<インタビュー>ハードな描写が連続する衝撃スリラー『フジコ』主演・尾野真千子インタビュー

尾野真千子

映像化不可能といわれた真梨幸子の“イヤミス(後味の悪いミステリー)”『殺人鬼フジコの衝動』を原作に、主人公フジコの悲しく破滅的な半生と、彼女が多数の人間を殺害するに至った経緯を鮮烈にあぶり出す衝撃作『フジコ』がDVDで登場。主演の尾野真千子が、役に込めた思いを語る。

血のりは髪の毛の3度洗いが必要なほど大変!

正直に告白すると、フジコ役は最初お断りするつもりでした。なにしろ脚本の読後感が『むごい、ひどい、辛い』の三拍子で、こんな衝撃的な役から自分を守りたかったことも事実です。でも、脚本を担当された高橋泉さんの『凶悪』をはじめとするいくつかの作品を観たりして徐々に考えが変わりました。この作品には確かに恐ろしい場面がたくさんあるけれど、決してそれだけのお話ではなくて、人間心理の深い部分に訴えかける何かがある。だったら私がフジコを演じることで、その何かを伝えられるのではないか。怖がってばかりいたら何も生まれない、不安を抱えながらも思い切って現場に飛び込んでみようと決心しました。

という覚悟の上で挑んだフジコ役ですが、予想以上にハードでしたね。普段は一晩寝れば、極端なときはカットがかかった瞬間に役から離れてリセットできるのに、今回ばかりは違いました。撮影期間中はずっと緊張状態が続いて、やっぱりフジコを引きずっていたのかもしれません。初めての経験で大変だったのは撮影用の血のり(笑)。髪の毛の3度洗いは普通でしたし、おまけに化粧水さながらに肌に浸透するみたいで、血のりにまみれていた日にはお風呂で何回洗っても浮き上がってくるんです!

実は、私の知らないうちに友人たちの間で“フジコ会”なるものができていて、『フジコ』について熱く語り合ってくれていたようなんです。みんな驚くほど細かいところまで観ていて、思い思いに分析しているから逆に私が勉強させられる(笑)。彼らが口をそろえるのが『結局、フジコは愛に突き動かされていた』ということ。この言葉を聞いて『監督をはじめ、私たちが必死に作り上げた作品をこんな風に捉えてくれたんだ。やってよかった』と改めて実感しました。

この作品のDVDでのオススメの楽しみ方は繰り返し観ていただくこと。一度観ただけではわからない細かい発見がきっとあるはずだし、そこから作品に込められた思いを感じ取ってもらえたら嬉しいですね。

◆PROFILE

おの まちこ/'81年奈良県生まれ。河瀨直美監督の『萌の朱雀』('97)で女優&主演デビューし、以降、多数の映画やTVドラマに出演。代表作は映画『殯の森』('07)、連続テレビ小説『カーネーション』('11〜'12)、『そして父になる』('13)ほか。映画『後妻業の女』が8月27日公開。

『フジコ 上、中、下』(全3巻)

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『フジコ 上、中、下』(全3巻)

4.22 RENTAL(TSUTAYA先行レンタル) 5.27 ONSALE
'15年・日
演出/村上正典
原作/真梨幸子
脚本/高橋泉
出演/尾野真千子、谷村美月、丸山智己、リリー・フランキー、浅田美代子、真野響子
【セル】9,000円(税抜/BOX)

(取材・文:佐々木優)

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アーティスト情報

尾野真千子

生年月日1981年11月4日(37歳)
星座さそり座
出生地奈良県

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