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クリス・ペプラーが選ぶ「現実と“もうひとつの世界”との境目を楽しむ映画」10本
日本のミュージックマスターとして知られ、ビッグセレブ来日会見のMCなども務めるクリス・ペプラーさんは、いちばん興味があるという、“二つの世界”を描いた映画をピックアップ!
※ピックアップ作品は、2012年末に発行された『シネマハンドブック2013』掲載のものとなります。ご了承ください。
クリス・ペプラーが選ぶ「現実と“もうひとつの世界”との境目を楽しむ映画」10本
『ジェイコブス・ラダー』―「ホラーの要素もあるが、物悲しく優しい気持ちに包まれる」
僕の人生TOP10に入る映画ですね。ベトナム戦争から帰ってきた男の奇妙な体験を通して、どれが現実でどれが偶像なのかが描かれ、そして人間の生と死について考えさせられます。ホラーの要素も入っているんですが、最後は、物悲しく優しい気持ちに包まれます。ストーリーが一辺倒じゃなく、何層にも味わえるところがよかったですね。別れというものに対して、恐怖と愛おしさという対極の感情もバランスよく描かれていました。ティム・ロビンスがいい味を出しているし、『ホーム・アローン』でブレイク前のマコーレー・カルキンも出ています。
『バタフライ・エフェクト』―「一瞬の出来事で運命が変わることってあると思う」
もしあのとき電話に出ていたら? とか一瞬の出来事で運命が変わることってあると思うんですよ。そんなむなしさをアシュトン・カッチャーが見事に演じています。それに、僕はパラレル・ユニバース論に興味があって。僕らは普通、希少価値から価値を見いだしますよね? でもこの理論は、世界にはいろいろな可能性があり、元を正せば紀元前から膨大な数の現実が存在しているということを示しています。ここまでくると、価値観が変わりますよね。別れた恋人と別次元ではいっしょになってるかも…とセンチメンタルな気分にさせてくれる映画です
『ドニー・ダーコ』―「人間が本能のごとく自由に生きた世代を描いた映画」
今やイケメン俳優となったジェイク・ギレンホールが最初に注目された作品。幻想的でファンタジックなんだけれども、シャープな空気感もあって大好きな映画ですね。現実だろうが現実でなかろうが、その人が現実だと信じたら、それがその人にとってのリアリティなんだ、脳内で起きていることは現実と変わらないんだというのが、こういったパラレルものを扱った映画の面白いところですよね。不条理な世界という意味では、デヴィッド・リンチに近いけど、リンチがハードなら、この映画は少し女の子向け。乙女チックなリンチですね(笑)
『ジョニーは戦場へ行った』―「夢と現実をカラーとモノクロで描きわけた手法が印象的」
リアルタイムに近い時期に観ましたが、あまりにも悲しすぎて衝撃を受けました。非常に話題になった作品です。反戦ものって、70年代初頭はたくさん作られていましたよね。主人公は、四肢や視聴覚を失い、軍病院に収容された米兵士で、外界とコミュニケーションがとれず、恐ろしい現実から抜け出したいと願っています。そんな彼の心境を表現するために、夢の世界は色鮮やかなカラー、そして現実はモノクロ映像で描きわけた手法も印象的でした。次のステップへ進むために、現実と偶像を行き来して自分を理解するというストーリーもよかったです
『トータル・リコール』―「ミステリーとしての旧作、クールな新作、どちらもオススメ」
アーノルド・シュワルツェネッガー版の方は、フィリップ・K・ディック独特の、“疑似の人格と本来の人格の狭間”の描写が見事に表現されていました。ヒントもたくさんちりばめられていて、謎解きとして楽しめるのもいいですね。それに、夢なのか、現実なのかというミステリー色も強くて、フィロソフィカル(哲学的)というか、含みがありました。その点、コリン・ファレル版の新作は、主人公が人格だけ移植されて活躍するというシンプルでストレートな作品になっていて、世界観もCGを駆使してクールでスタイリッシュ。どちらもオススメですよ
『スライディング・ドア』―「“もしも…”はよく考える。ちょっと女々しいけど(笑)」
