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新作映画『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』を観るべき3つの理由――音楽の国際交流が生む、新たな躍動と感動

(C)2015, Silk Road Project Inc., All Rights Reserved

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『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』ってどんな映画?

世界的チェロ奏者であるヨーヨー・マが「音の文化遺産」を世界に発信するため、2000年に立ち上げた国際プロジェクト「シルクロード・アンサンブル」。その名の通り、ケマンチェ、中国琵琶(ピパ)、尺八、バグパイプといった東西の伝統楽器の名プレイヤーたちが、国境を超えて一堂に会し、普遍的なハーモニーを奏でる。16年間にわたるプロジェクトは聴衆を魅了すると同時に、演奏者がアイデンティティーを確立する“旅路”でもあった。

観るべき理由:1――「音楽は国際的言語」交流と融合が生み出す、新たな躍動

ヨーヨー・マの発案によって、世界各地のミュージシャンが集結し、ジャンルを超えたコラボレーションを展開する「シルクロード・アンサンブル」の歩みを追った音楽ドキュメンタリー。知らない者同士が、音楽という国際的な共通言語を通して交流と融合を重ね、新たな躍動を生み出す様子が迫力のパフォーマンス、そして色鮮やかなロケーション映像によって、描き出されている。

その新鮮な驚きと感動は、「普段はJ-POPしか聴かないんだけど…」という人にこそ知ってほしい、音楽の玉手箱。さらに「音楽を続ける意義は?」と自問自答するミュージシャンたちの姿を通して、リスナーの立場から「なぜ音楽を聴くのか?」と自分に問いただすことで、自分と音楽の関係性を見つめ直すきっかけにもなる作品だ。

観るべき理由:2――ヨーヨー・マ、偉大なチェリストの素顔は?

現代最高のチェリストと称されるヨーヨー・マは1955年、中国人の両親のもと、パリで生まれ、その後家族でニューヨークに渡った。4歳からチェロを始め、9歳でジュリアード音楽院に進学し、76年にハーバード大学を卒業した。映画の中には、幼少期の演奏シーンを収めた貴重なモノクロ映像も登場し、その神童ぶりを知ることができる。これまでに90枚以上のアルバムをリリースし、うち18枚がグラミー賞を受賞。オバマ大統領の招待で、第56回アメリカ大統領就任式でも演奏している。

そんな彼が成功に甘んじることなく、「シルクロード・アンサンブル」を立ち上げた理由とは? 映画音楽界の巨匠ジョン・ウィリアムズ(『スター・ウォーズ』シリーズ)や人気ジャズ歌手のボビー・マクファーリン、さらにヨーヨー・マの実の息子らが、彼の本質と素顔を語るシーンも興味深い。

観るべき理由:3――トランプ政権の移民政策で、文化的な損失も

本作に登場する参加ミュージシャンの多くは、失われつつある伝統音楽への危機感を抱き、ただ伝統を守るだけではなく、新たな世代にいかに継承するかを模索している。その過程で、故郷に思いをはせ、自らのアイデンティティーを追求する姿が印象的だ。一方で、紛争が続くシリア出身のクラリネット奏者は、「音楽では到底表現できない感情に襲われた。音楽が全く書けなくなってしまった」と無力感をにじませ、故郷イランを離れて活動するケマンチェ奏者は、戦争によって家族と親友を失った過去を静かに語る。その言葉の重み、そして「それでも音楽を後世に残す」という強い意志が、彼らの存在意義となり、「シルクロード・アンサンブル」の理想とシンクロする瞬間こそが、この映画に胸打たれる大きな理由だ。

トランプ米政権が難民やイスラム教徒の多い中東、アフリカ7カ国からの市民入国禁止を推し進めれば、該当する地域のミュージシャンがアメリカで音楽を学び、演奏する機会にも大きな影響ができるのは明らか。経済に限らず、文化的な損失が生じる懸念も本作から(図らずも)受け取れる。

(文:内田涼)


『ヨーヨー・マと旅するシルクロード』
2017年3月4日(土) Bunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座他、全国ロードショー

監督:モーガン・ネヴィル『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』
出演:ヨーヨー・マ、ジョン・ウィリアムズ、タン・ドゥン、ケイハン・カルホール、梅崎康二郎
配給:コムストック・グループ

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アーティスト情報

ヨーヨー・マ

生年月日1955年10月7日(65歳)
星座てんびん座
出生地仏パリ

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