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祖父の家で過ごす姉弟のひと夏の物語に感涙。夏の終わりに観たい韓国映画『夏時間』【マニアックでもケンチャナヨ?】

夏時間

(C)2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED

子供のころ過ごした“ひと夏のあの頃”を覚えていますか?
そう質問されたとき、あなたはどんな風景を思い出すでしょうか。

今回ご紹介するのは、祖父の家で過ごす家族のひと夏の時間を描いた韓国映画『夏時間』です。きっとこの映画を観たら、単調に思えた子どもの頃の夏休みの日々が、鮮やかに変わって見えるかもしれません。

『夏時間』ストーリー

夏時間

(C)2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED

第24回釜山国際映画祭で4部門を受賞した、韓国期待の新鋭ユン・ダンビ監督による長編デビュー作。ある事情で祖父の家に引っ越した一家のひと夏の日々を、揺れ動く思春期の少女の視点から繊細に綴る。

10代の少女オクジュは、父と弟ドンジュと祖父の大きな家に居候することに。母親は家を出てしまい、父が事業に失敗したためだった。ドンジュがすぐに新しい環境に馴染むのとは対照的に、オクジュはなかなか慣れることができない。するとそこへ、離婚寸前の叔母まで転がり込んでくる。ひとつ屋根の下で3世代が暮らすことは、オクジュにとって、自分と家族との在り方を初めて意識するひと夏の始まりだった。

夏時間

(C)2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED

主演は本作が長編デビューとなるチェ・ジョンウン。ひと夏のリアルな家族の風景が描かれています。
本作のストーリーの起承転結は、面白さを出すために作られた抑揚のある出来事ではなく、生きている上で誰もが経験する日々の出来事が、起承転結になって流れて行きます。

オクジュとドンジュ姉弟、父と叔母の兄妹の夏の夜

夏時間

(C)2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED

離れて暮らす祖父の家に久しぶりに会いにいったとき、子どもながらにどこかちょっと距離感を感じて何を話したらいいかわからなくて戸惑ったり、家族だけど自分の家ではない「おじいちゃんの家」という場所は子どもにとっては不思議なもう一つの家のような存在だったような気がします。

姉・オクジュも同様に、自分の家とは違う空間に居心地の悪さも感じたり、蚊帳を吊すことで自分の領域を確保したりする一方、弟・ドンジュはとても無邪気ですぐに慣れていく姿にオクジュは苛立ちを感じます。多感な時期に入り、とあることで弟と大喧嘩しても「ごめんね」とラーメンを作ってあげて仲直りする姿は子どもの頃の素直さが伝わってきます。

夏時間

(C)2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED

一方で、父と叔母も兄妹仲良く生活していくも、祖父が病気になり介護が必要になったり、家の権利問題など、少しギスギスするところも出てきます。子どもたちはすぐ仲直りするのに対し、父と叔母は本音を隠し遠回しに伝えてギスギスする場面を見ると、子どもから大人になると関係性が変わってしまうのかと気づかされます。

映画タイトルの原題は『きょうだいの夏の夜』。実はどちらの「きょうだい」も指しているのかも? と深読みしてしまいました。

少女オクジュの心情の動きに感涙

夏時間

(C)2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED

弟のように素直に感情を表すことができない年頃でもあり、大人にもなりきれないオクジュ。母がいなくなり姉としてしっかりしなくてはいけなくなり、自分だけが我慢して何もかもうまくいってないようにも思える難しい心情を抱える日々。

母親に会いにいくと言う弟に対し、裏切った母親に会いには絶対に行かないように注意するオクジュ。でもドンジュは母親に会いにいき、会いにいったことを知ったオクジュは激怒します。でもオクジュは、本当は母親に会いたいのです。終盤に祖父の葬式に母親が現れた時に弟は素直に抱きついたのに対し、抱きつきたい感情を抑えて抱きつきにいけない(オクジュの夢でしたが…)、オクジュの繊細な心の機微が伝わるオクジュの表情が見事です。もしオクジュの心情に共感できたならラストは涙なしでは見られません。

夏時間

(C)2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED

『夏時間』は、ひと夏の間に起こる、家族の日常が散りばめられています。映画を介して、自分の子どもの頃に過ごした“ひと夏のあの頃“を思い出させてくれます。
その記憶の意味をもう一度、夏の終わりにぜひ振り返ってみてはいかがでしょうか?

夏の終わりに観たい韓国映画『夏時間』

夏時間

(C)2019 ONU FILM, ALL RIGHTS RESERVED

夏時間

製作年:2019年
出演者:チェ・ジョンウン、ヤン・フンジュ、パク・スンジュン、パク・ヒョニョン、キム・サンドン

CHITOSE/ちとせ

【Editor】CHITOSE/ちとせ

執筆記事
【マニアックでもケンチャナヨ?】記事一覧

CHITOSE/ちとせ。韓国語を学びに韓国の語学堂に留学し、韓国の伝統建物「韓屋」のシェアハウスで2年生活した経験を持つ。少しだけマニアックな内容を主にお届けします。

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