この作品も『バタフライ~』と同じく、“もしも”ストーリー。電車に乗れた場合と乗れなかった場合、両方の運命を描いた、面白い語り口の映画です。『ラン・ローラ・ラン』も同じようなテーマでしたよね。この映画のように、僕も“もしも…”って考えますよ。ちょっと女々しいですけどね(笑)。次元を超越しても、情念や精神的な部分ではつながっているというようなパラレル論って、これからの時代、文学でも多く使われるんじゃないかな。不思議な設定の中にもどこか哀愁を感じさせてくれる、そんなパラレルものの醍醐味がつまった映画です
『最後の誘惑』―「キリストのアンビバレントな心情が見事に描かれている」
マーティン・スコセッシの中でも特に好きな作品ですね。当時、敬虔なキリスト教信者の間では物議を醸しました。というのも、キリストが悪魔の誘惑に負ける話ですからね。印象的だったのは、磔にされたキリストが、死ぬ間際に見る“もう一つの人生”。生身の人間になって、マグダラのマリアと結婚し、子どもをつくって幸せに死んでいく。その描かれ方がとてもかっこよかったし、神の予言者として、また、一人の人間としてのキリストのアンビバレント(相反する)な心情が見事に描かれていました。美術や衣装もとても印象に残っている映画です
『ミッション:8ミニッツ』―「SFとラブが同居した不思議な映画」
SFとラブが同居した不思議な映画ですよね。ジェイク・ギレンホール演じる主人公が、列車爆破事件を防ぐために装置の中に組み込まれ、仮想現実を経験しながら極秘ミッションを遂行していく話です。ラストはいろんな解釈があると思いますが、たとえ本当の現実でない世界に逃避したとしても、それが幸せなら、その人にとっての“現実”になるという、ハッピーエンドに終わっているところが僕は面白いと思いました
『プレステージ』―「“人格”や“人生”について考えさせてくれる」
マジシャン同士が対決するストーリーで、そのうち一人が開発した瞬間移動装置が、実は…。ネタばれになるので詳しくは言えませんが、“人格”や“人生”について訴えかける映画ですね。クリストファー・ノーランの作品は結構観ていますけど、ただのアクションやSFとして片付けず、一貫して観る側に何かを考えさせてくれるところが好きなんです。クリスチャン・ベールも好きな役者さんですね
『クローン』―「SF小説は未来性を含んだ預言小説だと思う」
主人公は自分を人間だと信じているけど、実は偽りの人格を植え付けられたクローンで…という話。原作はフィリップ・K・ディック。僕は12歳でアーサー・C・クラーク(『2001年宇宙の旅』)を読むなど昔からSF小説が好きなんです。どこからが人間でどこからが人間じゃないのか? に興味があるし、SF小説って文学として認められていないけど、預言小説のようにいちばん未来性を含んでいると思うんですよね
写真:Everett Collection/アフロ (C) MMIV ALL RIGHTS RESERVED (C) 2001 PANDORA INC.ALL RIGHT RESERVED (C) ALEXIA TRUST COMPANY LTD.(C) 2012 Columbia Pictures Industries,Inc. All Rights Reserved. (C) 1987 MIRAGE ENTERPRISES and INTERMEDIA FILM EQUITIES, LTD. ALL RIGHTS RESERVED. (C) 1988 Universal Studios and Cineplex Odeon Films Canada, Inc. All Rights Reserved. Source Code (C) 2011 Vendme International, LLC. All Rights Reserved. Artwork & Supplementary Materials (C) 2011 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. (C) Touchstone Pictures. All rights reserved. (C) 2001 - Dimension Films - All Rights Reserved.

クリス・ペプラー
1957年東京都生まれ。27年にわたりDJを務める「TOKIO HOT 100」(J-WAVE)などエンターテインメントを中心にTV番組、CM出演、ナレーション、俳優など幅広く活躍。
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