『ハロウィン』

恐怖が、忍び寄る。

＜あらすじ＞
ジャーナリストのデイナとアーロンは、40年前のハロウィンに起きた凄惨な殺害事件の真相を追っていた。
殺人鬼の名前はマイケル・マイヤーズ。彼は40年間、一言も話すことなく動機や感情は一切不明。あまりの恐怖に人々は彼を“ブギーマン”と名付けた。事件の被害者で唯一の生き残りローリー・ストロードにインタビューするも収穫はなかった。しかし、ローリーは再びマイケルが目の前に現れることを恐れ、いつ起きるか分からない非常事態に一人備えていたのだ。その予感は最悪の形で現実となる。ハロウィン前夜、精神病棟から患者を輸送する車が横転し、マイケルが脱走してしまう。娘のカレンはローリーの言うことを信じず、孫娘アリソンもパーティに出かけてしまっている。
ローリーは再び街に解き放たれた“ブギーマン”と対峙することを決意。恐怖に満ちたハロウィンの夜が始まる―。

ハロウィンの季節にオススメ「ハロウィン」

今年もハロウィンの季節がやってきました。この時期はホラーが苦手な方も、ハロウィンならではの作品ならチャレンジしやすいのではないでしょうか！ そこで今回はその名も『ハロウィン』をご紹介いたします。

2018年に公開された本作は、1978年に公開された元祖『ハロウィン』の40年後という設定のものです。いろいろ派生した作品は多くありますが、純粋なシリーズの続編、2作目のものです。
1作目では10月31日のハロウィンの日に殺人事件を起こしたマイケルが、ずっと精神病院にこもっていたはずが突然逃げ出し、自身の妹ローリーの前に現れる…というものでした。
その後、敢えなく捕まり再び精神病棟に入れられていたマイケルですが、2作目では奇しくも同じハロウィンの時期に刑務所への搬送中に脱走。40年前に襲われたローリーはマイケルが逃げ出したと聞き、もう歳をとりおばあちゃんになっていましたが娘と孫を守るために闘うことを決意します。しかし、40年も前の事件を覚えている人はおらず家族や周りの人に注意を促しても「何を言っているの？」と周りからは変人扱いされて誰も取り合ってくれません。
ローリーの孫であるアリソンはそんなことも知らずハロウィンパーティーへ出かけるのでした（アリソンのお友達が歩きながらタピオカドリンクを飲んでいて今どきっぽい作品だな～と感じてしまいました…片手にコーヒーではなくタピオカの時代ですね）。

この作品といえばスプラッタージャンルの代表と呼ばれているだけあって、マイケルの犯行シーンは工夫が凝らされていてとても良かったです。
特に好きなシーンは家の中で「戸締りに気をつけてね〜」と電話で会話する女性の横からマイケルの影が忍び寄り、裏手から入り込んだ後、戸締りをする後ろから襲うというものです。ほんの20秒ほどのシーンで、カメラは固定されていて視点は動かず、ただマイケルと女性だけが動いているシンプルな構図。定点だからこその動きとテンポが流石でした。
スプラッターと言いながらも直接的に血がドバーッとなる表現は少なく、マイケルがサクサクと無感情に行動をしている様子がこの作品の特徴ではないでしょうか。

恐怖心を煽るのは見た目よりも音？

Dead by Daylight（通称DBD）というゲームをやっている方には印象的な『ハロウィン』の主人公マイケル。白いゴム製のマスクと黒いつなぎ姿でナイフやトンカチ片手にふらりと現れる姿は不気味そのものです。
しかしその見た目よりも恐怖を感じるのは、マイケルが犯行を行う際に流れる「HALLOWEEN THEME」というテーマソングではないでしょうか。この曲は、本シリーズの創造主であるジョン・カーペンター氏が作曲したもので、2作目である今回も登場します。シンプルなこのテーマソングはジャズのようでありながら、ゾワゾワと恐怖が襲ってくる不思議な旋律です。
（ゲームの時にもこの曲が聞こえてくると「マイケルに見られている！」と恐怖心を煽られます…遠くから見つめるのやめてくれ…）

2作目でもこの曲はシーンを盛り上げてくれています。特にラスト10分を切っても展開が読めないほど終盤は闘いが白熱していて、その始まりにはいつもこのゾワゾワがありました。今回は妹のローリーだけではなく、その娘と孫も一緒になって親子3世代で闘っているので、女性が活躍するホラーがお好きな方にもオススメできます。
こうした奮闘も虚しく、なんと2021年10月29日に『ハロウィン KILLS』が公開されるではありませんか！ ということはまたマイケルが襲ってくるのか…？ 定番のあのテーマソングが帰ってきてしまうのか…？ なかなかレンタルにもないと噂の1作目から、もうすぐ公開の最新作まで一気に鑑賞するのはいかがでしょうか。今年のハロウィンはマイケルのテーマソングをかけて雰囲気に浸りましょう！ハッピーハロウィン！

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