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新作映画『追憶の森』を観るべき3つの理由――東洋的な死生観がもたらす“癒し”の境地

(c)2015 Grand Experiment, LLC.
『追憶の森』ってどんな映画?
片道切符で来日し、富士山の北西に広がる“自殺の名所”青木ヶ原の樹海に、足を踏み入れたアメリカ人男性のアーサー・ブレナン。彼の目的は、この地を訪れる他の人間同様、自らの人生に幕を下ろすことだった。そんな彼の前に突然現れた日本人男性。「ここから出られない。助けてくれ」と訴えるタクミと名乗る男とともに、アーサーは樹海からの出口を探し始めるが…。タクミとは何者か? 自殺を決意していたアーサーが、タクミを見捨てない理由とは?
観るべき理由:1――オスカー俳優vs世界の渡辺謙 スリリングな演技合戦
青木ヶ原の樹海を舞台に、死を決意したアメリカ人と「生きることも、死ぬこともできない」日本人男性がさまよう姿を描く本作。先の見えない展開で、ほぼ“二人芝居”といえるスリリングな演技合戦を繰り広げるのが、『ダラス・バイヤーズクラブ』でアカデミー賞主演男優賞に輝いたマシュー・マコノヒー、そして日本が世界に誇る国際的スターであり、昨年、「王様と私」でトニー賞主演男優賞候補になった渡辺謙だ。
過酷な状況に加えて、樹海がもつ幻惑的なパワーに翻ろうされながら、生と死の狭間を行き来するアーサーとタクミ。それぞれに後悔や絶望、喪失感を抱える彼らの「心の旅路」が、日米を代表する名優によって、静かに、しかし説得力たっぷりにスクリーンに焼き付けられている。
観るべき理由:2――ハリウッドが熱い視線“ブラックリスト”とは?
常に新たなヒット作を生み出そうと、情報収集に明け暮れるハリウッドの関係者が熱い視線を送るのが“ブラックリスト”と呼ばれる業界の内部資料に掲載される脚本だ。ここで言うブラックリストは悪い意味ではなく、むしろ脚本家にとっては名誉なこと。スタジオや映画製作会社の重役たちが高く評価しながら「いまだ映画化に至っていない」脚本のことで、言いかえれば誰もが映画化を狙っている企画といえる。
脚本を手がけたのは、2010年に公開されたシチュエーションスリラー『[リミット]』のクリス・スパーリング。主演のマコノヒーが「ここ5年間で読んだ最高の脚本。美しい俳句が連なっているようだ。読んでいてゾクゾクした」と太鼓判を押す深遠な脚本が、観客に問いかけるものとは?
観るべき理由:3――東洋的な死生観がもたらす“癒し”の境地
監督は『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』『ミルク』などで知られ、アカデミー賞監督賞に2度ノミネートされたガス・ヴァン・サイト。その多種多様なフィルモグラフィーが示すように、本作『追憶の森』もときにミステリー、ときに夫婦の愛憎劇、ときに荘厳な叙事詩とシーンごとに表情を変えていくジャンルレスな作品に。まるで死を求めながら、生を諦めきれない主人公アーサーの“揺れる”心象風景を映し出すようで、観客の感性を大いに刺激する。
さらに予備知識なしに観ると「日本の小説が原作?」と思えるほど、東洋的な死生観が色濃く反映されており、多くの伏線を回収する驚きのエンディングには不思議な余韻と“癒し”の境地が見て取れる。夢見心地な、いい意味で“曖昧な”物語ゆえ、本国アメリカでは賛否両論だったようだが、日本人にはすんなりと受け入れられるはずだ。
(文・内田涼)
映画『追憶の森』
4月29日(金・祝)ロードショー
原題:The Sea of Trees
監督:ガス・ヴァン・サント『ミルク』『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
製作:ギル・ネッター『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
主演:マシュー・マコノヒー『ダラス・バイヤーズクラブ』『インターステラ―』、渡辺謙『インセプション』『硫黄島からの手紙』、ナオミ・ワッツ『ダイアナ』
2015年/アメリカ/110分
提供:パルコ ハピネット
配給:東宝東和
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