【連載】LIFE相場正一郎さんと12カ月の道具たち:12月はお気に入りの食器&カトラリーで食卓を彩る

2003年、代々木八幡商店街にレストラン「LIFE」はオープンした。訪れた人を心地よく包み込むような空間とほっとさせる料理だけでなく、カルチャーやライフスタイルの発信地としても多くのお客さんから愛されている。

そんな「LIFE」の生みの親であるオーナーシェフ・相場正一郎さんは、自他ともに認める“道具好き”。食はさることながら、山登り、サーフィン、インテリア、カメラなど、さまざまなことに造形が深い相場さんは、一体どんな道具たちと寄り添いながら一年を暮らしているのか。その月ごとの欠かせない愛用の道具をひとつずつピックアップして、相場さんと道具たちのストーリーを紡いでいく。

第7回目となる12月は、LIFEや自宅で使っているという食器やカトラリーのお話。普段使いからパーティ料理まで幅広く活躍する、相場さんならではの食器のチョイスについて伺った。

イタリアの食堂の空気を運ぶ食器たち

――白や茶などナチュラルな色合いを基調とした食器やカトラリーが並んでいますが、こちらはすべてお店で使われているものでしょうか?

はい、ここに並んでいるものは全てLIFEで使っているものですね。

――シンプルで飽きのこない、しっかりとした素材が多い印象です。食器のチョイスは店のイメージに合わせて?

LIFEはイタリア料理店なので、イタリア製の食器を意識して使っています。白のオーバルはイタリアの業務用食器のサタルニアのもので、イタリアの食堂でもよく使われていますね。シンプルで様々な料理と相性がよいだけでなく、丈夫で食洗機にもかけられるので、レストランで使うのに非常に適していると思います。カップ&ソーサーもイタリア製のものですね。こちらも肉厚で割れにくく、イタリアでもよく使われています。

――やわらかい厚みがあるオーバルは様々な料理が映えそうですね。他のカトラリーもイタリア製が多いのでしょうか?

フォークとスプーンはイタリアのアレッシィのものを使っています。もう廃盤になってしまったのですが、7,8年前に発売されたマットラインをLIFE sonの開店に合わせて購入しました。ナイフだけはイタリア製のものが日本で手に入らなかったので、スイスVictorinox製の山用のものを合わせて使っています。

既製品とオリジナルラインを併用

――山用の食器というのがLIFEらしいチョイスに感じます。

店のコンセプトとして、イタリアンかつ「山に合いそう」な食器というのも意識しています。こちらにあるシュガーポットはランドスケーププロダクトで購入した長野の工芸品ですが、どことなく山小屋に置いてありそうな佇まいが気に入っています。

――日本の工芸品とのことですが、どことなくヨーロッパっぽい雰囲気もありますね。そちらにある使い込まれた木の食器も山小屋風ですね。

これは無印良品で5,6年前に購入しました。サラダを入れるのに使っているのですが、ナイフ跡がついてかなり味が出てきましたね。

――基本的に既製品を使われているのでしょうか?

既製品とオリジナルのものをミックスして使っています。例えばランチのプレートや前菜の盛り合わせなどで使っている大皿は日本のFrancisco45 sobakaiさんに作ってもらったLIFEのオリジナルです。各店舗ごとに色替えしてもらっていて、LIFEはベージュ、LIFE sonは茶、LIFE seaはブルーなど。こちらの色のチョイスも山は意識しています。

――既製品とオリジナルが違和感なく混じり合って、LIFEを作っているのですね。ほかにLIFEオリジナルの製品はありますか?

LIFEの刻印が押してあるカトラリー置きはオリジナルで作りました。また、パンを置くための木製プレートは店のオープンに合わせて、自分たちで木材を切って作りましたね。店で使うものに関しては基本的に丈夫で、適度なシャレ感があるものをチョイスしています。

柄のある和食器にパスタを盛りつける面白さ

――機能性とデザイン、既製品とオリジナル、そのバランスがよいのがLIFEの魅力のひとつに感じました。ご自宅で使われている食器もお店と近いものでしょうか?

店と同じ食器もありますが、自宅では奥さんが買ってきた和食器や、店で使わないアラビアのヴィンテージのものやロイヤルコペンハーゲンのクラシックなども使っています。

――ご自宅ではお店で使わないものも使っているとのことですが、お店でも自宅でも、興味があって今後使ってみたい食器などはありますか?

基本的には白い食器が好きなのですが、最近になって柄のあるお皿にも興味がでてきました。イタリアの田舎町にもあるのですが、海の絵が描かれていたり。雑誌などの料理の撮影でたまに使うことがあるのですが、和食器で九谷焼のように細かい柄があるものに洋風のパスタを盛りつけたらぐっと印象が変わったりして、面白かったですね。

――和食器や柄物に盛りつけることで、相場さんの新しい世界観が産まれそうですね。 将来的にそういった食器をお店で使う可能性などありそうですか?

いまのところ店で使う予定はないのですが、いつかタイミングがあれば使ってみたいですね。

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(インタビュー・文:山本加奈子、撮影:MASA(PHOEBE))

「LIFE」オーナーシェフ
相場 正一郎

イタリアのトスカーナ地方で料理修行をした後、2003年に代々木公園にカジュアルイタリアン「LIFE」をオープン。現在、「LIFE son」「LIFE Sea」など全国に5店舗を運営する。店舗では、イベントの開催、オリジナルプロダクトの制作、地元の情報を集積したフリーペーパー『PARK LIFE』の発行など、カルチャーの発信地としても多くのファンを持つ。最近、渋谷の東急本店に抜ける長い一本道「奥渋谷」に話題の店が続々と増えているが、その走りとなったパイオニア的な店が「LIFE」と言える。

著書は『世界でいちばん居心地のいい店のつくり方』(筑摩書房)『LIFEのかんたんイタリアン』(マイナビ)『LIFE OF THE MIND』(ネコ・パブリッシング)など。

公式サイト

■他の月の「【連載】LIFE相場正一郎さんと12カ月の道具たち」を読む

4月はイタリア時代からの相棒・カメラと旅立つ
5月は思い出のインテリアを囲んで家族と寄り添う
6月の朝はコーヒーと読書ではじめる
7月は手作りボードで、サーフィンと仕事の波に乗る
8月は愛車ディフェンダーでドライブ。山へ海へ
9月はグリーンを飾ってお客さんをもてなす
10月はとっておきの調理道具で料理を作る
11月の休日は男のアウトドアを楽しむ
1月は憧れの人ゆかりの腕時計で時を刻む
2月はメガネを使い分けて日々のおしゃれを楽しむ
3月は愛用の道具を鞄に詰めて街へ繰り出す

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