本企画は、TSUTAYAプレミアムを利用して1日1本映画を鑑賞し、その記録を予想と感想を交えてお伝えしていくものである。

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2020年10月8日の鑑賞タイトル『新感染 ファイナル・エクスプレス』

鑑賞前の期待値「めくるめくハラハラ感」

本日は、今週公開される日本でも話題を集めた韓国のベストセラー小説が原作の映画『82年生まれ、キム・ジヨン』で、チョン・ユミとコン・ユが3度目の共演にして初の夫婦役を演じていることから、こちらをチョイス。

そんな2人の共演作の一つでもある今作は、高速鉄道の中で発生した人間を凶暴化させる謎のウイルスにより巻き起こる騒動を描いたサバイバルアクション。韓国アニメ界で名を知られるヨン・サンホ初の実写長編監督作は、当時カンヌ国際映画祭などで反響を呼んだ。

ウイルスが原因となっているが、いわゆる“ゾンビもの”の一種。めくるめくハラハラ感とパニックぶりに期待したい。

鑑賞後の感想「テンポ良い展開＆逃げ場のないシチュエーションがマッチしていた」

誕生に母親に会いたいと言い出した、ひとり娘のスアン（キム・スアン）を、別居中の妻が暮らす釜山（プサン）まで送り届けることになったソグ（コン・ユ）。ソウル駅で特急列車KTX101号に乗車すると、発車寸前に一人の女性が飛び込んでくる。彼女は人間を凶暴化させるウイルスに感染していて、乗務員にかみついたことを機に、ウイルスが乗客たちに次々と感染していく…。

ゾンビ映画で何が怖いかというと、ゾンビにじりじりと追い詰められていくのはもちろんだが、なによりもそのシチュエーション。いかに人間が不利になるかが決め手の一つ言えるが、その点、本作は長距離列車でしかも特急という、まさに逃げ場がない。これだけでも絶望感あふれ、観ている側としてはワクワクしてしまう。

そして意外に盛り上げてくれたのがゾンビは暗闇では目が見えないという設定。というのも舞台となる特急の路線にトンネルが多く、さまざまな角度からスリリングに演出してくれるのだ。

時に機転を利かせ、時に根性によって危機に立ち向かっていく主人公らが、大切な人を守るために感染者の群れに飛び込むシーンはグッとくる。ただ輪をかけて怖いのが、やはり人間。ゾンビから逃れるべく他人を犠牲にしようとする姿は、想像以上にゾッとしてしまう。

“ゾンビものあるある”に縛られておらず、また多くの登場人物のキャラクターが際立っている結果、最終的な生還者が誰になるのか…といった部分が楽しめるも悪くなかった。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』で一番グッときたポイントは「描写」

ゾンビ映画では襲撃シーンがキツいという人も多いと思うが、今作はかみつかれることで感染。血しぶきは控えめだし内臓が飛び散ることもない。それでいて痛さが伝わる表現がされていて感心した。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』について

【製作年】2016年
【監督】ヨン・サンホ
【出演者】コン・ユ、チョン・ユミ、マ・ドンソク、キム・スアン ほか
【あらすじ】家族を顧みず、妻との関係が破綻した証券会社のファンドマネージャーのソグ。彼は、娘のスアンを妻が暮らすプサンへと送り届けることになり、夜明け前のソウル駅へ。2人が乗り込んだ特急列車KTX101号には、出産間近のソンギョンとその夫のサンファや、試合会場へと向かう高校生の野球部員などが乗り合わせていた。すると発車直前、挙動不審な女性がKTX101号に駆け込んできた！やがて女性は、発作を起こして激しくのたうち回り…。
【Filmarks★評価】3.9（5点満点中）