オードリー・ヘプバーン主演、60年近く経っても変わらないレトロかわいいサスペンス! 最後の1分まで騙されること間違いなし…映画『シャレード』

(C)1963 Universal Pictures, Inc. & Stanley Donen Films, Inc. All Rights Reserved.

│シャレード

<あらすじ>
『雨に唄えば』のスタンリー・ドーネン、オードリー・ヘプバーン主演のサスペンスコメディ。夫と離婚しようとパリに戻ったレジーナは夫が殺されたことを知る。そして葬儀に来ていた3人の男から付きまとわれるようになり……。

│おしゃれサスペンスといえばこれ!

みんな大好きオードリー・ヘプバーン主演の『シャレード』は1963年製作された、なんと60年近く前の作品! 変わることのないその魅力を今回はお伝えしていきます。
ジャンルを見てみると「サスペンス」と「恋愛」と書かれていることが多いのですが、まさしくそのどちらもいいとこ取りというようなストーリーとなっています。

始まりはとある列車。猛スピードで走る列車から死体が投げられるシーンからスタートします。「なんだ事件か??」と思っているとシーンは雪山へ移動し、テラス席でご飯を食べるオードリー・ヘプバーン演じるレジーナが映ります。何やらやけ食いをしている様子のレジーナは「夫のことをもう愛していないから離婚しよう…」と悩んでいるのでした。
決意を固めて家に帰ると、なんと待っていたのは夫の死を伝える警察官! 冒頭のシーンで列車から投げられていたのはレジーナの夫だったのでした。

警察から「何か知ってるか?」と聞かれるも、疎遠だったレジーナは最近の夫のことなんてちっとも分かりません。乗っていた列車は縁もゆかりもないベネズエラ行きだったり、国籍を偽造した複数のパスポートを持っていたり、殺されて初めて生まれる夫の謎。なぜ殺されてしまったのか…理由も分からぬままレジーナは事件について問いただされますが「知りません」としか答えられず。警察からは「もしかしたらあなたも狙われるかもしれないから気をつけて」と言われるも、案の定悪い男たちに絡まれ危険な目にあってしまいます。

この作品のサスペンス要素として面白いのが、裏の裏まで見せてくれる、というところです。
えっこの人嘘ついていたの! とか、あれっこの人怪しい…! みたいな分かりやすい疑惑を散りばめつつ、ある程度は序盤で教えてくれるので、登場人物は多いですがかなりシンプルに理解することができます。ところが後半に向かうにつれて、あれあれ…?? となっていき、あなたも最後の2分まで騙されてしまうでしょう。

│他ジャンルの精鋭たちがつくりだすおしゃれさは限界値レベル

60年経った今でも色褪せない「おしゃれさ」はどのように作られているのでしょうか?

まずは目を引くオープニングムービーから。イラストを交えたキャストやスタッフ紹介がとても凝っています。実はこのムービーはかの有名な『007(ダブルオーセブン)』シリーズのオープニングムービーを作ったモーリス・ビンダー氏のもの。『007』のテーマ曲と一緒に流れる銃口視点のムービーはご存知の方が多いはずです。それを知ってみると音楽に合わせた奇抜なイラストは納得の傑作です。

続いて、主演のレジーナが着ている数々のお洋服たち。全体を通してコートやワンピースなど一枚でシンプルなスタイルに帽子やパールのピアスを合わせるという統一された服装だったのですが、この衣装協力は現在でも人気が衰えないジバンシィとのこと。
オードリーヘップバーンとジバンシィといえば、この黄金コンビをご存じでしょうか。『麗しのサブリナ』の撮影時に意気投合したオードリーヘップバーンとジバンシィは、その後も『ティファニーで朝食を』や『おしゃれ泥棒』など数々の作品で衣裳協力というかたちで共演を繰り返しているのでした。ちなみに映画の中だけではなく、オードリーは自身の結婚式でジバンシィがデザインしたドレスを着たりと公私共に仲良しだったようです。
そんな黄金コンビが今作でも組んでおり、その着こなしは見事なものです。流行り廃りの激しいファッションですが60年近く経っているにも関わらず、変わらずに真似をしたい着こなしとして挙がっています。

最後に映画に欠かすことができないものといえば、音楽ですよね。今作で特徴的なのは昔の映画にはあるある? なのかもしれないですが、アクションや展開に合わせて音楽を使う方法です。
屋上で男同士が取っ組み合いをするシーンでは、一方が屋上から落ちそうになったり、もう一方が殴ったりという動作に合わせて音楽が流れておりユニークです。どこかディズニーっぽいなと感じていたのですが、たしか『バンビ』でそんなシーンがありました。森の中で逃げるバンビを音楽だけで表現していて、セリフもないのにすごくハラハラした思い出があります。こうした音楽での演出も、この作品のおしゃれさを引き出しているのではないでしょうか。

題名である「シャレード」とは、身振り手振りで言葉あてをする謎解きゲームのことだそうです。始まりの謎から最後の答え合わせまで、約2時間があっという間に過ぎ去る面白さですのでぜひ我こそは謎解きしてやる! という方にオススメです!


シャレード

製作年:1963年
監督:スタンリー・ドーネン
出演者:オードリー・ヘプバーン、ケイリー・グラント、ウォルター・マッソー ほか

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【Editor】septmersfilms

三度の飯よりホラー好き。ホラーがないと夏が始まらないと思っている。たまにおしゃれ映画・アニメーションも嗜むが、基本的にゾンビ映画をみることで心を癒している。Twitterでは映画以外にも本業のマーケティング関連記事もつぶやきます! ぜひチェックしてください!

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