玉袋筋太郎（以下：玉さん）＆RHYMESTER宇多丸（以下：宇多さん）の映画好きコンビが贈る「水曜バラいろショー」。本日お届けするのは「家族映画」！ さすがに家族映画なら安心してみていられるのか…それとも!?

宇多：やっぱりね、家族ですよ。
玉：夏休みで、子どもたちも観ているから、今日はクリーンに行きたいね！

クリーン宣言を受けて紹介する映画とは…

TSUTAYAレンタル累計ランキング 「家族映画」TOP15

1.『となりのトトロ』
2.『サマーウォーズ』
3.『クレヨンしんちゃん　嵐を呼ぶモーレツ！オトナ帝国の逆襲』
4.『アイ・アム・サム』
5.『そして父になる』
6.『ゴッドファーザー』
7.『東京タワー　～オカンとボクと、時々、オトン～』
8.『リトル・ミス・サンシャイン』
9.『海街diary』
10.『クレイマー、クレイマー』
11.『ファミリー・ツリー』
12.『6才のボクが、大人になるまで。』
13.『アダムス・ファミリー』
14.『東京家族』
15.『？？？』

玉：トトロは怪物映画じゃないんだ？
宇多：『シン・トトロ』みたいなね。『クレしん』はそもそも家族の話だし…
玉：『ゴッドファーザー』は一応家族だよね。
宇多：是枝さんの作品も2つ（『そして父になる』『海街diary』）入ってますね。『クレイマー・クレイマー』は家族が崩壊してますけどね…。今回紹介したいのは15位に入っている作品、森田芳光監督の『家族ゲーム』でございます。

森田芳光監督の代表作

玉：『家族ゲーム』！
宇多：森田芳光監督…2011年に亡くなられてしまいましたけどね。見どころはこちらです。80年代の森田芳光映画を代表する…これで名監督になっていくんですが。ポイントはこちらです。

宇多：とにかく小声。
玉：小声だね。
宇多：囁くような小声で話す、このセリフ回しが特徴です。そしてもう一つは…

宇多：とにかく横並び！
玉：横並び！
宇多：食事するシーンとかね、有名なシーンありますけども。

（映像を見ながら）

宇多：1983年の日本映画。松田優作がね、家庭教師役で新境地を開きました。この年の賞レースを席巻したような作品で。
玉：確かにそうだよね。
宇多：受験生の子どもを持つ家に、松田優作が家庭教師としてやってくるんですが、この男が非情に不気味な雰囲気を持っていて。しかも小声で顔を寄せて…。横並びの食卓も非情に有名な場面で。
玉：磯野家じゃありえないからね。
宇多：クライマックスではこの食卓が大変なことになりますが。森田芳光独特の風景のカットがあったり、机が透明で下から絵を撮っていたり。非常に実験的な…自主制作映画出身なので8mmからいきなり劇場映画撮っちゃった人なので、手法が面白いんですね。女の子が観ても面白いと思います。

森田芳光、まだまだ行きます

宇多：あとですね、せっかくなので僕は森田芳光監督の大ファンなので。劇場映画デビュー作『の・ようなもの』。それまで8mmしか撮ったことのなかった…今で言えばiPhoneで撮ったものをYouTubeにアップしていたような人がいきなり劇場映画を撮っちゃう、みたいな？ そして2015年には彼の意思を継いで『の・ようなもの ようなもの』という続編も作られました。今日は『の・ようなもの』のタイトルが出るまでをお見せしますので
玉：お！
宇多：これにですね、彼がいかに変わった映画をとる人か、すべてが詰まっています。

これぞ、森田芳光を凝縮

（映像を見ながら）

宇多：（引きの絵のベンチで）主人公と関係ないカップルがどうでも良い会話をしていて。これも森田芳光節。「何言ってるの？」って。そこにやってきたのが若き落語家の志ん魚（しんとと）ちゃん、伊藤克信さんですね。セリフの棒読み感もね…。
玉：（伊藤さん）アル・パチーノに似てるよな。
宇多：（口論から揉み合う三人の場面に）こうね、いきなり銃声が入ったりとか遊びに満ちたSEが入ったりですね。何だ?? と思ったら（場面が変わって、カップルの挙式シーンで、タイトルロゴ）こういうね。この短い間に変わったの編集とか音の遊びとか、最初ベンチに割り込んできた志ん魚ちゃんがその結婚式の司会をしているとかね。
室井佑月：引き込まれるー。
宇多：「何だ？」って感じするでしょ？まあ、素晴らしい青春映画の傑作です。

『の・ようなもの』の35年後を描いたオリジナル・ストーリー

宇多：『の・ようなもの ようなもの』のオープニングはいま見ていただいたオープニングを完全に繰り返す形になっているんですね。

（映像を見ながら）

宇多：（引きの絵のベンチで）やっぱりこうね、カップルがいて、若き落語家を演じる松山ケンイチがベンチに座る。そして、（カップルと入れ替わる形で）さきほど観た志ん魚が出てくるんですね。
玉：出た！ 志ん魚ちゃんですよ。
宇多：伊藤克信の変わり果てた姿…（笑）これはまさに『スター・ウォーズ／フォースの覚醒』で「ルーク（・スカイウォーカー）がこんなに変わっちゃった！」という…そういう場面なんですね。こういうものが35年を経て作られたと。森田作品を語ると長いので、今日はこの辺にしておきます。家族映画とはちょっと離れてしまいましたが、是非観ていただきたいですね。

一方、芸能界担当の玉さんがプレゼンする「家族」とは？

「欽ちゃんファミリー」「小室ファミリー」と一世を風靡した家族（一族）を紹介しつつ、表（栄光）と裏（崩壊）を交えて笑いを取っていく玉さん。そして本題と言わんばかりに紳助ファミリーにまでズバッと切り込んでいくのであった（いつもよりイジリは優しいです）。

9月放送は「憎しみ合い映画」!?

玉：こんなジャンルがあったのか！「憎しみ合い映画」
室井：楽しい～。
宇多：タイムリー！ ヘイト、ヘイト、ヘイトでね（笑）。この番組はヘイト撒き散らしてますからね。どんな映画が出るんでしょうか。来月も楽しみにしていてくださいね。

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