- TSUTAYAトップ
- TSUTAYA News
- 音楽
- 西野カナ 10年間の感謝と“LOVE”を込めてーー日常の幸せを、色鮮やかな曲とともにシェアしたくなる『LOVE it』【インタビュー】
西野カナ 10年間の感謝と“LOVE”を込めてーー日常の幸せを、色鮮やかな曲とともにシェアしたくなる『LOVE it』【インタビュー】

朝、起きたときに思い浮かべる人。なんでも言い合える大好きな友だち。ふと感じる優しい季節の香りに、いつも見上げる空の色――。そこには、心をホッと落ち着かせてくれる“LOVE”があふれ、それがあるからこそ、毎日がカラフルに彩られる。西野カナがデビュー10年目にリリースするアルバム『LOVE it』は、それらの心が動く一瞬、一瞬を曲に閉じ込めたかのような、彩り豊かな1枚に仕上がっている。
「この10年間、ずっと“LOVE”をテーマに歌い続けて来ました。もちろん、10年経ったことでの心境の変化はありましたが、10年前の曲を聴いていても、書きたいこと、歌いたいこと、そして、伝えたいメッセージの芯である“LOVE”は変わっていないんです。本作のタイトルに入る“it”は、“I Love it”の大好きという意味や、“it GIRL”など、“いまを表現している人”などにも取れる万能なもの。いま、私が“LOVE”なものを、様々な角度から詰め込みました。これは、心がきらめく瞬間をアップする SNSに、すごく似ていると思ったんですよね。それらの曲に、みなさんが“いいね!”をしてくれるのなら、すごく嬉しいです。とはいえ、聴き方は自由。だからこそ、聴く人たちが、曲を聴いてイメージした“LOVE”な“it”を思い浮かべながら聴いてもらえたらと思います」
なかでも“LOVE”を感じるのが、シングルとしてもリリースされた「手をつなぐ理由」だ。
「デビューから10年目という節目にリリースするアルバムだからこそ、“愛情”をシンプルに伝えられる楽曲を入れたいと思ったんです。そんな想いのもと、この曲は恋愛や友情はもちろん、無償の愛や、大切な人との絆などを感じられるものにしようと思いながら作りました。実はこの曲は、今まで応援してくれたみなさんへの気持ちと、音楽への感謝、愛する気持ちを含めて描いているんです。あえて具体的な言葉選びにしなかったのは、聴く人によっていろんな意味を感じ取ってもらいたかったからこそ。聴いてくれた人が、それぞれの大切な人を思い出してもらえたら嬉しいです」
前作の「Just LOVE」がオーガニックなサウンドが中心だったのに対して、本作「LOVE it」ではTOKYO・NY・Paris・LONDONなどCITY<街>をイメージしたというサウンドが多く含まれている。そこに乗る彼女が手がけた歌詞の世界は、今まで通り、自然体かつ可愛らしい愛らしさであふれている。
「本作は、より制作にこだわって、様々な曲を作り上げていきました。サウンド的には、今流行っている音はもちろん、ドラムンベースを取り入れてみたり、ミュージカル調のジャズにチャレンジしたりと、新たなチャレンジをした曲が多いんです。歌詞の面でも、今まで以上に遊び心あふれる曲が増えた気がします。猫をイメージした『MEOW』では、猫を飼っている人だけでなく、“ツンデレ”の彼女や友だちがいる人には共感してもらえると思う歌詞になりました。さらに、『スマホ』という曲も、今だからこそ書けた曲だと思うんですよね。“スマホは本当に便利でなんでもできるけど、とりあえず一度スマホを置いて、みんなで遊ぼう”というメッセージを込めたんです。…これは、自分に対して言い聞かせていることでもあるんですけどね(笑)」
さらに、本作で注目してもらいたいのが、彼女の原点回帰とも言える「One More Time」だ。
「この歌詞は、デビュー当時に多く歌っていた失恋ソングをイメージしつつ、『トリセツ』などの“具体性”のある歌詞を若干混ぜて書き上げました。でも、その“具体性”はあくまでもエッセンス。メロディに合う言葉を、余白を残しながら歌詞にしていきました。実は自分でこの曲を歌っていても、懐かしい感じがしたんです。東京ドーム公演の最終日に、初めてみなさんの前で歌わせてもらったんですが、すぐにみなさんに馴染んでもらえた気がして、すごく嬉しかったですね」
