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『クリムゾン・ピーク』(15)と併せて観たい! 美しいホラー映画4選

(C) Universal Pictures.

『クリムゾン・ピーク』より (C) Universal Pictures.

『パンズ・ラビリンス』(06)『パシフィック・リム』(13)などで知られるギレルモ・デル・トロ監督の最新作で、同監督の作品史上、最も美しいと言われるホラー映画『クリムゾン・ピーク』が現在公開中だ。そこで今回は、同作と併せて観たい、美しいホラー映画を4本紹介する。

『サスペリア』(77)

イタリアの巨匠ダリオ・アルジェント監督の『サスペリア』は、あるバレリーナを襲った悲劇を描く作品。主人公のスージー(ジェシカ・ハーパー)は、バレエの勉強のためにニューヨークからドイツの名門校に入学することに。しかしスージーが学校にやってきた夜、一人の生徒が何者かによって殺されてしまう。それからも学校では殺人事件が次々と発生し、スージーも体調に異常をきたすようになってしまう…。

不協和音なのか、うめき声なのか、判然としないBGMは鑑賞者の不安を煽り続け、ストーリーの緊張が高まるに連れて増幅していく不気味なサウンド・エフェクトも、予測できない展開が生む恐怖を際立たせる。これらの「音」の演出に加えて、極彩色が用いられたライティング、美しさと無機質さが同居したプロダクション・デザイン、そして血に染まる美少女たちの姿といった「画」の美しさも素晴らしい。物語のキーとなる人物の正体全てが明かされるわけではないが、続編に位置する『インフェルノ』(80)や『サスペリア・テルザ 最後の魔女』(07)で確かめることができる。

『シャイニング』(80)

スタンリー・キューブリック監督がジャック・ニコルソンを主演に迎えた映画『シャイニング』は、スティーブン・キングによる同名小説を映画化した作品。作家のジャック(ジャック・ニコルソン)は、ロッキー山脈にあるホテルで冬季の管理人を務めることに。妻のウェンディ(シェリー・デュヴァル)と息子のダニー(ダニー・ロイド)を連れてホテルにやって来たジャックだったが、ホテルでは異常な現象が頻繁に発生する。そんなある日、執筆が進まないジャックの様子が、とうとうおかしくなってしまい…。

キューブリック監督は端正な映像構成で知られているが、本作の映像は彼の作品群でも群を抜いて美しい。シンメトリックに構成されたホテルの内装はもちろん、机の上の雑貨に至るまで、あらゆるものが完璧に整えられた画面には、不自然なほどの美しさが宿っており、非現実的な違和感、ひいては恐怖すら感じさせる。随所で挿入されるサウンド・エフェクトやサブリミナルも、画面に漂う緊張感と、鑑賞者が抱く不安を融合させ、未体験の恐怖を生み出すのに一役買っている。キューブリック監督による演出が光る本作だが、主演を務めたジャック・ニコルソンの怪演も素晴らしい。特に終盤にかけての豹変ぶりは圧巻で、「お客様だよ!」の名台詞は一度聴いたら忘れられない。

『ぼくのエリ 200歳の少女』(10)

本作は、ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストによる2004年の小説『MORSE -モールス-』をトーマス・アルフレッドソン監督が映画化した作品。主人公の少年オスカー(カーレ・ヘーデブラント)は、気弱ないじめられっ子。彼はいつもマンションの中庭でひとりぼっちで遊んでいたが、ある晩にエリ(リーナ・レアンデション)という名の少女と出会い、友人になる。そんなある日、町で凄惨な殺人事件が起こる。森で発見された被害者は、木に吊るされて、体の血を抜かれていた。実はこの殺人、エリの父親が、エリのために行ったもの。そう、エリは現代に生きる吸血鬼で、人間の血を飲むことでしか生きられないのだった…。

誰もが一度は空想する「バンパイア」というモチーフに現代性を落とし込んだストーリーは然ることながら、映像が素晴らしい本作。劇中で象徴的に用いられる白と赤が織り成すコントラストは、ただ美しいだけではなく、「純粋」や「愛」といった物語のテーマを象徴するシンボリズムとしても機能している。ちなみに本作は、クロエ・グレース・モレッツ主演の映画『モールス』(10)のオリジナル作品でもある。ストーリーはほぼ同じ展開を辿るが、演出には違いがみられるので、見比べてみるのも面白いだろう。

『ブラック・スワン』(10)

名匠ダーレン・アロノフスキー監督×ナタリー・ポートマン主演の『ブラック・スワン』は、あるバレリーナの精神が崩壊していく様を描いた映画。主人公のニナ(ナタリー・ポートマン)は優秀なバレエダンサー。彼女はプリマ(主役)のべス(ウィノナ・ライダー)の引退によって、『白鳥の湖』の主演に抜擢される。しかし、リリー(ミラ・クニス)という強力なライバルの存在や、自身にのしかかる強大なプレッシャーによって、ニナは精神を病んでいき…。

長回しを用いたオープニングは勿論だが、劇中でポートマンが見せるバレエのシーンが実に繊細で美しい。本作の撮影に際して、ポートマンは約10キロの減量に加え、1年に渡るバレエの猛練習に励み、困難なパート以外は自身で踊ったという。バレエのみならず、幻覚や妄想によって神経衰弱していくニナになり切ったポートマンの演技は絶賛され、賞レースではオスカーを含む数々の女優賞を獲得した。ポートマンの名演と共に光るのが、アロノフスキー監督によるディレクションだ。白と黒の2色、そして鏡や窓といった小道具を象徴的に用いながら、幻覚や妄想によって精神崩壊していくニナの様子を巧みに表現。また、プリマから陥落したべスに、当時プライベートが荒れに荒れていたウィノナ・ライダーをキャスティングしているのも巧い。

(文:岸豊)

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