?」って思ったんですけど、こんなにナチュラルに「お嬢さん」って声を掛けられる方はなかなか日本にいらっしゃらないと思ったんですよ。
その頃の私は舘さんからしたら子供だと思うんですが、そんな私に気を遣って話しかけてくださって。そんな紳士な対応が素敵な人だなと思いました。その後クルージングで沖の方に出て、海に飛び込んではしゃいでる舘さんをお見かけして、「なるほど。こういう人が芸能界を生き残り、愛される存在なんだな」と思ったのが、私が芸能界に入る前の舘さん像です。
今お会いしても本当に変わらなくて素晴らしいなと思った出来事がありました。レストランのシーンでエキストラさんがたくさんいらっしゃって、カメラのセッティング中に「お嬢さん」って聞こえたんですよ。何かなと思ったら、舘さんの真横にいらっしゃるウエイトレス役の方のマイクが見えていたみたいで、それを「マイクが出ていますよ」っておっしゃっているのを見ました。なんか学生時代の思い出がよみがえりつつ、スタッフさんが見えないところまで目が届く舘さんは本当にすごいなと思った瞬間でもあり、今でも「お嬢さん」って言うんだなって思った瞬間でもあって、色々な思いが巡りましたね。
──タカとユージというキャラクターについて。
大好きですね。仕事に夢中になって熱心になっている男性ってすごくいいなって思うし、かと思えばオフの時はいつもニコニコしてふざけ合っていて、本当に素敵だなと思います。
魅力的な要素がぎゅっと詰まった大人な男性ですよね。でも、「あぶデカ」終わってしまうんですね…。このシリーズの長い歴史から考えると、私が出演したのは一瞬だけでしたが、すごく寂しくて終わってほしくないという気持ちと、かっこいいまま終わってほしい気持ちもあります…。
「目配せで伝わる大人な恋愛観にグっとくる」
──「あぶデカ」を知らない世代やアクションが苦手な女性に本作の見所を教えてください。
私はどちらかというと、ベタな恋愛ものよりも、こういうアクションものが好きなんですが…(笑)。

甘酸っぱいキラキラした恋愛よりも…
全体を通して、この映画しかできない要素がすごく詰まっていると思います。大人の男女のラブ・ストーリーの部分では、演じた私自身がドキドキしました。ダンスをしながら会話をしているシーンで「何で私を選んだの?」って聞いたら、鷹山さんが「ダンスが上手いから」って答えるところとか。
普通だったら「優しくて、料理が上手くて…」とか言うじゃないですか。それを言わずにダンスが上手いからっていう大人な雰囲気がいいなと思います。大人の色気じゃないですけど、年齢を重ねた歴史があるからこそ、にじみ出てくる湧き出てくるものがあると思います。勿論、甘酸っぱくてキラキラした青春や恋愛ものもいいと思いますが、こういう言葉を交わさなくても目配せで伝わる大人な恋愛観はグっとくると思いますね。
アクションの部分では、バイクに乗って手放しで銃を持って暴れる映画なんて、もしかしたらこの作品が最後なんじゃないかなって思います。迫力あるシーンが盛りだくさんで女子の私が観ても楽しいので、今の若い子たちにもぜひ観て驚いてほしいですね。
SNSの声「自分のことを嫌いな人ほど、自分を見てくれる」
──ここ数年の女優活動について。
最初にお芝居した時は、ずっと泣いている役をやらせていただいたんですけど、そこからずっと悪女をやっているような気がします。
SNSなどで色々な声を聞くと、最初のデビュー作品から応援してくださる人もいらっしゃいますが、そこから急に悪女になって、モデル出身で下手だったり嫌な役だったりもしたので、よく思わない声もたくさんありました。それはそれで試練だと思うし、逆にハードルが高いほど自分の伸びしろも大きくなると思いました。
自分のことを嫌いな人ほど、自分のことを見てくれているような気がするんですよ。だからそういった意見を大事にしていました。演じることは楽しいですね、もう悪女が楽しくて楽しくて(笑)。こんなに悪女を立て続けに演じるとは思いもよらなくて、今や自分の名刺みたいなもので。自分が最初に思い描いていた以上に皆さんに期待され、楽しみにしてもらえているのがすごくうれしいですね。
菜々緒の悪女役 原点は『ゴーン・ガール』とディズニー映画?
──悪女の役作りで何か参考にした映画などはありますか?
『サイレーン』の撮影に入る前に『ゴーン・ガール』を観ていたんですけど、それを観ながら「いずれこういう役が来るんだろうな」と思っていたら、すぐに『サイレーン』のお話がきて。
人の経緯や損得関係なくすぐ人を殺してしまうところや、用意周到で何事にも動じることのない冷静なところなどは、『ゴーン・ガール』の(ロザムンド・パイク演じる)キャラクターを参考にさせていただきました。あとは、今までの悪女は、ディズニーのヴィランズも参考にしていて。
アニメは一見で「良い人か悪い人か」っていうのがわかりやすく表現されているので、『101匹わんちゃん』のクルエラ(・ド・ヴィル)などの悪役やヒール役っていうのは、かなり注目して見るようにしています。言葉のニュアンスや言い方、眉毛の動かし方は、日本語吹替でも英語字幕でも聞いて勉強しましたね。
──2016年はどんな年になりそうですか? またチャレンジしたいことは?
この『さらば あぶない刑事』も、先日クランクインしたテレビドラマ『怪盗 山猫』(日本テレビ系、1月16日より放送)もそうですけど、2016年は“脱・悪女”な感じでスタートが切れそうなので、もしかしたら今年は悪女をしない年かもしれないし、また悪女をやるかもしれないので、楽しみにご期待ください。
あと、これまで色々な役をやらせていただきましたが、恋愛が成就する役を演じたことがないんですよ。なので、恋愛が成就する役や女子が共感するような役を一度はやってみたいなと思います。
(文:クニカタマキ)
『さらば あぶない刑事』
1986年のドラマ放映から30年、劇場映画6本の総観客動員600万人超、興行収入82億円突破を記録した伝説の刑事ドラマ「あぶデカ」。10年ぶりの待望の新作では、舘ひろし演じるダンディー鷹山(タカ)と柴田恭兵演じるセクシー大下(ユージ)の定年退職直前の最後の戦いを描く。「あぶデカ」シリーズラストを飾るに相応しく、名匠・村川透がメガホンを取り、脚本はすべてのシリーズを担当する柏原寛司ほか「あぶデカ」を知り尽くしたスタッフが再集結。また、浅野温子、仲村トオルをはじめ、おなじみのレギュラーメンバーも勢揃いする中、シリーズ最強最悪の敵に吉川晃司、すべてをかけてタカを愛する夏海に菜々緒が抜擢され、物語を盛り上げる。
1月30日(土)全国ロードショー
監督/村川透
出演/舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオル、菜々緒、吉川晃司
配給/東映
http://www.abu-deka.com/
(C)2016「さらば あぶない刑事」製作委員会
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