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新作映画『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』を観るべき3つの理由――想像力を刺激する、幻想的な「動く絵本」

(C)Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm, Superprod, Norlum

(C)Cartoon Saloon, Melusine Productions, The Big Farm, Superprod, Norlum

『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』ってどんな映画?

アイルランドの小さな海辺の町。灯台の家に暮らす少年ベンは、事あるごとに妹のシアーシャにきつく当たってしまう。その理由は大好きだったお母さんが、赤ちゃんだったシアーシャを残して、海に消えてしまったから。実は二人のお母さんは、陸では人間に姿を変えるアザラシの妖精・セルキーだったのだ。そんなある日、シアーシャがフクロウの魔女・マカにさらわれてしまい、ベンは愛犬のクーと一緒に不思議な冒険へと旅立つことに…。

観るべき理由:1――2Dアニメならではの手触りが心に染み入る

海に囲まれたアイルランドに古くから伝わる“セルキー神話”を題材にした本作。ハリウッドが放つ派手で緻密な3Dアニメーションが台頭する現在、2Dアニメーションならではの素朴なタッチや澄んだ透明感が心に染み入る、この夏随一の傑作アニメだ。

あえて説明的な描写は抑え気味。だからこそ想像力を刺激し、自分なりに余白や行間を紡ぎながら、観終わる頃には、人それぞれのタペストリーが完成している…。そんな映像体験を味わえる。主人公の兄妹コンビをはじめ、二人を冒険に導く妖精や精霊、伝説の巨人や魔女、そして愛犬クーのノスタルジックな愛らしさも大きな魅力。幻想的な「動く絵本」と呼ぶにふさわしい本作の1ページ目を、映画館でめくってほしい。

観るべき理由:2――目指したのは『となりのトトロ』? 俊英トム・ムーア監督

監督を務めるのは、北アイルランド出身のトム・ムーア。大学でアニメを学び、1999年に盟友とともにアニメーションスタジオ兼制作会社カートゥーン・サルーンを設立した。初の長編アニメとなる『ブレンダンとケルズの秘密』(2009)は第82回アカデミー賞の長編アニメ映画賞候補になった。

本作についてムーア監督は「小さな観客にフォーカスしようと思いました。彼らが楽しむことができ、成長に合わせて繰り返し見ることができる『ジャングル・ブック』や『となりのトトロ』のような作品を目指した」のだとか。その言葉通り、作品の風合いに加えて、民間伝承を下敷きにした語り口は宮崎駿監督への敬意が垣間見える。各国のアニメ賞を席巻した本作は、第87回アカデミー賞で再び長編アニメ映画賞にノミネートされる快挙も成し遂げた。

観るべき理由:3――勇気あふれる冒険に、厚みを与えるケルト音楽

『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』というタイトルが示す通り、歌と音楽が重要な要素となっているのも本作の大きな特徴だ。サウンドトラックを手がけるのは、フランス映画界を代表する人気作曲家のブリュノ・クレと、アイルランド古来のケルト音楽を持ち味に活動するグループKila(キーラ)。現代と伝統がミックスされた音楽世界が、勇気あふれる冒険ストーリーに、説得力と共感あふれる厚みを与える。

また、日本版テーマソングの作詞・歌を、今年結成20周年を迎えた音楽ユニット・EGO WRAPPIN'が担当。ボーカルの中納良恵がアザラシの妖精・セルキーで、兄妹の母親ブロナーの日本語吹替え版キャストを務めている。

(文・内田涼)


映画『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』(第87回アカデミー賞長編アニメ映画賞ノミネート作品)
8月20日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー

監督:トム・ムーア
音楽:ブリュノ・クレ、KiLA(キーラ)
メインテーマ:リサ・ハニガン

吹替版キャスト:本上まなみ(ベン)、リリー・フランキー(コナー)、中納良恵(ブロナー)
日本版テーマソング作詞・歌:中納良恵(EGO-WRAPPIN')

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アーティスト情報

本上まなみ

生年月日1975年5月1日(45歳)
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出生地山形県鶴岡市

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リリー・フランキー

生年月日1963年11月4日(56歳)
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出生地福岡県北九州市小倉

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