アルバムの終盤には、これまで彼女が歌い続けてきた“LOVE”というタイトルがついた曲が収録される。しかし、それはこれまでの“集大成”ではなく、自然に生まれてきた言葉なんだとか。
「サウンドを聴いた瞬間の純粋なインスピレーションを大事にして曲名をつけたら、なによりもシンプルな“LOVE”がピッタリとハマったんです。歌詞にも、恋をすると、世界がパッと明るくなる瞬間を描いたので、恋愛のキラッとした瞬間をこの曲から感じてもらえたら嬉しいですね。…確かに、このタイミングで『LOVE』というタイトルを付けたら意味深ですよね。そのことに今気付きました(笑)」
そんな風にくしゃりと笑い、話す姿はとても愛らしい。そんな彼女が選ぶ言葉は、とても素直だ。だからこそ、一直線に聴き手に届くのだろう。
さらに、いちファンとして嬉しいのは、「君が好き Rearrange ver.」が収録されること。この原曲は前作のアルバム『Just LOVE』に収録されていたが、レノアハピネスCMソングに抜擢されたことを受け、「Dear Bride」のカップリングにCMバージョンがあらためて収録されていたのだ。しかし、この曲の普遍的な優しさ、温かさが人気を呼び、多くの人に愛されている曲に成長したからこそ、ニューアルバムにも収録されることとなった。シンプルかつ、彼女の表現力、歌唱力を感じることができるこの曲は、このアルバムでもすごく強い存在感を放っている。
そして、忘れてはいけないのが、彼女の魅力は友情ソングでも発揮されるということ。
「『Best Friends Forever』は、今の自分や、友だちをイメージした曲になりました。金曜日に仕事が終わって、友だちと集まり、笑顔が絶えない夜の楽しい時間を過ごすという幸せそうなイメージを膨らませながら作りました。私自身、大学を卒業して何年も経ちますが、当時からの友達と集まるとすぐに大学生の頃と同じような感覚でいることができるんです。もちろん、みんなが違う職業についているので、生活スタイルは全然違います。でも、コンスタントに会おうと約束をしているんですよ。私にとって友だちと話す時間は、本当に大切なもの。この時間が私を支えてくれているんだと思います」
平成生まれの女性ソロシンガーとして初めてのドームツアーを成功させ、誰もが認めるトップアーティストでありながら、彼女を作り上げているものは、友だちや信頼できる仲間など、誰もが大切にしているもの。だからこそ、彼女からは、私たちが心から共感できる歌詞が生まれるのだろう。
そして、これだけのスターダムをのぼりながらも、自然体でいられるのは、彼女の人柄があるからこそ。デビューから10年、ずっと彼女のインタビューをさせてもらっているが、一度も彼女が発する言葉に“ブレ”を感じたことがない。純粋に“大人になった”と感じることはあるが、それは誰もが感じる“成長”。人間として、一人の女性として、恋愛や仕事に悩みながらも、一歩一歩前に進み、様々なことに納得し、その一方で夢を持つ姿は私たちと変わらないのだ。それを曲で表現してくれているからこそ、彼女の歌はいつでも私たちの心を揺さぶるのだろう。そして、一緒に成長している女性たちの心を、つかんで離さないのだ。(取材・文:吉田可奈)
西野カナ リリース情報
「西野カナ」の関連記事
この記事を読んだ人におすすめの作品
アーティスト情報
関連サイト
TSUTAYAランキング
集計期間:2022年6月20日〜2022年6月26日
-
SOFTLY[初回限定版]
NO.1 -
SOFTLY(通常盤)
NO.2 -
early summer 2022
NO.3 -
CIRCUS 通常盤初回仕様(CD Only)
NO.4 -
CIRCUS 初回生産限定盤B(CD+スペシャルZINE)[初回限定版]
NO.5
集計期間:2022年6月20日〜2022年6月26日
集計期間:2022年6月20日〜2022年6月26日