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「曜日ごとに異なる7つの人格」という要素をどう捉えて観ていくかで印象が変化する『水曜日が消えた』

水曜日が消えた

(C)『水曜日が消えた』製作委員会

キャッチーでミステリアスなタイトル。想像とは違うテイストながら、ある意味“新感覚”

「水曜日」と聞くと、今や俳優として引く手あまたの大泉洋の“出世作”である「水曜どうでしょう」や、TBS系で放送中のバラエティー番組「水曜日のダウンタウン」などをパッと思い浮かべてしまうが、先頃3人組ユニット「水曜日のカンパネラ」の主演・歌唱担当であるのコムアイが脱退し、2代目主演・歌唱担当として詩羽(うたは)の加入が発表された。

そんなこんなで“水曜日”というワードに引っ張られて観たくなったのが、中村倫也が主演を務めた映画『水曜日が消えた』(吉野耕平監督)。タイトルが実にキャッチーなのだが、幼い頃の交通事故の影響により性格も個性も異なる7つの人格を持つ「僕」が主人公というのも、思いっきり視聴意欲を刺激してくれる。

設定だけを聞くと“多重人格”を扱った系の作品と思いがちだが、注目してほしいのは「人格が曜日ごとに入れ替わる」ということ。見始めると、主人公が常に火曜日に目覚める人格であることがわかる。そして、彼の行動やセリフを通して各曜日の性格や人間関係も異なることが自然に伝わってくるのは、脚本もさることながら中村倫也の演技力のたまものと言えるだろう。

そして火曜日中心に物語が進む中、ある日彼は水曜日に起床する……といったところから、次第にストーリーが動き出す。なぜ火曜日が水曜日に目覚めたのか。そして水曜日はどこへ行ってしまったのか。そしてさらに……と、ミステリー的な観方も楽しめる。描写はそれほど多くはないが、各曜日を演じ分ける中村倫也の芸達者ぶりを堪能するのも悪くない。

途中からは火曜日と、深川麻衣演じる瑞野とのラブロマンス要素も盛り込まれてくるのだが、恋愛が発展していく障害となっているのが曜日というのは実に興味深い。今作では人格が異なることが原因だが、例えば働く環境の違いで同じ曜日に休暇を取れないという実に現実的な要素にも落とし込むことも。そう考えるといろいろ考えさせられる部分もあって面白い。

そして、曜日ごとに人格が異なるという点についても、自分(映画では火曜日)視点で見ることで相手が誰であろうとそこには“わからない部分”が少なからずあり、現実で自分と他人の相違や距離感などの要素に通じる部分もあるので。そんなことをふと思わされる。それでいて不穏さはなく、繊細さや優しさあふれる描き方が、とても心地いい。サスペンス要素は薄味だが、例えば「雨の月曜日はちょっと……」のように、とても他人事とは思えなくなるような感じが、実に興味深かった。


水曜日が消えた

製作年:2020年

水曜日が消えた

監督:吉野耕平
出演者:中村倫也、石橋菜津美、中島歩、休日課長、深川麻衣 ほか

【フリーライター】遠藤政樹

【フリーライター】遠藤政樹

映画やドラマ、アニメにマンガ、ゲーム、音楽などエンタメを中心にインタビューやスチール撮影ありのイベント取材、コラム、レビューを執筆。IT系や企業案件もこなせるフリーの編集・ライター。お仕事も随時、募集中。

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